3月21日、滝沢秀明が新たな会社の設立を発表した。
「ツイッターの音声生配信機能を使って、『株式会社TOBE(トゥービー)』を立ち上げたことを報告しました。昨年10月にジャニーズ事務所を退社して今後について考えた結果、もう一度エンターテイメントの人生を歩むことにしたそうです」(スポーツ紙記者)
'18年末に表舞台を去った後、退社まで裏方としてタレントの育成や舞台の演出を行ってきた滝沢だが、やはりこの“タッキーズ事務所”は亡きジャニー喜多川さんの遺志を継ぐものになるのだろうか。ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛さんに聞いた。
「滝沢さんは昔、ジャニーさんに“YOUに10あげるから1でも返しなさい”と言われていたそうで、'18年12月28日にTBS系で放送された『中居正広の金スマスペシャル』で中居正広さんに、どれくらい返せたかを聞かれ、“1も返せてない”と答えています。おそらく、まだ滝沢さんの恩返しは終わってないはず。今後、恩返しを続けるのか、まったく新しいエンターテイメントを立ち上げるのかはわかりませんが、まだ“ジャニーイズム”が残っている気がしますね」(霜田さん、以下同)
新人募集も囁かれる懸念点
『TOBE』の公式サイトでは、すでに新人募集が開始されている。“次のエンターテイメント”を強く謳う滝沢が求める人材とは……。
「いわゆる'90年代の“ジャニーズ系”の顔とは別の傾向の男の子が滝沢さんの好みだと思います。その点はジャニーさんとの大きな違いが感じられますね。“顔ありき”というよりも“パフォーマンスありき”で、ジャニーさんは“履歴書を見て、10年後の顔を想像できる”とおっしゃっていましたが、滝沢さんは“どれだけちゃんと頑張ってパフォーマンスを磨いているか”を見ているんだと思います。
例えば、Snow Manの目黒蓮くんは、'17年の『滝沢歌舞伎』のとき、出演予定のJr.がケガをして急に代役を務めることになり、1日で覚えて務め上げたことが滝沢さんに認められて、Snow Man加入につながりました」
しかし、懸念点も。
「ジャニーさんの審美眼で選んで、滝沢さんが成功させたタレントは、Snow Manを筆頭にたくさんいますが、“滝沢さんが選んで大成功したJr.”の成果はまだ出ていません。ゼロからの“発掘眼”が、今後試されるのではないでしょうか」
現時点で滝沢の新会社について発表されたのは、“新人募集”と“アーティストのプロデュース”のみだ。一体、滝沢は何を企てているのか。
「当該会社の事業活動を支配・管理」その言葉が示すもの
そこで新会社について調べると、『TOBE』設立と同日に『TOBE MUSIC』をひっそり立ち上げていた。『TOBE』はマネージメントがメインで、『MUSIC』は音楽制作や著作権管理などがメインになると見られる。
この2社の会社登記をよく見ると、他の芸能事務所ではあまり見かけない記載がある。レイ法律事務所の河西邦剛弁護士が解説する。
「滝沢さんの会社でいちばん特徴的なのは、会社の目的の1番目に《次の事業を営む会社の株式を所有することにより、当該会社の事業活動を支配・管理すること》と明記されていることです。大手芸能事務所の登記でも、“次の事業を営む会社の株式を所有する”とか“支配管理する”という表現を使っている事務所はほとんど見たことがありません」
これが意味することとは……。
「目的欄には、《アーティスト、音楽家及びタレントの養成、マネージメント及びプロモート》、《芸能人、タレント、俳優、歌手等のファンクラブの運営》などの24項目と、それらの《各事業を営む企業に対する投資》という表記もあります。今後、どなたかが合流したときにその人を社長とした別のマネージメント会社を立ち上げ、その会社を支援することによって、滝沢さんが会長のような立場で事業展開していくことをイメージされているんだろうなと思いました。そういう“親会社”のようなイメージだと、この表記がすごくしっくりくるんですよね。いわゆる“ホールディングス”みたいなことで、今後、グループ会社が増えていくことを想定しているのではないでしょうか」(河西弁護士)
5月2日での退所を発表した三宅健の合流もSNSで囁かれる中、退所予定のジャニーズJr.の『IMPACTors』のメンバーは、周囲にこう漏らしていて……。
「堂々と滝沢さんのところに行くと角が立つから、表向きは個人事務所を作って、裏では滝沢さんに面倒を見てもらう予定だと話していました」(メンバーの知人)
《タッキーが作り出すエンターテイメントに期待とワクワクが止まらないです》
などと、SNSでは『TOBE』の今後を応援する声が多く寄せられているが……。
「タイミングや発表の仕方が完璧で用意周到なので、世間からジャニーズ事務所へヘイトが向くよう計算したのかなと。ジャニーズ事務所から見たら、滝沢さんは“裸の王様”だったかもしれませんが、その滝沢さんに立場を逆転されないよう、危惧するべきでしょう」(芸能プロ関係者)
河西邦剛 レイ法律事務所の弁護士として、芸能・エンターテインメント分野および、刑事分野の統括責任者を務める。メディアにも数多く出演し、講演やセミナー等も行っている
霜田明寛 文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行