「ここで撤退ということは県民に大変、迷惑をかける。撤退ということは考えていない。私の真実の姿を見ていただいた上で(有権者の)審判を仰ぎたい」
4月6日発売の『週刊文春』が報じた、11年間にわたる不倫を事実と認めて謝罪した神奈川県の黒岩祐治(68歳)知事。4月9日に投開票が実施される知事選を撤退する考えはなく、有権者である神奈川県民の判断に身を委ねるようだ。
文春報道によると、不倫相手のキャリアウーマン・A子さんと出会ったのは2000年ごろで、当時はフジテレビキャスターを務めていた黒岩知事。会合で顔を合わせたその日のうちにキスをして、間も無く男女の関係になったという。
「報道番組でニュースに切り込む雄々しい顔を見せていた裏では、A子さん対して目を覆いたくなるような大量の“シモ”メールを送り続けていたという知事。なんでも“気分屋”で、時に理不尽な逆ギレメールを寄越すこともあったとか。
2011年4月の初当選後もしばらく関係は続いたようですが、知事からの“遊びだった”の言葉で決別。彼の言動を許せなかったA子さんは、“証拠メール”をプリントして彼の自宅に郵送したとあります」(情報番組ディレクター)
「黒岩以外に選択肢ない」
冒頭の会見でも「心からお詫びしたい」と謝罪の姿勢をとる一方で、「女性は私の妻に手紙を送ってこられ、妻をも大変傷つけた」と、A子さんの行為を非難するような、まるで“自分も被害者だ”とも言いたげな発言もこぼした黒岩知事。
投開票を直前に控えた時期に勃発した現職候補の不倫スキャンダルは致命的、イメージダウンと共に4期目の当選にも黄色信号が灯った、かのように見えたーー。
《黒岩知事、あんなキモメールが流出してもなお立候補する図太い神経が信じられない。かといって、他にもロクな候補者がいない》
《神奈川県民は黒岩を知事に選びやがってと外部の人間は思うかもしれないが、これでもマシな選択なんだというのをわかってほしい》
《黒岩の過去がどうとか知らんわ。知事選のメンツ見てみろよ、黒岩以外に選択肢ないんだからしゃーないだろ。どんなネガキャンしても黒岩一択なんだわ》
不倫報道・謝罪会見後のSNS上には有権者と思われるユーザーの苦悶の声が次々と上がっている。どうやら、「他に選択肢がない」ことを嘆いているようで……。
第20回統一地方選挙・神奈川県知事選の候補者は現職の黒岩知事を含めて4名。他には共産党が推薦する市民団体代表の岸牧子(66歳、無所属)氏。医師の加藤健一郎(73歳、無所属)氏。そして『政治家女子48党』党首の大津綾香(30歳、政女)氏。
経験と実績は揺るがない
全国紙政治部記者に候補者について意見を聞くと「う〜ん」と腕を組みつつ、
「岸さんは横須賀市長選に神奈川県知事選、加藤さんも千葉県知事選に立候補はしたことがあるものの、いずれも議員経験はありません。元NHK党・立花孝志氏から党を引き継いだ形の大津さんも同様で、有権者にとって実績らしい実績が見当たらない未知の存在に思えてしまうかもしれません」
2019年の知事選では、3期目の当選となった黒岩知事が約220万票に対して、岸氏は70万票と大差を空けられた。
「記事内容が事実だとしても、仮に人格に問題があったとしても、報道キャスターとしての経歴と、3期12年にわたって知事を務めてきた実績は揺るがないでしょう。
もしかしたら、醜聞に怒りを覚える他県民の多くは黒岩氏の落選を望んでいるのかもしれませんが、当の神奈川県民がにとっては、う〜ん(苦笑)。当日はモヤモヤした気持ちで投票所に足を運ぶのかもしれません」(同・記者)
はたして、有権者の審判はいかに。