先週からスタートした新ドラマ『あなたがしてくれなくても』。夫婦のセックスレスをテーマに、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』のスタッフが再集結した注目作だ。
「原作漫画を読んでいたので、いち読者としてドラマ化はうれしかったです。自分がみち役をいただけたことには責任感を持って、しっかりと向き合わないといけないなと思いました」
建設会社に勤める吉野みち(奈緒)は結婚5年目。夫・陽一(永山瑛太)とのレス歴は2年。普段の仲はいいのに、触れてはこない。自分には女性としての魅力がないのだろうか? そんな中、上司・新名誠(岩田剛典)もまた、妻の楓(田中みな実)に複雑な思いを抱いていることを知り、互いにシンパシーを感じる……。
「とても繊細なテーマで、人間のちょっと沈んだ部分に触れるので、誰かを傷つけることなく、できれば希望として残る作品にできたらいいなと思っています」
理想の結婚生活は
この難しい役に、ひるむ気持ちは?
「なかったです。やると決めたからには、しっかりと1本の芯を持ってやらないと。みちは他人の気持ちをすごく優先してしまうところがあって。そんな性格ゆえに、今の自分の気持ちだけでは突っ走れない、道に迷っている女性ですね。そして、そんなけなげなみちだからこそ、新名さんの背中を押せることもあるんだと思います」
自分のモヤモヤにパートナーは気づかない。次第にこじれていく2組の夫婦……。
奈緒自身は、どんな結婚生活を理想としているかを尋ねると、
「何でも相談できること、かな? 私は今まで、あまり人に相談をしないタイプだったんですが、最近は親にもマネージャーさんにも“あれあれ?”と思ったことや、自分の中でモヤモヤすることは言葉にするようにしています。
何より、家に帰って“こんなことがあったよ”と伝えるのが、いちばん身近で、大切な人だったらすごく幸せだろうな。寒いときやつらいときには抱きしめ合えるような存在に、お互いがなれたらいいなと思います」
理想は、背中を貸し合える関係性だと微笑む。
「みちたちを見ていると“普通はこうじゃない?”という言葉が出てきて。誰しも自分にとっての普通があるから、それがぶつかり合う。生まれた環境が違う人間が出会って、ずっと連れ添う……。改めて、それはすごく難しいことでもあるんだなと思いますし、だからこそ愛おしい。物語の中でいろんな波乱がありますが、見守ってくださるとうれしいです」
地元・福岡で芸能活動を始めたのは17歳のとき。ドラマ『めんたいぴりり』('13年)で女優デビューしてから10年がたつ。
「えっ!? 本当ですね。確かに(笑)」
あまり節目には頓着しないタイプのよう。いまや連ドラの主演。女優を志したときの気持ちと現在地について尋ねると、
「今、昔の自分に褒めてもらえるようなお仕事ができるようになったことは、すごく幸せです。自分ひとりの力では、絶対に来られなかった場所なので」
自分自身の生活を大事にしていないと
上京後、本当にたくさんの人に恵まれましたという。
「自分の意識を変えてくれた人、責任感に火をつけてくれた人……。そんな周りの人の影響で、“今まで見たことのない景色を見てみたい”“もっとたくさんの人に見てもらえる作品に出てみたい”という思いでやってこられた気がします」
20代から30代へ。どんな自分になりたいのかを考えるという。
「生活を大切にしたいなと思います。私はオン・オフがあまりないタイプというか、お仕事も生活のひとつだと思っています。私たちは、お芝居の中で普通に生活をしている人、頑張って生きている人を演じさせていただくので。自分自身の生活を大事にしていないと、それはきっと画面に出てしまう。なかなか自分だけの時間が取れなくなってしまったとしても、そこは忘れずにやっていきたいなと思っています」
空き時間に会いに行く
溺愛しているのは、ロングコートチワワの魚谷燦(うおたにさん・4歳♀)。
「ウオがウチにやってきてくれてから、いろんなことが好転した気がしています。ちょっとした空き時間ができると家に帰って一緒にお昼寝したり。休みの日にはお散歩したり。ウオが私のいちばんの癒しです」