「今日ですか? もう7人客とりましたよ」
まだあどけない顔をした21歳のアミさん(仮名)は、心配する女性記者をよそにあっけらかんと言い放った。
トー横裏・新宿大久保公園の“立ちんぼ”が告白
日本最大の歓楽街・新宿歌舞伎町にある新宿大久保公園周辺には、街を歩く男性と売春目的の交渉をする通称・“立ちんぼ”の存在が古くから有名だ。しかしここ最近、立ちんぼに異変が起きている。
「以前は年配の女性や外国人女性が多かったのですが、若い日本人の女性が中心になりました」(風俗誌編集者)
事件も起きている。4月27日に警視庁は女性客に立ちんぼをするよう指示したとして歌舞伎町のホスト・江川誉容疑者を売春防止法違反で逮捕した。売春教唆での逮捕は実に60年ぶり。
「その際に51人の立ちんぼ女性が検挙されたんですが、いずれもメン地下アイドルやホストへの借金返済のための立ちんぼ行為だったといいます」(全国紙社会部記者)
そう、彼女たちが身体を売るのは“推し活”や“ホス狂い”が理由だというのだ。
5月某日、真相を確かめるべく現地へ向かうと日中の3時にもかかわらず10数人の若い女性がスマホ片手に等間隔で立っていた。
中でもひっきりなしに男性に声をかけられていたのが冒頭のアミさん。地雷系メイクなどはしておらず清楚な印象の彼女がなぜここにいるのか。
「ホストですー。売り掛けの借金が300万円残っていて」
「(客を)金としか見てないんで」
長野県出身のアミさんは専門学校進学を機に上京、ルームシェアしていた友人の影響でホストにハマったという。
「3か月で専門学校はやめました。ホスト遊びが楽しくて。推しのホストを人気者にしたいっていう一心で気づいたら400万円近くの借金ができていたんです。
まずは風俗で働いて、地方に出稼ぎにも行きました。オーストラリアに1か月出稼ぎに行ったときは月に250万円稼ぎました」(アミさん、以下同)
と淡々と話す。彼女によると地方出稼ぎ風俗はホス狂いの女性たちの間では短期間で稼げると人気だとか。
躊躇はないのだろうか?
「ないですね。(客を)金としか見てないんで。私は30分程度で終わらせてくれる人としています。金額は2万円くらい。だいたい1日最低7人は客をとっています。稼いだお金はすべてホストに使います」
そう話すアミさんから悲愴感は全く感じられない。性病などの心配はないのだろうか。
「とにかくお金が欲しいので先のことは考えていません。早くイッてほしいからゴムもつけないときすらあります」
地雷系メイクにゴスロリファッションで立っていた19歳のヨリさん(仮名)も、立つ理由はアミさん同様、ホスト。
「風俗もやっているけど、ここだと自由だし、自分で交渉できるから楽」
と話す。彼女たちはいずれも「自発的に」立っていると主張した。
公園のすぐ横にはジェンダーレストイレが話題になった歌舞伎町タワーがそびえ、イベントスペース設営で追い出されたトー横キッズたちも集う新宿大久保公園。
歌舞伎町タワーとともに“ネオ東京”の新名所となっているのは世も末としか言いようがない。