「タブレットがなくなったら子どもが賢くなります」
子ども4人全員を最難関の東大理Ⅲに合格させた“佐藤ママ”こと佐藤亮子さん(以下、佐藤ママ)は、そう断言する。
このところ、佐藤ママの周辺がなにやら騒がしい。
事の発端は、4月12日に公開された討論番組。この日のテーマは「ChatGPTは教育の敵か味方か」。佐藤ママはChatGPTの利用について「12歳までは完全隔離にしてほしい。タブレットなんて全部捨ててほしい」と発言。
噛みついたホリエモン・茂木・ひろゆき
これに噛みついたのが堀江貴文氏。自身のフェイスブックで《こいつバカでしょ笑》《まあつまり自分の子供の自慢である東大理3とか簡単にAIが受かるようになってしまうのが嫌なんだろうな》と一方的に分析。
堀江氏に続いたのが脳科学者の茂木健一郎氏。《全面的にホリエモンに賛成》《スマホもそうだけど、日本の中のある種の教育化石層は、やたらと新しいテクノロジーを嫌がる。だったら永遠に江戸時代の寺子屋教育でもやっていればいいと思う》と佐藤ママを批判した。
さらに実業家のひろゆき氏までが《最近の研究だと、『勉強を努力出来る才能』も遺伝という説が強いです。成功した教育ママは、単に優秀な遺伝子の子供が産まれただけなのに、教育法に意味があったと思い込んでるだけの可能性あるんですよね、、足立区の教壇に立って全員を東大に入れたとかなら尊敬します》と燃料を投下。
一方的に議論が発展しているようだけれど……。渦中の佐藤ママは、
「息子が炎上してるよって送ってくれたURLを見てみたら、まず堀江さんがおっしゃった『こいつ』とか『バカ』とかのタイトルが飛び込んできて、下品な言葉づかいに本文を読む気がなくなりました」
と、バッサリ。彼らが取り上げているタブレット発言についても誤解がある。
「番組内でも申し上げたんですけどね、私はタブレットをなくせというのではなく年齢で区切って使いましょうと言っているんです。
0歳から12歳、中高生、大学生、と分けて考えてほしい。12歳までは五感が発達する大切な時期。教科書をめくる感触、算数や音楽、国語などの教科ごとに教科書の分厚さ、大きさが違うことを知るのも大切なこと。それからタッチペンでは筆圧を学べません。
わからないときに読み返しやすいのも紙です。タブレットだと、前に戻るスクロールは面倒だという子が多い」(佐藤ママ、以下同)
健康被害にも警鐘を鳴らす。
「第一に私が心配しているのは子どもたちの目です。12歳までの子どもは未熟で視力が悪くなる」
一方でタブレットの利点も佐藤ママはあげる。
「中学生からはネットで社会情勢を学ぶ、外とつながるということも大事。うちの子どもたちも大学に入ってからは大いに利用しています。それは読む速度や目や五感を12歳までに鍛えてきたから」
と、断言。学校で配布されているとつい良いものだと思ってしまうけれど。
「先生の時間が増えるという利点はありますが、子どものことを最優先に考えたら必要ありません。私に噛みついてきた方たちはタブレットの利権でも絡んでいるのかと疑ってしまいますね」
と、強者たちにチクリ。番組の争点であった「ChatGPT」に関しては、
「作文指導に使うのには非常に良いツールだと思います。起承転結のついたきれいな文章を作りますから。堀江さんたちよりよっぽどマシな言葉づかいですよ(笑)」
佐藤亮子 大学卒業後、高校の英語教師を2年間務めた後、結婚し専業主婦に。息子3人と娘1人4人全員の子どもを東京大学理科Ⅲ類に合格させたとして、本の執筆やメディアへの出演、講演活動を行うなど多方面で活躍している。「佐藤亮子のニッコリ教育サロン」主宰