鈴木おさむは“第二のタモリ、第二の鶴瓶”と称し、笑福亭鶴瓶は“オススメの芸人”、カズレーザーは “日本で5本の指に入る面白さ”と言う。エンタメ界で一目置かれる面々に激推しされる男がいる。街裏ぴんく。
ありもしない話を、あたかも本当であるかのようにしゃべり倒す“ウソ漫談”で脚光を浴びている。2月には『ラヴィット!』(TBS系)への出演が大反響。3か月に1度の独演会のチケットは、もちろん完売。
「大阪出身、東京で活動をしています。漫談家・街裏ぴんくです。よろしくお願いします」
と、礼儀正しく巨体でペコリ。なるほど、普段は“ノーウソ”なんですね?
「えっ、ボケてよかったんですか!? 改めまして、現役ナンバーワンホスト芸人の街裏ぴんくです! 桃梨飴(とおりあめ)という源氏名でやらせていただいています。お酒弱いんですけど、この間、泥酔してしまって。ヨギパイン2杯でもうベロベロに。それでちょっと常連のお客様とBまでやってしまいまして……」
コンビからピンになり“ウソ漫談”をスタート
「幼稚園のときはイジめられ、けっこう暗い子でしたが、もともとふざけることやお笑いは好きだったんです。小4のときに初めて友達ができて、ギャグを披露したら“おもろい”と。その流れで、お楽しみ会で藤井隆さんの“ホット! ホット!”を全力で披露したら、一躍人気者に。人生に光が射した瞬間でした」
その後は、いつでもどこでもボケ倒すように。大学1年のときに、高校の同級生から誘われて“裏ブラウン”を結成。しかし、街裏が書くネタは攻めすぎていて、なかなか採用に至らず。
「それでピン芸人になったんです。'07年かな。大阪でウソ漫談はまったくウケず、ボヤき漫談が多かったですかね。一旦、やりたいことを捨てて'12年に上京し、浅草リトルシアターで修行して。そこで、伝える技術みたいなものが身に着いたのかな? ウソ漫談がウケ始めたんですよ。あれだけ笑ってもらえなかったのに」
かなり突拍子もないのに、なんだかリアル。いつの間にか爆笑の渦へと引きずり込まれるウソ漫談は業界で認知されていき、昨年は『Be-1グランプリ』(芸歴11年以上のピン芸人を対象とした賞レース)で優勝。
夢は全国ツアー&満員御礼
今はさぞ、いい風が吹いているのでは?
「本当にありがたいことです。売れない時間の中で、余計なものをそぎ落とし、ネタの純度が高まったという部分はあるのかもしません。そして、鶴瓶さんたちに見つけてもらってから少し時間がたっている部分もあるので、正念場だと思っています」
ちなみに、好きな女性のタイプは?
「今まで聞かれたことないですよ(笑)。綾瀬はるかさん、可愛いですよね。気にするところはしゃべる量というか、波長が合うか、ですかね。“この子、絶対俺と合う!”という感覚。まあ、それが当たって付き合った経験はないんですけど(笑)。結婚したのは、2人目の彼女です」
実はまだ、コンビニで週2ほどバイトをしているそう。そんな街裏に夢を尋ねると、全国ツアーと即答。
「地方を含めて、申し分のない満員御礼ですね。テレビですか? レギュラーを持ちたいとか、出演し続けたいという気持ちは特にないんですが、ネタ番組には死ぬまで呼ばれたいです。あと、もともと歌が好きでR&Bシンガーを趣味でやっていた時代もあるので、歌なんか出せたらすごいですよね。できれば、切ないバラードで。僕が飼っていたペンギン~♪ 紫のペンギン~♪」
ウソと真意の境界線は、読者にお任せ。
◆独演会『六人のマーチ』に1日密着
【11:30 会場入り】
「おはようございます!」と座・高円寺(東京都)に姿を現した街裏ぴんく。小道具などは自ら持参。
【13:50 昼食】
週刊女性に加え、男性週刊誌のインタビュー取材。その後、お弁当をもぐもぐ。「体重? 最近絞ってて、110キロです」
【15:00 リハーサル】
打って変わって真剣な表情。出演者の動線、音楽のボリュームやタイミングなど、綿密に確認。
【17:45 共演者と円陣】
開場15分前。だんだんと緊張が高まってくる。共演者たちと円陣を組み「頑張りましょう!」
【18:20 開演直前】
ピンマイクを付けてもらい、準備万全。
【20:15 開演→公演終了】
しゃべり倒すこと約2時間。めくるめく“ウソ漫談・ワールド”に会場は大爆笑!
【21:10 会場を後に】
すがすがしい笑顔でスタッフや共演者に挨拶&歓談。着替えを終え、会場を後にした。