4月5日から10日にかけて、栃木県の御料牧場で静養された天皇ご一家。御料牧場を訪問されるのは、'18年5月以来、5年ぶりだった。
「ご滞在中は、お天気に恵まれない日もありましたが、敷地内で動物とふれあわれたり野菜を収穫されたりと、非日常的な暮らしを楽しまれたようです」(宮内庁関係者)
5月以降に控える怒涛の“お仕事ラッシュ”
皇室の方々の食卓に並ぶ野菜などが作られ、皇室の行事に使われる牛や乳牛が育てられている御料牧場は、雅子さまにとっても特別な場所だ。
「御料牧場では乗馬をする時もありまして、これも楽しみにしております。(中略)私自身は大変動物とか自然などが好きですので……」
雅子さまは‘97年の誕生日会見で、そう語られたことも。
心理学に詳しい東京未来大学こども心理学部長の出口保行氏は、ご静養の意義を説く。
「お住まいでは、公務中でなくとも、それに似た緊張状態に置かれますから、ストレスから解放されるご静養は、よい気分転換になるでしょう。自然とのふれあいは特に大切。風の匂いや花の香りなど、すべてが癒しに通じます」
ご静養も再開し、元の姿を取り戻しつつある皇室。
「5月11日には、両陛下主催で、各界の功績者を赤坂御苑に招待する『園遊会』が‘18年11月以来、4年半ぶりに開催されます」(皇室担当記者)
続々と行事が再開する中、6月には遠方での公務が予定されている。
「6月4日に岩手県陸前高田市で開催される『全国植樹祭』に、両陛下も出席される見通しです。これに合わせて、東日本大震災の被災地を訪れ、復興状況を視察されるのでは、とも言われています」(皇室ジャーナリスト)
さらに6月下旬には、“国賓”として、インドネシアを公式訪問される方向で調整が進められている。
両陛下は昨年9月、エリザベス女王の国葬に参列するため、イギリスを訪問されたが、国際親善のための外国訪問は、令和に入って初となる。
「日本とASEANの友好協力関係が50周年を迎える今年、ASEANの本部があるインドネシアのジャカルタ周辺へ足を運ばれ、歓迎式典や晩餐会へのご参加が検討されています」(宮内庁関係者)
雅子さまの傍には常にご家族が
雅子さまのご同行は、“体調に支障がなければ”という条件つきだ。
「雅子さまにとっては初めてのアジア外遊であり、何としてでも訪問されたいご意向だと拝察します。ただ、6月には植樹祭も控えていますし、長距離フライトを伴う海外訪問が“試練”であることは言うまでもありません」(宮内庁OB)
こうした中、国母の心身の大きな支えとなるのは、やはり家族の存在で――。
「楽しい話題で家庭の雰囲気を和ませていらっしゃる愛子さまは、時には雅子さまとともに“お役目”を果たされることもあります。たとえば、昨年6月には、歴代皇后が担われるご養蚕の作業に、陛下と愛子さまも加わられました」(前出・宮内庁関係者、以下同)
平成時代、美智子さまの収(しゅう)繭(けん)作業を上皇さまが手伝われたことはあったが、“家族全員”で取り組まれるのは異例だったという。
「令和になってお出ましの機会を増やされている雅子さまが、ご無理しすぎないよう、陛下と愛子さまは、いつもそばに寄り添っておられます。お二方のサポートがあれば、どんな公務も乗り越えられる。最近の雅子さまからは、そのような自信が感じられます」
深い家族愛が、令和皇室を明るく照らしている――。
出口保行 犯罪心理学者。東京未来大学子供心理学部長。これまで1万人の犯罪者。非行少年を心理分析し、多くの報道番組で解説を行う。