ミトちゃんこと、日本テレビの水卜麻美アナウンサーが結婚した。相手は、俳優の中村倫也。妻がMCを務める『ZIP!』に夫が出演するなど、早速、仲睦まじい姿を見せている。
そんななか、明石家さんまや杉村太蔵といった男性陣からは「好きだった(狙ってた)のに」的な声も。一方、世の女性たちのあいだではイケメンに選ばれたことをうらやむ声が目立った。
過去には“熱愛報道”も
ちなみに、水卜はこれまで、日テレの社員2人と横山裕(関ジャニ∞)とのあいだに恋の噂があった。ただ、確証は出ず、2020年には「10年以上デートしていない」と発言して、交際を否定。「彼氏いないキャラ」をほぼ信じさせてきた。
そこには持ち味でもある「食いしん坊」イメージが関係している。「色気より食い気」という言動が女子アナの定型を崩し、別枠っぽい好感度をもたらしてきたのだ。おかげで6年前には、ニュースサイトの『好きな女子アナ』アンケートで5年連続の1位になり、殿堂入りを果たした。
中村との交際は2年に及んだというが、スクープはされなかった。自身のイメージを保ち、結婚のニュース性を高め、自局の番組でネタにさせるという、女子アナの鑑みたいな展開だ。
なお、彼女を選んだ理由として中村は、
「生活に彩りと安心をもたらしてくれる、春風のような方です」
と、説明。また、前出の『ZIP!』で「好きなところ」を聞かれると、彼女に両手を広げさせたうえで「絶妙に短い腕が……」とボケてみせ、彼女も「なんだよ、それ!」と近藤春菜(ハリセンボン)ばりのツッコミで応じていた。
さらに、同じく彼女がMCを務める『午前0時の森』では、中村からの手紙が読み上げられた。その冒頭はこういうものだ。
《この度、そちらにいらっしゃる、日本テレビアナウンス部副主任、NFL倶楽部初代アシスタントかつ、圧倒的理想の上司でもある水卜麻美さんと、結婚させていただきました。理想の上司は、家では主にアザラシのように床で寝ております》
有吉を「気持ちよく」させたスキル
ここで思い出されるのが『ヒルナンデス!』での有吉弘行とのやりとりだ。彼女がクイズコーナーのヒントをジェスチャーで出し、その動きについて容姿いじりをされるのがお約束だった。
その対応が、常に絶妙だったのである。すねてみせたり、ぼやいてみたり、可愛くて笑える見事なコンビ芸だった。
有吉といえば、彼女の前の日テレエースアナだった夏目三久を落とした男。そんな男に気持ちよく仕事をさせ、自身も気持ちよく振る舞うことで、視聴者にも「春風」みたいな気持ちよさを感じさせる、それが彼女の真骨頂というわけだ。
そこには、コンプレックスと自信は紙一重という真理がある。彼女は自分の容姿が愛されていることをわかっているので、そのあたりをいじられることが苦痛にならない。むしろ、快感にもつながっているのではないか。
例えば、Mr.Childrenの人気曲『Over』で、桜井和寿は「小さな胸」も「大きな声」も「荒れた手のひら」も君のすべてを愛していたと歌い、ファンをうっとりさせた。
コンプレックスを自信に変えてくれるような男に、女はときめくのだろう。
ただし、中村や有吉、桜井の共通点を考えると、その相手は一流のイケてる男に限る、ということかもしれない。そんな女心の機微がうかがえるような、ミトちゃんの結婚である。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。