【大将、タバコ吸うねん。いや、こっち(寿司を握る)の職人がさ。職人がうまい寿司を提供することよりも、自分がタバコ吸いたい欲が勝ってるわけやん? 俺、その人が、そんなうまい寿司を握れるとは思えへんなって思ったな】
4月3日に更新したYouTubeチャンネル『ざっくりYouTube』にて、喫煙マナー問題を提起したのはお笑いコンビ『千原兄弟』の千原ジュニア。
この日はフットボールアワーの後藤輝基、岩尾望との居酒屋トーク動画を公開したのだが、お店が喫煙可能と知るや否や【吉本(興行)の社員ってタバコ吸うよな〜】とのっけからヒートアップ。
その後も、“喫煙者は飲食店の味ではなく、タバコを吸えるどうかで選んでいる”などと“あるある”を披露するジュニアだったが、冒頭のエピソードを思い出すと我慢ならなかい様子で捲し立てた。
なんでも北海道で美味しいと評判の寿司店を訪れた後、同店の職人である“大将”とお酒を飲むことになったようだ。すると、おもむろにタバコを吸い出す大将の姿に「うまい寿司を握るよりもタバコを吸いたい人」と幻滅したよう。
タバコの臭いがついた指で寿司を
その後も、タバコを吸う仕草を真似しつつ【(指に臭いが)付くよな。それで直で(握って)さ…】と素手で食材を扱う仕事だけに、なおも苛立ちが収まらない面持ちのジュニアだった。
国立がん研究センターの調査によると、2019年の全国の成人喫煙率は年々減少を続けて16.7%で、男性は27.1%、女性は7.6%となっている。2020年4月には、飲食店での原則屋内禁煙を義務化する「改正健康増進法」が施行されたことで、さらなる喫煙率の減少が予想される。
ますます喫煙者が肩身の狭い思いをしている世の中だけに、ネット上では、
《正論。 タバコを吸う寿司職人なんて絶対あかん。 ヤニ臭い白身なんて食べたくない》
《寿司屋に限らず料理人がタバコ吸うのは感心しないね 今のご時世、料理がタバコ臭かったら店は終わりやと思うよ》
ジュニアの主張に賛同する声が多く、寿司職人だけでなく、料理に直接関わる側がタバコを吸うことに嫌悪感を感じるようだ。一方で、
《寿司職人は、仕事中ほぼ手を洗っている仕事だから、タバコが何ちゃらの話しは、気持ちの問題》
《誰か検証して欲しい。 タバコ吸ってる人が握った寿司と、そうでない人が握った寿司》
あくまでも“仕事中はタバコを吸っていない”“寿司を握る時は手を洗っている”と、ジュニアが気にしすぎているとの声も。さらに、そもそも「うまい寿司」を握るのに、“喫煙者と非喫煙者に差があるのか”との指摘も見受けられた。
愛煙家は寿司職人だけではない
多くの飲食店を取材する、グルメ情報サイトに寄稿するグルメライターは「もちろん、料理人がタバコを吸ってはいけない決まりなどありません」と前置きしつつ、
「寿司職人だけでなく、日本料理の板前さんやホテルシェフだったりと料理人にも愛煙家はいらっしゃいます。特に中高年者が多い印象ではありますが、休憩中にいっぷくもするでしょうし、お客さんに料理を出した後に堂々とタバコを吸う個人店もありました(苦笑)」
それでも禁煙、嫌煙ブームによって客側から敬遠されて閉店する飲食店も少なくなく、SNSで“口コミ”が広まりやすい昨今、客に不快感を与えないようタバコをやめる、また細心の注意を払う料理人も増えているという。
では、実際に喫煙者と非喫煙者が握る寿司に、味の違いはあるのだろうか。
「都内繁華街にある有名寿司店の職人さんはかつて愛煙家として知られましたが、病気を機にタバコをすっぱりとやめています。すると偶然かもしれませんが、評判は国内だけにとどまらずに各国要人も来日時に訪れる世界的有名店として知られるように。
喫煙によって味覚や嗅覚が損なわれるとも言いますから、特に繊細な仕事を要する寿司職人の場合は、ジュニアさんの意見もあながち間違いとは言い切れないと思います」(前出・グルメライター)
自身もスモーカーだったジュニア
動画では、実際に大将が握った寿司を食したかどうかは触れなかったが、ジュニアはタバコを吸った指で寿司を握られること以上に、職人として仕事に向き合う姿勢に疑問を持ったのかもしれない。
かくいう自身もかつてはヘビースモーカーだったものの、30代半ばに喉を痛めたことをきっかけにタバコをやめたジュニア。以来、愛煙家が多い芸人の中でも禁煙を守っている。
こちらは喫煙と禁煙を繰り返しているという、バラエティー番組に携わる放送作家によると、
「元喫煙者だからこそ余計にちょっとした煙や臭いにも敏感になり、やたらと他人の喫煙マナーにも苦言を呈したくなるのも“あるある”なんですよね(笑)。
ジュニアさん自身は、お酒の席でタバコを吸われることに抵抗はないみたいですが、ヘビースモーカーの後輩やスタッフの健康を気遣ってか、何かと自分の禁煙法を教えたがっては陰で煙たがれるのも“あるある”ですね」
まだ未練がある、ということだろうか。