東京・文京区にある筑波大学附属高校で始業式が行われたのは4月中旬。新学期にふさわしい、よく晴れた穏やかな朝だった。
護国寺駅からのびる坂道を上られるのは、高校2年生に進級された悠仁さまだ。スイスのアウトドアブランド『マムート』の黒いパーカに黒い長ズボン、荷物がパンパンに詰まった黒いリュックを背負った“オールブラックコーデ”で校門をくぐられた─。
悠仁さまは強く自己主張をなさる段階
「筑附高は3年間クラス替えがないので、進級しても環境は変わりません。始業式の日は、前年度の評定分布表に保護者からコメントをもらったものを提出しますが、悠仁さまの場合、どなたがどんな内容を綴られているのか気になりますよね」(筑附高OG)
今春、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまは新居に引っ越された。計34億円超をかけて、昨年9月に完成した秋篠宮邸の本邸だ。悠仁さまは、このお住まいから毎日通学されている。
「登下校時は、前後に数人の護衛がついているものの、基本的におひとりです。学校から少し離れたところで車を乗り降りされていますが、近所に住んでいても“1度もお会いしたことがない”という人がほとんど。おそらく気がついていないだけだと思いますが」(筑附高の近隣住民)
冒頭の場面でも、道行く人は悠仁さまの存在に気がついていない様子だった。“次代の天皇”は、それほど世間に溶け込まれているのだ。
「所属されているバドミントン部に新入生が入れば、悠仁さまも先輩になられます。5月には校外学習もあり、まさに青春真っ盛りなのです」(皇室担当記者)
今年9月には17歳をお迎えになる。“花のセブンティーン”は目前だ。
「思春期の悠仁さまは、自我が芽生え、強く自己主張をなさる段階に入られていると聞きます。これまで子育てに奔走されてきた紀子さまも、思春期男子と向き合われるのは初めて。お姉さま方の高校時代とは違った難しさがおありなのではないでしょうか」(宮内庁関係者)
こうした中、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまは、春休みに親子で九州地方へお出かけになったと『女性セブン』が報じた。
「記事によれば、2泊3日のお忍び旅行で、飛行機はエコノミーを利用。熊本県と宮崎県の民宿に滞在されたようです」(前出・皇室担当記者)
佳子さまと悠仁さまに“連帯意識”
秋篠宮さまは昨年11月の誕生日会見で、皇位継承者である悠仁さまへの教育方針について、こう述べられていた。
「日本は本当に各地にさまざまな文化があります。そういうものを若いうちに、実際にその場所を訪ねて、そこでそういうものにじかに触れるということは、将来的にも非常に大事なことなのでは……」
今回の旅は、秋篠宮ご夫妻なりの“帝王教育”と捉えることもできるだろう。
一方、多感な時期をお迎えの悠仁さまは、ご自身の立場に悩み、葛藤されているという話もある。
「天皇家の長子である愛子さまこそ次期天皇にふさわしいという声は根強くあり、ネット世代の悠仁さまも当然、見聞きされていると思います。“男系男子”を理由にご自身が即位することは、ジェンダー平等が進む現代社会に逆行することになる。悠仁さまは“規定路線”を歩むことに躊躇われているのではないでしょうか」(宮内庁OB)
同級生には伝わらない皇族としての気苦労や、ご両親に打ち明けることができない未来への不安。悩み苦しむ悠仁さまを近くで支えてこられたのが、姉の佳子さまだ。
「佳子さまは、悠仁さまがお生まれになったころから積極的にお世話をされてきました。悠仁さまを“ゆうゆう”と呼び、最近もご友人に“弟がかわいい!”と自慢するほど溺愛なさっているご様子です」(皇嗣職関係者)
一般市民と比べて交友関係が限られている悠仁さまにとって、幼少期から共に生活してきたお姉さま方は、かけがえのない存在だ。
「皇室という特殊な生活空間を共有することで、連帯意識が生まれ、きょうだいの仲が深まると推察できます」(皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授)
きょうだいには、この春、大きな変化があった。前述のとおり、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまは新居へ引っ越されたが、佳子さまのみが『御仮寓所』に残り、ひとり暮らしをされているという。
家庭内の“内紛”がさらに激化!?
「佳子さまのお住まいは、本邸から“スープの冷めない距離”にありますから、悠仁さまが毎日のように訪問されることも可能です。それに、御仮寓所では、ご両親不在の環境で相談事ができるというのも、悠仁さまにとってはうれしい話。おふたりの心の距離は、より近くなると思います」(前出・宮内庁OB)
振り返れば、長女の眞子さんは成年会見で、佳子さまのことを「妹でありながら、友人のような関係」と語った。
一方の佳子さまは、さまざまな意見があった眞子さんと小室圭さんの結婚を、最初から最後まで応援し続けられた。
「眞子さんの最大の味方だった佳子さまと、小室家に対して不信感を抱かれた秋篠宮ご夫妻との間の溝は、いまだに埋まらないようです」(前出・皇室担当記者)
親子の対立が尾を引く中、佳子さまと悠仁さまの密着ぶりに、紀子さまは一抹の不安を抱えておられるようで……。
「自由がない皇室での暮らしを窮屈に思われている佳子さまの影響を受ければ、悠仁さまも“一生、皇室で過ごす”という現実を受け止められず、反発されるおそれがあります。眞子さんの結婚騒動もしかり、きょうだいの結束が強いパワーを発揮することは一目瞭然。そうした時に、母として太刀打ちできるかどうか。紀子さまが気を揉まれるのも無理はありません」(前出・皇嗣職関係者)
前出の小田部教授は、「姉と弟の仲がよいという状態は、国民に安心感を与える」としつつも懸念を示す。
「同じ秋篠宮家の子として、佳子さまと悠仁さまは共通の悩みを抱えておられると推察できます。その悩みが解決されないまま親子のすれ違いが続けば、“秋篠宮ご夫妻VSお子さま方”という構図になり、家庭の内紛がさらに激化するおそれもあるでしょう」
思春期を迎えた子を持つ親の戸惑いは、皇室とて例外ではないのだ。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数