4月に入り、新年度がスタートした。
新生活に期待に胸躍らせる人も多いだろうが、とある会社の入社式が話題に。
「住宅リフォーム事業を手掛ける『ネクステージグループ』の入社式が、3月31日に都内の品川プリンスホテルで行われたのですが、ネット上で批判する声が相次ぎました」(WEBメディア編集者)
入社式が立派な4つ星ホテルで行われるなら、新入社員としても嬉しいはず。何が問題だったのか?
“内定は婚約”“入社は結婚”
「同社の入社式は、結婚式などを執り行うホテル内にあるチャペルで、結婚式を模した形で行われるのです。新入社員が2人1組になってバージンロードを歩いて入場。さらには先輩社員からのブーケトスまで行われました。同社は採用の過程を“面接はお見合い”“内定は婚約”“入社は結婚”とする独特な考えを持っているよう。この入社式の様子がテレビのニュース番組で報道されたところ、SNS上で“気持ち悪い”という声が多数あがったのです」(同・WEBメディア編集者)
ツイッターでほかにどんな声があるのか覗いてみると、
《新入社員は会社と結婚するようなものだから入社式は結婚式場でするって個人的にはめちゃくちゃ気持ち悪いんですが》
《結婚式場で入社式って怖い会社だなって思った》
《会社と結婚のイメージって……つまりこの会社のために一生尽くせって言ってるようなものじゃん》
《チャペルで(疑似結婚式の)入社式だって。簡単に離婚(退職)できない様にする心理的束縛だと思うわ》
《「内定は婚約、入社は結婚」て…。じゃあ退社は離婚なのかよ? 結婚というプライベートな事象を仕事にこじ付けてくるこんな企業、絶対に自分の子は入社させたくない》
など、拒否反応を示す意見が続出……。
こうした声についてどう感じているのか『ネクステージグループ』の広報に話を聞いた。
参加した新入社員の気になる感想は…
――入社式を結婚式場で行う意図は?
「社会人になると家族と過ごす時間よりも、会社の仲間や上司、先輩社員と過ごす時間がすごく増えてくるということで、これはいわば“会社と社員の結婚と似ている部分があるよね”という弊社代表の考えから、チャペルでの入社式を行うようになりました。この入社式は2017年度から行っていて、式を演出する“プランナー”は昨年度に入社した社員が担当します」(『ネクステージグループ』広報、以下同)
――SNSでは否定的な意見も見受けられるが?
「弊社としては毎年、この入社式を行うにあたって、参加した新入社員がどう感じているのかを一番大切にしているのですが、参加した新入社員からは“すごく嬉しかった”という意見がものすごく多くあがっています。弊社としてもしっかりと新入社員を迎え入れていきたいという思いから、さまざまな意見があるとは思いますが、今後もチャペルでの入社式を継続していきたいと考えております」
――新入社員からは具体的にどんな声が?
「“すごく印象に残っている”という声や“自分たちが入社式に携わる時は、もっとスゴイ式にしたいよね”という意見などがあり、喜んでもらえていると感じております」
――新入社員が決意表明をするようだが、どのようなことを話すのか?
「入社式では新入社員の親御さんもご招待させていただいているのですが、親への感謝を述べる子が多かったです。社会人になるうえで家族の支えがあったからこそ今の自分があるという思いを、みなさん語っていました」
――「会社と結婚」と聞くと、「会社に尽くせ」と言われているように感じてしまうが?
「私生活に重きを置く考え方の子も毎年、新入社員でおりますし、考え方は人それぞれだと思います。個人によって仕事への取り組み方も違いますから、会社としては社員の個性にあわせて成長をサポートしていくという方針です。そのため、決して長時間の労働を強制することはありませんし、長く働かなきゃダメだという価値観を押し付けていくようなこともありません」
果たして会社は、病める時も、悲しみの時も、社員を敬い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くしてくれるだろうか――。