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「食べ物を捨てるのは、お金を捨てるのと同じこと。買ったら食べ切るのが節約の大前提です」

 と断言する料理研究家の島本美由紀さん。

安く買って賢く保存“捨てない”生活を徹底

 京都市の試算によれば、4人家族で月に約5000円分もの食品を廃棄しているという。

 島本さんは夫と2人暮らし。フードロスをなくすために“ムダ買いしない、食べ忘れない、使い忘れない”工夫をしている。

「買い出しは週に2回。3日分の献立を考えて食材を買います。3日分ずつなら新鮮なうちに使い切れますし、外食などの急な予定変更があっても、週の残りの1日で調整できます。

 特売で多めに買った肉は下味冷凍で“おいしい貯金おかず”に、半端に余る野菜も冷凍保存でムダにしません」(島本さん、以下同)

 ほかにも月に1度は冷蔵庫内の棚卸しを必ず行い、賞味期限が近いものを優先して使う日を設けている。

「今後も続く食品値上げに備えて、安くまとめ買いして使い切る習慣を身につけることが節約につながります」

フードロス防止は野菜保存がキモ

 家庭でムダにしがちな食材ナンバーワンは「野菜」。使いかけはカゴなどにまとめ、野菜室の上段を定位置にすると迷子にならない。

フードロス防止は野菜保存がキモ

「葉野菜は立てて収納、きゅうりやきのこ類はキッチンペーパーで巻いてポリ袋に入れると傷みにくくなります。ピーマンやトマトが1、2個余るときは、洗って丸ごと冷凍保存袋に入れ冷凍室へ。凍ったまま煮込み料理などに使えます」

「葉野菜は立てて収納」

冷蔵室は余白をつくれば食べ忘れナシ!

 食材を詰めすぎると奥が見えず、使い忘れがち。

「手や目が届きづらい最上段は飲料や長期保存がきく漬物を入れ、基本は余白スペースにしておきましょう。各棚に余裕を持たせればストック食材が把握しやすく、冷却効率もアップします」

 作り置きおかずは、透明の保存容器で中身が一目瞭然、食べ忘れ防止に。

冷蔵室は余白をつくれば食べ忘れナシ!

買い出し前の写メでダブり買い阻止

 在庫を確認せずに買い出しに行くのは絶対NG。特売で買って残りがちな牛乳、納豆、豆腐や、1袋に複数個入りのにんじんやピーマンなどは前回の買い物から日数がたっていると残っていることを忘れてダブり買いしがち。結果、賞味期限切れにつながる。

「冷蔵室、ドアポケット、冷凍室、野菜室を携帯電話で撮影しておけば、出先で確認しながら買い物ができます」

買い出し前の写メでダブり買い阻止

冷凍貯金でおいしく長持ち

 肉や魚はトレーから出し、ラップで包んで冷凍用保存袋に入れると1か月冷凍保存がきく。

冷凍貯金でおいしく長持ち

「調味料をからめて冷凍用保存袋に入れれば2か月持つうえに、食材はやわらかく味しみもアップ!冷凍室は7~9割収納にすると冷気がまわりますが、積み重ねは厳禁。立てて見やすさをキープして」

島本美由紀さん●料理研究家。食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、冷蔵庫収納術や野菜保存に関する著書多数。YouTube『島本美由紀のラク家事CH』では家事をラクにするアイデアを発信中。
教えてくれたのは……島本美由紀さん●料理研究家。食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、冷蔵庫収納術や野菜保存に関する著書多数。YouTube『島本美由紀のラク家事CH』では家事をラクにするアイデアを発信中。

(取材・文/廣瀬亮子)