「やんちゃなほうでしたが、そんな酷いことをやる人間じゃない。何かの間違いじゃないんですか」
と容疑者の中学校時代の同級生は動揺していたーー。
警視庁本所署は26日、東京都中央区銀座で割烹料理店『いづく』店長の料理人・崎楓真(さきふうま)容疑者(25)を住居侵入と強制わいせつの疑いで逮捕した。
「容疑者は今年1月15日の午前6時ごろ、20代女性が住む墨田区のオートロックマンションに、他の住人が出入りする隙をみて侵入。施錠されていなかった女性の部屋に押し入って、就寝中だった彼女の身体を触るなどのわいせつな行為をしたもの」(全国紙社会部記者)
被害女性が容疑者の行為に気づいて抵抗すると、容疑者は立ち去った。
「翌16日、被害女性が警察に相談して、事件が発覚。彼女は別の飲食店に勤務していて、容疑者の高校の後輩という情報もある」(同・社会部記者)
崎容疑者は警察の取り調べに対して、
「酒に酔っていて、よく覚えていない」
と一部容疑を否認しているという。
ZOZO前澤友作氏の専属料理人だった情報も
同容疑者は約2年前、銀座で自身の店をオープン。企業の重役や、政治家、芸能人などセレブたちからすこぶる評判がよかったという。コース料理で3万円超、酒まで合わせると5万円もする高級店だった。
「もともとはZOZOの創業者で元社長の前澤友作氏の専属料理人を務めていたとも。彼のVIP人脈でのし上がったところはあるんでしょうね」(飲食店関係者)
タリウム殺人の被告も常連だった?
知人の女子大生にタリウムを摂取させ殺害した容疑で3月上旬に逮捕された宮本一希被告(37)も、崎容疑者とつながっていて、
「相続した不動産の家賃収入だけで十分にやっていけるほど裕福だった宮本容疑者。『いづく』の常連だった可能性は高く、被害の女子大生を連れてきていたかもしれません」(同・関係者)
まさかの偶然が起きていた同店は逮捕以降、閉店状態に。周辺を聞き込みするも、近隣の住民とはほとんど交流はなかったようである。
容疑者は店と同じ中央区内の築15年、10階建てで家賃月12万円ほどのワンルームマンションに独り住まいをしていた。だが、その周辺でも彼の存在を知る住民は皆無だった。
そこで容疑者の故郷・三重県津市を訪ねて、容疑者の人となりを追いかけた。実家の近所の住民は、
「楓真くんの家は祖父も割烹料理店をやっていたのよ。その後、楓真くんの父親は調理師専門学校を卒業して、40年前から居酒屋を経営しています」
3代にわたる料理人の家系だった。
「料理人の父親、看護師で店も手伝う母親、兄、そして楓真くんの4人家族でした。母親も可愛らしい人だし、父親はかなりのイケメン。父親似の楓真くんもイケメンで、活発ないい子でしたよ」(近所の主婦)
冒頭とは別の容疑者の中学校時代の同級生も、
「勉強は普通だったけど、運動神経はよかった。部活は陸上部で、短距離か長距離をやっていた。やんちゃなところもあったけど、みんなで和気あいあいとやれるいいヤツでね。礼儀正しく、真面目なところもあった」
容疑者は、松岡昌宏が主演を務めた『高校生レストラン』(日本テレビ系、11年放送)のモデルとなった県立高校の食物調理科へ進学。部活でも調理部に所属し、部長として名だたる料理コンテストで優勝したという。
地元では“天才高校生料理人”で有名
「高校時代から地元のテレビにはよく出ていて、ちょっとした有名人でした。“天才高校生料理人”ってね」(前出・主婦)
高校卒業後、日本料理の老舗『京都吉兆嵐山本店』へ就職。京都市内に移り住み、約3年半の下積み修業に従事した。同店は週刊女性プライムの取材に対して、
「もう、だいぶ前のことですから……。ええ、うちにいる間は頑張っていたと聞いておりますが、それ以上のお答えは……」
と戸惑いを隠せないようすだった。
同店を辞めて上京、フリーの料理家を経て、2年前に店を持ってようやく軌道に乗った矢先の事件だった。だが、容疑者の酒にかこつけた言い訳については、
「酒癖がよくない印象はあったので、お酒の勢いでやっちゃったのかな。でもあんなひどいことをして“覚えていない”は通用しないですよね……」(前出・同級生)
息子の犯行について、父親に話を聞くと、
「(取材は)やめてください。ただ、被害者のかたには心から謝罪して、償っていきたいと考えております」
とのことだった。
事件の真相は捜査で明らかになるだろう。いずれにしても、真の料理人を極めるのなら、調理の技術だけではなく、人の気持ちや痛みを理解する“修業”が足りないのは間違いない。