年齢を重ねるうち、老眼でぼやけてくる手元。目の筋肉を鍛える“老眼トレーニング”もいいけれど、継続するのが難しい。何かいい方法は?
「“足もみ”なら、健康的かつ心地よく老眼対策ができますよ!」
そう教えてくれるのは「足健道 さと足ツボ療術院」院長の田辺智美さん。
「足裏には、身体の臓器や器官のそれぞれに対応する“反射区”と呼ばれるものがあり、足の裏を触ると、身体のどこに不調があるかわかります。目に不調がある人は、特に目の反射区である足指に老廃物がたまりがち。ほぐすことで、老眼も改善されていきます」
習慣化することで60代でも視力アップ
自身も“足もみ”で老眼を克服した1人。老眼鏡を持ち歩くようになったある日、目の反射区を集中して刺激したところ、視界がぼやける感覚がなくなったと振り返る。
「老廃物がたまって痛みを感じていた足指を数十分もみ続けた後、ふいにスマホを見たら驚くほどクリアに見えるようになっていました」
田辺さんの患者にも、施術中から「はっきりと見えてきた!」とびっくりする人は少なくない。中には、視力が0.3から1.0に回復した60代もいると話す。
しかし、1回の“足もみ”では、効果は限定的。日常で目を酷使しているうちに、また老廃物がたまり、元の状態に戻ってしまう。
「習慣化することが重要。続けることで、ドライアイなどの不調や、視力低下の防止につながります。また東洋医学の観点から目の反射区をもむと、血液や体液の流れがよくなって緑内障の症状の改善が期待できます。治療と併用して行うのがおすすめです」
そこで、今回は目に特化した“足もみ”を続けやすい“3分バージョン”へ凝縮。ポイントは、目の反射区に加え、排出器官の反射区、ふくらはぎの3か所をほぐすこと。足指にたまった老廃物をほぐすと同時に、しっかりと排出する力を高めるので、より効果が上がる。
「目に不調がある人は、足の第2指と第3指の関節のキワに、ゴリゴリとした老廃物がたまって指がぼてっと太くなっていることが多いです。その老廃物をつぶすような気持ちで行ってみてください」
〜反射区って?〜
全身のさまざまな部位(臓器や器官)と神経でつながっているとされる足裏や手のひらの末梢神経が集中した部分。刺激を与えることで対応する部分の働きがよくなる。“ツボ”が点なのに対し、反射区は面を指すのが特徴。
両足で3分!老眼がよくなる足もみ
どちらの足から行ってもOK。片方ずつ行う。より効果を得たい場合は、時間や回数を増やす。
(1)目の反射区を3段×3列押し(約1分)
手の親指と人さし指で足指の第2指の付け根を挟み、イタ気持ちよいくらいの強さで3秒押す。指を移動して第2関節の上、第1と第2関節の間の順で計3か所押す。次に、指の側面と足裏側の間を同じく3か所押す。これを指の両側面で行う。第3指も同様に。
グリグリもむのはNG!
→強く押しながら指を動かすと、骨や皮膚を傷め、痛みの原因に。1か所ずつ、皮膚に対して垂直の方向に一定の圧をかけるような感覚で行うこと。
(2)排出器官の反射区を流し押し(15秒)
腎臓の反射区でイタ気持ちよい部分2か所を3秒ずつ押す。押したまま輸尿管の反射区に沿って、膀胱の反射区まで老廃物を流すイメージでゆっくりと(3秒)移動。膀胱の反射区も2か所を3秒ずつ押す。
(3)ふくらはぎをつかみ押し(15秒)
手でアキレス腱の少し上を3秒しっかりとつかんで圧をかける。そこから脛骨と腓骨の際に沿ってふくらはぎの肉をつかみながら下から上へ4か所、少し痛いくらいの力で各3秒ずつつかんで圧をかける。マッサージ棒や麺棒などを使って押してもよい。
足もみ効果をさらに上げるには?
Q.いつ、どれくらいの頻度でやるとよい?
A.身体が温まっているお風呂上がりに行うのがベスト。やりすぎて悪影響になるということはないので、仕事の休憩時やテレビを見ながらなど、隙間時間に足指だけをこまめにもむのもおすすめです。
Q.位置が合っているかわからない…
A.押してみて“プチプチ”“じゃりじゃり”と手応えを感じるところ、イタ気持ちよいと感じるところが、老廃物がたまっている“押しポイント”。そこを押しつぶすような感覚で圧をかけてほぐしましょう。
Q.普段の生活で気をつけることは?
A.足指の長さに合った靴を選ぶこと。目の不調を抱えている人の足指を見ると、サイズが合わない靴のせいで第2指、第3指の関節が曲がってしまっていて、老廃物が滞った状態のことが多いです。
〈画像提供/足健道 さと足ツボ療術院〉
(取材・文/河端直子)