「座長として困ってる人がいたら助けようと思っていたのに、共演者のみなさんがしっかりしていたので、僕はみなさんに助けられながら、楽しく撮影させていただきました(笑)」
そう話すのは、4月3日からスタートしたドラマ『おとなりに銀河』に単独初主演の佐野勇斗。原作は『gооd!アフタヌーン』に連載中のSFラブコメディーだ。
原作を読んでビックリ
佐野は年の離れた幼い妹弟を男手ひとつで育てる、売れない漫画家の久我一郎役。ある日、一郎のもとに臨時アシスタントとして五色しおり(八木莉可子)がやって来る。
「最初に原作を読んだときは“なんて奇想天外なストーリーなんだ!”と思いました(笑)」
彼女は実は“流れ星の民の姫”。その身体から出た棘にうっかり触れたことで、婚姻関係の契りが結ばれてしまう。
「でも、恋愛初心者のふたりが気持ちを伝え合うところにキュンキュンするんですよね。すごく丁寧にふたりの恋愛が描かれているのも見どころです。手をつなぐにしろハイタッチするにしろ、ふたりとも恥ずかしがるんです」
一郎は周りに気を使いまくる、真面目な青年だが、
「僕は一郎ほど責任感もないし、家族に甘えるところはあります(笑)。似ているところは、家族以外の人に頼れず、大丈夫じゃないのに“大丈夫”って言っちゃうところかな?」
不思議な力によって離れることができなくなったふたりは、同じアパートの別部屋で生活を始める。そして、少しずつ心の距離を縮めていく……。
「結婚願望ありません」
「結婚願望? ないんですよ。ひとりが好きだし、帰ってきたら自分のやりたいことをやりたいタイプなので(笑)。ずっと先の話だと思いますけど、お互い、思いやりのラリーができる人となら一緒に暮らせるのかもしれない……かな?
『おとなりに銀河』も登場人物がみんな思いやりのある人たちばかりで、やさしい気持ちになれる作品です。月曜から木曜までの夜15分間だけでも、その日にあった嫌なことを忘れて、少しでも心が軽くなってもらえたらうれしいです」
3月23日に25歳を迎えたばかり。
「ヤバイな(笑)。もう30歳が見えてくる。20代はあっという間ってよく聞くけど、僕にとってこの5年間は長く感じました。ありがたいことに出演作も増えて、みなさんに知っていただく機会も増えて。役者として成長できた思うし、人間としても考え方がいろいろ変わってきた気がします」
そんな佐野に、今後の目標を尋ねると、
「とにかく、今は走り続けるのみ! 本当に頑張らなきゃといけないと思うし、止まってなんていられないんです」
●3年続いています!
離れているのは無理! そんなものを尋ねてみると、
「タブレット型端末機ですね。思いついたことをすぐメモしたり、毎晩、寝る前には日記を書いています。日記は、コロナ禍で仕事がストップしたときに始めました。自分に何かを課さないと、本当に何もやらずに1日を終えてしまうタイプなので(笑)。自分の目標を書きつづったり、リアルな気持ちをぶちまけることで、整理ができているような気がします。休むことなく、3年続いています。もちろん、誰にも見せませんよ(笑)」
『おとなりに銀河』
毎週月曜〜木曜
夜10時45分〜(NHK総合)
取材・文/花村扶美 撮影/吉岡竜紀 スタイリング/伊藤省吾 (sitor)