《いまみんなで君のレイプ計画を立てています。楽しみにしてて》
2022年10月20日、こんな文章が書かれた手紙が、JR市川大野駅の駐輪場に止められた女子大学生の自転車のかごに入れられていた。サドル部分には体液が……。
卑劣な行為の数々
発見した女子大生が言葉にならないほどの恐怖を感じたであろうことは想像に難くない。そんな卑劣な行為をしたのは、元共産党千葉県委員会書記長の大西航(わたる)被告(42)。
「盗撮した疑いなどで1月に大西被告を逮捕していたのですが、捜査の結果、余罪が発覚したため、3月に器物損壊と脅迫の容疑で再逮捕しました」(千葉県警捜査関係者)
その犯行こそが冒頭で記した“おぞましい”内容なのだが、逮捕のキッカケはまた別にあった。
「事件は2022年11月21日にJR千葉駅構内で“女性の後ろ姿を撮影した”“盗撮した男を確保している”と110番通報があったことから発覚します。駆け付けた警察員が大西被告のスマートフォンを確認したところ盗撮した動画を発見。問い詰めたところ犯行を自供したのです」(同・捜査関係者)
県警によると、大西被告は2022年10月23日の午後8時5分ごろにJR西千葉駅の女子トイレに侵入し盗撮行為をしていたとされる。
「11月の“盗撮疑惑”は女性の後ろ姿が写っていなかったため県警は事件化を見送りました。10月20日の“自転車への悪質なイタズラ”と10月23日の“盗撮”は、わずか3日という短期間で立て続けに行っている。常習犯であった可能性は高く、証拠不十分で立件されなかった事案はほかにもあったのではないでしょうか。千葉地検は3月20日に大西被告を起訴しました」(全国紙社会部記者)
大西被告はツイッターで《何年も何十年も続いてきた性暴力に、本気で向き合う政治を》と投稿し、痴漢被害については《#痴漢ゼロ》《#痴漢被害撲滅》のハッシュタグをつけるなど、性犯罪を痛烈に批判していたのだが……。
「盗撮はトイレ内の通路から個室の上部にスマートフォンを差し入れて撮影していた。身を隠すでもなく堂々としていたようだが、実は大西が女装していたとする話もあるのです。結婚しており、妻にまだ幼い娘もいたというのに、よくやりますよ」(同・社会部記者)
“性自認”悪用の危険性
念のためJR東日本の関係者にも話を聞くと、
「こちらとしても事件を知ったのが警察からの連絡によってなので、詳しいことはよくわかっていません。しかし、警察から大西が女装していたという話はあったようです。具体的にどんな格好をしていたのかまではわかりませんが」
女子トイレに侵入するため“盗撮目的で女装する”という行動はひたすら気持ち悪いが、それだけでは切り捨てられない側面もある。
今年2月、埼玉県富士見市の女性市議は、県LGBT条例についてSNSに動画を投稿し、ある問題提起をした。
女性市議は動画で、自民党県議団が県LGBT条例に関する意見を公募したところ、一般女性から届いた女性用スペースの安全を求める声が“差別”として扱われていたことを明かした。さらに、
「“心は女性”だが“身体的には男性”の人が女子トイレに入ってくることを私は怖いと感じる」
そう女性市議がLGBTの支援者に伝えたら、
「それはあなたの男性恐怖によるもので、カウンセリングが必要だ」
という返答があったというのだ。
そして女性市議は動画で、
「現状、LGBT条例制定後の埼玉県の審議会においては、“性自認ベースのトイレ利用”や災害時、避難所運営のあり方、差別の通報窓口、女性の生存権や恐怖を軽視した形で議論が進められています」
と訴えた。仮に、当事者が主張する性自認による性別のトイレ利用が認められることになれば、大西被告のような性犯罪者が入り込む可能性も否定できない。
2017年に衆院選に出馬していた大西被告は、LGBTをめぐる課題に関するアンケートでこう回答していた。
《社会の中には、いまだに性的マイノリティの人たちへの誤解や偏見が存在しています。性的マイノリティの人たちが暮らしやすい社会ほど、すべての人たちにとっても暮らしやすい社会といえます》
LGBTに関する理解も訴えていた大西被告。社会が変化していくためさまざまな議論がなされる中、自らの欲望を満たすため利用することを考えていたのか――。