「お疲れちゃーん☆」
あのキムタクが、変な料理を作る。作った料理をモリモリ食べる。キンキンに冷えた発泡酒を飲む。最後の決めゼリフは“お疲れちゃーん☆”だ。ナニコレ最高にオモロ……。
木村拓哉専門のコスプレーヤー
誰もが二度見してしまう動画。それがmoppun0523こと、モノマネ芸人・元木敦士のインスタグラムだ。
「モノマネ芸人ってゆーか、木村拓哉さん専門のコスプレーヤーなんですよね、ボク」
と、語ってくれたのは、映画『レジェンド&バタフライ』で信長を演じた木村拓哉……になりきった元木だ。場所は元木の自宅キッチンである。なんというシュールさ。
今回、取材を申し込むと、すぐさま快諾してくれた元木。なんと動画の撮影現場である自宅に招いてくれた。うっそ優しい~。
週刊誌の自宅取材を快く受けてくれるキムタクなんて、後にも先にも元木敦士くらいではないだろうか。しかも、取材時間の15分前、住宅地で迷ってしまったわれわれ取材班を、レジェバタ信長公の姿のまま迎えに来てくれた。この殿、好感度抜群ではないか……!
「ボクは衣装から入るんですよ。モノマネはともかく、衣装だけは本格派。この信長公の衣装はいちばん高くて、カツラが30万、着物に30万。計60万円かけてますよ!」
時代劇専門の衣装屋さんであつらえたものだというから本気度がすごい。部屋の隅で控えていたマネジャー氏の“ホント高いんだって……”というつぶやきが聞こえる。
さて、3月末現在フォロワー5.1万人である元木の人気料理動画に話を戻そう。
「料理動画をインスタで始めたのは半年前です。それ以前はただモノマネをしているだけの動画だったんですが、料理動画にしたら一気に4万人増えました」
動画のテーマは“食卓に笑いを!”。きちんとしたレシピで作ることもあるが、多くは“家庭で出したら子どもがビックリする/カレカノ2人で笑って食べられる”ことを基準に創作された料理だ。
「いままでに好評だったのは海老を合体させて作ったデカすぎる海老フライとか、熱した鍋でのして作る丸ごとタコせんべい。ちゃんとしたレシピは料理家の先生たちが見せてくれる。だからボクが提供できるのは食べづらさと見た目のインパクトですかね」
“ナニコレw”が最高の褒め言葉です、と笑う。そんな元木は現在、週6で『六本木ものまねハウスSTAR』のステージに出演している。
「店が終わって、終電で帰ってきて、週1~2回のペースで撮影。撮影も編集も全部ひとりでやっていますよ」
モノマネ番組で本人に対面した際の結果は
コロナで1年間、店が休業。その間に動画を作り始めた仲間の撮影や編集を手伝ううちに、料理動画を撮るアイデアが生まれたという。
「ボク、香川県の出身なんですけど、父がフェリーのシェフをやっていまして。家でわりと凝った料理を作ってくれていたから、昔から料理には興味がありました。あと、木村さんも料理好きですもんね!」
また、本物の木村拓哉に会えたこともひとつの転機に。
「某番組で呼んでいただいたのが、ご本人の前でするモノマネ選手権でした。結果はぶっちぎりの最下位でしたが、お会いできたことがうれしくて」
“キムタク芸人”としてひとつのゴールを迎えてしまい、次なるゴールを模索していたタイミングでもあったそうだ。
では、料理動画のインスタグラマーとして現在ブレイク中の元木が次に目指すものは、はたしてなんだろうか?
「(ドラマ)『教場』風間のメガネが欲しいですね! あれレアだし、高くって……」
“もうZ●FFで似たの買いなよ!”マネジャーのツッコミがカットインした―。木村拓哉専門コスプレーヤー・元木敦士のキムタク沼の深さを垣間見た取材となったとさ(めでたしめでたし)。