“人生楽しみましょ”が座右の銘という萬田久子。
「きっかけは覚えてはいませんが、若い時から色紙に毛筆で書いています。人生という字の形がきれいなこと、楽しむという言葉も好き。絵になり好きな文字の組み合わせです。書くことで自分でも実行をしようと心がけるようになり、その言葉に助けられ今では心から書くことができています」
「100回のエステより1回の現場」
そんな思いも込めて演じているのが、18年ぶりに連続ドラマに主演する『グランマの憂鬱』の主人公、百目鬼(どうめき)ミキ役だ。
孫娘からグランマと呼ばれるミキは百目鬼村で代々総領を務め、一目置かれる存在。さまざまな問題や村人の悩みを愛ある喝で一刀両断して解決に導いていく痛快人情ドラマ。
「ミキさんのセリフは小気味よくて、愛がある。正々堂々と発する言葉はかなりのパワーがないと言えないし、言ったことには責任をとるミキさんの姿勢はカッコいいと思います。私自身は言いたくても言えない時がありますが、今後の人生に少しは取り入れたいと思いました」
原作の同名コミックではミキは80歳。グレイヘアに着物姿で凛としている。
「自分より年上の年齢を演じるのは今回初めてです。世間からはおばあちゃんの役を演じる年齢になったと思われても、私自身はAge is just a number(年齢なんて、ただの数字)という言葉が好きなので役の見た目を忘れて演じていますが、今回のような役をいただくのが女優の仕事の面白いところだと思います」
撮影は東京近郊でのロケや移動が多い現場だが、苦にしていない。
「私にとって現場は活力のもとで楽しい。“100回のエステより1回の現場”とよく言っています。例えば恋愛しているときは忙しくてもきれいになるというのと同じで、内側からアドレナリンが出るみたいに充実感があります」
健康美の秘訣とは?
女優を始めるきっかけになった1978年のミス・ユニバース日本代表に選ばれてから45年を迎える。
「9がつく年齢がターニングポイントになっています。19歳の時にミス・ユニバース日本代表、29歳はニューヨークで出産。39歳で初めての舞台を経験しました。49歳の時はデビュー当時から担当してくれたマネージャーから卒業して事務所を移籍。59歳はホノルルマラソンに挑戦して完走しました。69歳は? 結婚ですかね(笑)。でも何をやるかそろそろ考えたいと思います」
取材した際の撮影では艶やかな深紅のドレスを素敵に着こなし、ドラマでの役柄とのギャップにますます興味が湧く。
「悩み事を抱えている人が見たら解決策が見つかりそうなドラマで、スカッとしてもらえると思います。土曜の夜に1週間分の全身エステをしてさしあげます!!」
デトックスをしたい人は要チェック!
◆実生活でも“グランマ”
萬田自身も上は中学生、下は1歳未満の孫がいるおばあちゃん。「孫がいるというとビックリされます。ドラマのミキさんと孫の亜子みたいに年齢に関係なく対等です。(孫からは)チャコちゃんと呼ばれていて、LINEで(出演作品を)見てるよ~、応援してるね~と連絡があるとうれしいですね」
◆健康美の秘訣は空中ヨガ
「以前からスイミングはしていましたが10年前に空中ヨガに出会いました。自分で伸ばすのは限界がありますが、空中ヨガは布に身をゆだねて自然とストレッチできるので発見した人はすごいと思います」。エイジレスな美しさと体型維持にも納得。
撮影/佐藤靖彦 ヘアメイク/福島久美子