「天皇ご一家は、この4月、'19年8月の那須御用邸ご滞在以来、約3年半ぶりに静養に入られる運びとなりました。行き先は、栃木県の御料牧場。ご家族そろって、久しぶりに遠方へお出かけになるのを、心待ちにしておられるご様子です」(宮内庁関係者)
コロナ禍以前、毎年3月に長野県でスキーを楽しまれるのが恒例だった天皇ご一家。昨年10月から『全国旅行支援』が始まり、3月13日からマスク着用のルールが変更されたが、これまで“おこもり生活”を続けてこられた。
4年生からはキャンパスにご通学
「両陛下がコロナに罹られた場合、手厚い医療態勢が組まれ、医療機関を逼迫させることになりかねません。社会情勢を踏まえて、お出ましのタイミングを慎重に判断される必要があるのです」(象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授)
今年の春、再開するのはご静養だけではない。
「4月から愛子さまは、学習院大学のキャンパスへのご通学を、本格的に始められます」(皇室担当記者)
愛子さまが大学へ入学されたのは'20年4月。感染拡大の影響により、入学式は執り行われず、当面の間は通学すらも禁じられた。
「やがて対面授業が再開すると、ほかの学生たちはサークル活動や学内行事に取り組むなど、青春を謳歌し始めました。しかし愛子さまは“両陛下にもしものことがあれば、国民に迷惑をかけてしまう”と、オンライン授業を継続。初めて大学のキャンパスで授業を受けられたのは、昨年12月下旬で、今までのご通学は3年間で数回にとどまります」(同・皇室担当記者)
愛娘がキャンパスライフを送ることは、両陛下の悲願でもあった。天皇陛下は、今年の誕生日会見で、こう述べられている。
「4月から愛子も4年生になります。新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いて、キャンパスに足を運べるようになり、これまで以上に広い経験を積んでくれればと思っています」
進級されるタイミングで、ようやく真の大学生活の幕開けとなるが、同級生たちは目下、就職活動に励んでいる。
「一般的に、4年生になると履修する授業数が減ります。一方で、卒業論文のように、教員からマンツーマンで指導してもらう場は増えますから、必然的に通学の機会は増えるのではないでしょうか」(河西准教授)
伊勢神宮も参拝されていない
愛子さまは、昨年3月に臨まれた成年会見で、今後の進路について「現時点ではまだ考えがまとまっていない」と、明かされた。
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、大学ご卒業後の進路について、こう提案する。
「大学院進学、留学、ボランティア施設への就職など、多様な選択肢を想定しながら、ご自身に合った準備を進められては、いかがかと思います。感染状況次第ですが、さまざまな体験をされることが望ましいと考えます。それが福祉活動であれ、スポーツであれ、国民との接点が持てる場であれば、なおよいですね」
今後のご活動ぶりに注目が集まる愛子さま。これまでは国民の前に姿をお見せになる機会が限られていたが、成年皇族としての“露出増”を期待する声も上がっている。
「愛子さまは、いまだに単独で公務に臨まれたことがありません。学生のうちは学業優先とはいえ、365日勉強机に向かわれているわけではないでしょうし、もう少しお出ましの場があってもよいのでは」(宮内庁OB)
秋篠宮家の長女・眞子さんの“単独公務デビュー”は、16歳の時だった。
「上野動物園での『子ども動物園開園60周年・野間馬贈呈式』に出席しました。高校2年生にして、立派に公務をこなす姿は素晴らしかった。妹の佳子さまは、19歳だった'14年に出席された『少年の主張全国大会』が、初めての単独公務。かなり緊張された面持ちだったのが懐かしいです」(同・宮内庁OB)
天皇家の長子である愛子さまも、「大学生になったタイミングで単独公務を担われる」という見方が強かったが、コロナの影響もあって実現していない。さらに、
「成年にあたっての伊勢神宮ご参拝も延び延びになっています」(皇室ジャーナリスト、以下同)
皇族は、即位や成年、進学、結婚などの節目に、伊勢神宮を参拝されることが多い。昨年4月に高校に入学された悠仁さまも、同年10月に私的に伊勢神宮を参拝された。
「'21年12月に成人された愛子さまの“お伊勢参り”が、なかなか実現しない。宮内庁は、その理由について、黒田清子さんを例に挙げ、“天皇家の女性は必ずしも成年を機に参拝していない”と」
ご静養するなら伊勢参りもできる?
ちなみに清子さんが成人を迎えた'89年4月は、昭和天皇が崩御された直後だった。
「近年に成人した皇族方は、20歳の誕生日から日を空けずに参拝されていますし、説得力に欠けますよね……」
'11年10月に成人した眞子さんは翌11月に伊勢神宮へ。'14年12月に成人された佳子さまも、翌年3月に参拝されている。
「皇室と深い関わりを持つ伊勢神宮の参道を、愛子さまがおひとりで歩まれるお姿を、国民は心待ちにしています」
単独公務デビューと伊勢神宮ご参拝という2つの“課題”は、今後さらに愛子さまを追い詰めることになりそうだ。
「4月には、御料牧場にもお出かけになり、キャンパスへのご通学も再開されるわけです。そうなると、“大学の休日には公務もこなせるのでは”“ご静養が叶ったのなら、お伊勢参りもできるだろう”といった声が上がることは、たやすく想像できます」(前出・宮内庁関係者)
だが、国民が期待すればするほど、愛子さまのお出ましが先送りになる可能性も。
「コロナが完全に終息したとは言い難く、ご自身の外出によって、多くの国民が密集することを懸念されているのかもしれません」(小田部教授)
愛子さまは今、大学での学びに匹敵する“難題”に向き合われている─。
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数