《姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています》
今からちょうど4年前の'19年3月22日。佳子さまは、国際基督教大学ご卒業にあたっての文書で、メディアに苦言を呈された。
宮内庁に広報室が新設
「眞子さんの結婚問題が混迷を極めていたころでした。姉や小室圭さんへの批判に対し、佳子さまが憤られていたのは間違いなく、一部では“佳子さまの乱”とも報じられました。それ以来、佳子さまがメディアをよく思われていないことは、暗黙の了解事項となっています」(宮内庁OB)
今なお、秋篠宮家の一挙手一投足に注目が集まる状況が続いている。
「最近、しきりに報じられているのが、佳子さまの別居問題です。お代替わりに伴い秋篠宮邸は改修され、昨年9月に完成しました。ご一家は、今年3月末までの引っ越し完了を目指し、仮住まい先の『御仮寓所』から少しずつ荷物を運び出されているとか。
ただ、佳子さまの転居作業が遅滞していることから、“御仮寓所に残り、ひとり暮らしされるのでは”と、もっぱらの噂です」(同・宮内庁OB)
引っ越しのタイムリミットを迎えるなか、時を同じくして皇室には大きな改革がもたらされる。
「宮内庁に広報室が新設されます。皇室の情報を正確かつタイムリーに発信すべく、ホームページのリニューアルやSNS活用を視野に入れた広報展開が検討されています」(皇室ジャーナリスト)
これまでは、宮内庁総務課にある「報道室」が担っていた広報業務が独立することになったのだ。
「皇室の正しい姿を国民に知ってもらうために、積極的な情報発信が必要だという考えは平成5年からありました」
そう話すのは、かつて報道室に勤務していた経験を持つ、皇室解説者の山下晋司さん。
宮内庁は平成11年にホームページを開設し、皇室の方々の写真やおことば、活動内容などを紹介してきた。
「今のホームページは資料としての利用価値はありますが、タイムリーな情報はほとんどありません。“ホームページに掲載するものを選択する”という姿勢から脱却し、出せる情報はすべて出すことを基本に運営していくことが必要だと思います」(山下さん)
報道陣に挨拶しない佳子さま
海外の王室に目を向ければ、王室や王族個人がSNSアカウントを持つケースは珍しくない。日本でも皇室のSNSが発足し、ご活動が毎日のように投稿されれば、国民との距離はおのずと近づくだろう。
「広報室の発足にあたっての“火付け役”は秋篠宮さまで、小室さん夫妻の結婚騒動を教訓にしたといわれています。結婚をめぐって、秋篠宮家や小室家はネットを中心に非難を浴びることとなりました。しかし、定例記者会見とホームページ以外に発信する手段を持たない宮内庁は、何も手を打つことができなかったのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
秋篠宮さまは'21年の誕生日会見で「人を傷つけるような言葉というのは、雑誌であれネットであれ、私としてはそういう言葉は許容できるものではありません」と、不快感を示された。
「翌'22年の誕生日会見では、皇室報道に反論するための“基準づくり”は難しいとしつつ、各皇族方がSNSアカウントを持って情報発信する可能性について、“あり得る”と述べられました。とはいえ、SNSに消極的な皇族方もいらっしゃるかと。佳子さまもそのひとりだと思います」(皇室担当記者、以下同)
このところ、公務の場での佳子さまの振る舞いが話題になっているという。
「出席される行事の関係者や参加者に対しては、笑顔を振りまかれていますが、報道陣に対しては打って変わったご対応なのです。両陛下やほかの皇族方は、マスコミの前を横切る際などに、目配せや軽い会釈などをしてくださることが多いのですが、佳子さまは一瞥もなさらず、空気のように扱われてしまいます」
冒頭のように、佳子さまは以前からメディアへの嫌悪感を示されていた。
「マスコミといえども、一国民。報道の先に、皇室の情報を知りたい視聴者や読者が待っていることに、思いを馳せられてもよいのでは」
佳子さまと国民との間には、依然として溝が存在している。
「長引く反抗期というか……。佳子さまの頑なな姿勢には、殿下も困惑されていると拝察します。このままでは、佳子さまが積極的に広報室と関わられるとは到底思えず、SNS活用も現実的ではありません」(秋篠宮家関係者)
課題が山積する中、宮内庁内外から注目を集めているのが、このたび発令される広報室の人事だ。
重要ポストに“スパイハンター”
「SNSの特性や、メディアリテラシーに知見がある人物となれば、民間から登用される可能性もあるのでは、と囁かれていましたが……。広報室長に任命されるのは警察庁出身のFさんだといいます。現在の宮内庁では、長官や総務課長も警察庁出身ですし、意思疎通の図りやすさが重視されたのでしょう」(宮内庁関係者)
警視庁の組織犯罪対策総務課長などを経て、直近は警察庁外事課の安全保障室長を務めていたというFさん。
警視庁公安部外事課の元捜査官で、『日本カウンターインテリジェンス協会』代表理事を務める稲村悠氏に、一般的には聞き慣れない“外事課”の業務内容について聞いた。
「主として外国勢力によるスパイ活動の捜査や不正輸出を防ぐ部隊です。日本の企業や研究機関の先端技術が外国勢力から狙われることがないように、未然に防ぐことが求められます。日本の安全を守るべく、外交や防衛の機密情報を適切に扱うため、情報管理能力に極めて長けている人材が集まっています」
今後の命運を握る重要ポストに“スパイハンター”が選ばれることに、宮内庁内外からは納得の声が上がっている。
「少なからず、殿下のご意向もあるのではないでしょうか。Fさんが室長になる以上、SNS活用を含む“開かれた皇室”の体現よりも、ひとまず誤った情報を正し、今以上の炎上を招くことがないように対策が講じられる可能性が高いです。プライベートの公開に抵抗がおありの佳子さまを、安心させることができる“秘策”ともいえるでしょう」(前出・秋篠宮家関係者)
秋篠宮さまがお膳立てされた皇室SNSが、いよいよ始動する─。
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている。著書に『いま知っておきたい天皇と皇室』など
稲村 悠 『日本カウンターインテリジェンス協会』代表理事。警視庁公安部外事課の元公安部捜査官として、スパイ対策の最前線で多くの諜報活動の取り締まりおよび情報収集に従事