女優・寺島しのぶ(50)の長男で歌舞伎俳優の寺嶋眞秀(10)が『團菊祭五月大歌舞伎』(歌舞伎座で5月2日~27日)で、初代尾上眞秀を名乗り初舞台を踏む。
目標の役者は「ひーま(祖父)」
眞秀は、祖父は人間国宝の歌舞伎俳優、七代目尾上菊五郎(80)、祖母は女優の富司純子(77)、叔父は五代目尾上菊之助(45)と芸能一家に生まれた。
4歳のときに『團菊祭五月大歌舞伎』で初お目見え、歌舞伎デビューした。舞台以外にドラマやCMにも出演。寺島が語りを担当するNHK大河ドラマ『どうする家康』では家康の長男・信康の少年期を演じ“母子共演”が実現した。
初舞台は2月に在日フランス大使公邸で行われた記者会見で発表され、祖父、叔父とともに母の寺島とクリエイティブディレクターのフランス人の父、ローラン・グナシアさん(55)が同席した。
眞秀は、流暢なフランス語で挨拶した後、「小さいころから歌舞伎が好きでした。いつか僕とパパの母国のフランスで歌舞伎公演をやってみたいと思います」と語った。
かつては仮面ライダーやサッカー選手を夢見ていたが、今では「ひーま(祖父の呼称)のような面白い役者」が目標だ。
梨園の名門、音羽屋の一員として晴れ舞台に挑む初代を直撃!
初代尾上眞秀で初舞台を踏むことを聞いたときの感想は?
――自転車でばぁばの家に遊びに行き「おはようございます」とご挨拶した後に、ひーまに「おい、眞秀」と呼び止められて「5月に襲名しないかと」と言われました。そのときは想像もしていなかったので「えっ?」と驚きました。
お母さんに報告したときは特に何も言わなかったけど、うれしそうでした。
初舞台の演目『音菊眞秀若武者』では立役、女方の両方を演じます。抱負などは?
――立役と女方が変わるところや立ち回りを見てほしいです。踊りの稽古では内股にしていることが多いので、立役で足を外向きにするのが難しいです。
女方は声を高くしないといけない。今は大丈夫だけど声変わりのときは大変そうだなと思います。(ポスター撮影で扮装した姿には)立役はカッコいい。女方はきれい。歌舞伎の化粧をするときには、眉の形を同じように描くのが難しいです。
2月の会見で「緊張しない」と言っていました。どこでも緊張しない?
――うーん、ないです。大勢のお客さんがいても緊張しません。(人見知りは?の問いには取材に立ち会った母・寺島に確認。「すごい人見知りでシャイです。初対面の人には積極的になれないけど、慣れて心を許したらとめどがないです」と寺島)。でも緊張はしないよ。
お母さんは会見で息子を「いい意味で頑固」と説明。そのことについては?
――うーん、別にって感じ。そういう部分もあるのかなと思うくらい。
女優のお母さんから演技のアドバイスをされることはありますか?
――そんなことしかない。セリフに関することです。台本の読み合わせをしているときは正直“好きにさせて”と思うときはあります。大河ドラマ『どうする家康』でも“それは違う”と言われて、お芝居には結構厳しいです。
それ以外のときは?
――(寺島に言っていい?と確認して)いつもイライラしています(関係者、爆笑)。
苦手なことや嫌いなモノは?
――あまり、ない。
得意なのは?
――サッカーと野球。
初舞台後のご褒美は?
――ある、かな……。
稽古以外での楽しみは?
――友達と行くグランピングです。