《気球飛ばすために国内外からヘリウム買い占めたとか、これは一部研究者や医療機関ブチ切れ案件なのも納得》
4月6日に放送された『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)で、嵐の櫻井翔(41)が『嵐ヘリウム事件』をネタにしたことで物議を醸している。
櫻井の『嵐ヘリウム事件』が物議、そのわけは?
番組では、櫻井らが量販店で設定金額5万円に合わせ商品を買う対決企画に挑戦。その中で櫻井は、声色を変えるヘリウム缶を見つけると「いや、思い出した!」と過去のエピソードを語りだした。
「僕らドームでコンサートをやる時に、5人それぞれ大きい気球に乗る、5体の気球を用意することがあったんです。そしたら『国内のヘリウムが足らない』ってなって。海外からヘリウムを輸入しなきゃならなくなって」
と嵐コンサートのスケールの大きさが分かるトークを展開。
これに同企画に参加していたお笑い芸人・横澤夏子(32)やアンガールズ・田中卓志(47)は「すごーい!」「そんなにー!?」と驚き、手を叩き爆笑するリアクションを入れた。
櫻井は「とにかくポンポン手に入るわけじゃないと思う。ツアーの途中で飛べなくなりそうだった」と、かつての体験からヘリウム缶の価格を予想。
さらに櫻井は、別の売り場にいた嵐メンバーの相葉雅紀(40)を呼び出し、「昔嵐のコンサートでさ、気球のヘリウムが足りなくなりそうなときあったよね?」と確認。
相葉が「あった、本当にあった!」と同意すると櫻井は、
「あったよね、『嵐ヘリウム事件』だよね!」と一連の騒動を『嵐ヘリウム事件』と呼び周囲の爆笑をさらった。
番組では「日本中のヘリウムガスがなくなっちゃった!?その時のコンサート映像がこちら!」とのナレーションに続き、2012年から2013年に行われた嵐の5大ドームツアー『ARASHI LIVE TOUR Popcorn』で、5人それぞれが大きなバルーンを付けた気球に乗り宙に舞うシーンが映された。そして「日本中のヘリウムを根こそぎ使い切っちゃうなんてさすが嵐ね!」と嵐の偉大さを称えた。
これに対しネット上で、嵐ファンからは、「日本中のヘリウム使い切るなんて嵐すごすぎ!」「さすが嵐」と感嘆の声があがった……まではいつも通りだが、一方で、コンサートがあった当時から現在まで、深刻なヘリウム不足は解消されていないと話すのは、大手新聞社の元記者だ。
「ヘリウムは貴重な天然資源で、医療用のMRI、光ファイバー、半導体製造など様々な分野で必要とされていますが、生産量は減少傾向にあり価格は高騰しています。『嵐ヘリウム事件』があった当時、東京ディズニーランドではバルーンの販売が中止される事態も起きています」
アイドルとキャスターの難しい線引き
そのため『嵐ヘリウム事件』を茶化した櫻井や番組に対し、
《嵐ヘリウム事件、ヘリウムガス不足にキレてた医療関係者を知ってるから全然笑えない それを普通にTVでしゃべるのも自分にとっては不快》
《ヘリウムは医療や工業機器に使われてて代替不可能な上に現在の技術では生成不可能。人類の文明危機に繋がる危険がある そんなんライブで大量に使ったら怒られるて》
《嵐ヘリウム事件、話だけ聞いたら面白いんだけど、『ふざけんな』と言っている人たちに医療関係者が含まれているから、『あの気球が飛んだ裏で何人の人が死んだんだろう』と思ってしまってる》
と、怒りの声もあがり、『嵐ヘリウム事件』がTwitterにてトレンド入りした。しかし、この状況に対し経済誌編集者はこう語る。
「嵐のコンサートがあった2012年当時の危機的供給不足は、供給元のヘリウム採掘施設の不具合に起因しており、ヘリウムは医療やハイテク産業に優先的に振り分けられたと言われています。
また、日本産業・医療ガス協会の『ヘリウム 生産・販売実績』によると『バルーン・飛行船』は2012年以降、全体の3〜4%ほどなので“嵐のせいで他の業界がヘリウム不足になった”とは言えないでしょう」
昨今のヘリウム不足はかなり深刻であり、現在のペースで消費されれば計算上では25年後ほどには枯渇するとも言われているようで、そこに、コロナ禍の物流問題や、ロシア・ウクライナ情勢など供給不足に追い打ちをかける事態が続いている。
櫻井は『news zero』(日本テレビ系)などでキャスターとしても活動しているが、『嵐ヘリウム事件』を別番組でネタにするなど、現在も深刻なヘリウム不足に苦しむ人々がいるという現状を把握していなかったのだろうか。
「櫻井さんの報道にかける想いは非常に強く、率先して時事問題も勉強しているようです。正直、アイドル業やバラエティー業と比べると、キャスター業はギャラに見合わない仕事量だとも言われていますが、真摯に努力を続けている。『嵐ヘリウム事件』については、バラエティ番組のMCとして場を盛り上げようとしたのでしょう」(民放テレビ局関係者)
アイドルとキャスターの二束のわらじは簡単ではないようだ。