都内屈指の人気販売所「池袋西口地下街東武ホープセンター2号店」。取材日も平日にもかかわらず、サラリーマンから年配の女性まで、多くの人が利用していた。そんな売り場の守り神は「ジャンボ福来郎」だ。
億当せんが3年連続幸運呼ぶフクロウ
「2000年の6月くらいだったと思います。知人から名物になるような置物が売り場にあるといいのでは、といただいたのが『ジャンボ福来郎』です。
池袋といえば、駅の東口にある、地名をもじった『いけふくろう』の像も有名。フクロウは夜行性で夜でも目がよく見えることから『見通しがいい』など縁起のいい鳥ということもあり、すぐに店頭に飾りました。
その翌年の'01年の年末ジャンボで2等の1億円が出たのを皮切りに、'02年、'03年の年末ジャンボでも3年連続、億当せんが! 間違いなく、福来郎のご利益だと思っています」(米倉靖世店長、以下同)
最近では'20年のハロウィンジャンボ1等・前後賞5億円も見事に当たり、総額50億円を超える大当たり売り場となっている。
「ジャンボ福来郎はアクリルのケースに囲まれているのですが、ケースの上部が開いているので、みなさん、頬や頭に買った宝くじをなでつけて、高額当せんの祈願をされています。
ジャンボ福来郎には、木の皮を貼っているのですが、みなさんになでていただいているので、頭部が少しハゲてきて……(笑)。木の皮が取れるたびに丁寧に貼り直しているのですが、それくらいみなさんに愛されている、うちの守り神なんです」
販売員さんは、旅行に行くときは福来郎の分身であるぬいぐるみを持ち歩き、その土地の有名な開運神社などで一緒に祈願をし、売り場にご利益を持ち帰ろうとしている。
見た目はほのぼのだが、かなりの実力派。ご利益をいただいて次のドリームジャンボでは高額当せんを狙いたい。
東京都豊島区東池袋1-1-30
東武ホープセンター サウスゾーン
白蛇の抜け殻で“億”が出た売り場
山梨県にある「オギノ峡西ショッピングセンター」には、一風変わった守り神と、高額当せんにまつわるエピソードが。
「'16年のオータムジャンボ(現在のハロウィンジャンボ)の発売が開始される、5日前のことでした。
常連の60代の女性のお客様が、売り場から車で15分ほどの伊奈ヶ湖という小さな湖で、引き寄せられるように白い蛇の抜け殻を見つけられて、よかったら売り場に飾ってくださいといただいたんです」(林加代子店長、以下同)
白蛇の抜け殻には金運アップの効果もある。額縁に入れ売り場に飾ると驚きの効果が。
「直後のオータムジャンボで、1等前後賞の5億円が出たんです! 白蛇のご利益だね、とみんなで当せんを喜びました」
20年以上、売り場で販売員をしている山崎美智子さんも、白蛇の抜け殻がきてから、当せんする人が増えたと話す。
「実は今年の2月に、前回、抜け殻を持ってきた女性がさらに大きな抜け殻を持ってきてくれたんです。より力強くなった白蛇パワーで今回のドリームジャンボも、高額当せんが出るよう祈っています」
山梨県南アルプス市下宮地713
地元愛あふれる開運の守り神
奈良県の「小西通まあろービルCC」のカウンターにいるのは、東大寺の大仏を彷彿とさせる「いっとうあたるしゃな君」だ。
「うちの売り場は、JR奈良駅から東大寺に向かう通りにあるので、そのご利益にあやかりたいと、販売員が手作りしたぬいぐるみが『あたるしゃな君』なんです。
東大寺の大仏様の正式名称は盧舎那仏。あたるしゃな君の大きさは30センチほどで、頭は大仏様のように丸まった髪の毛がついています」(清水文彦店長、以下同)
'20年の夏に売り場に飾られはじめたという、あたるしゃな君。すると、'21年の年末ジャンボで1等前後賞合わせて8億5千万円の大当たりが出たという。
「あたるしゃな君の右頬や頭に宝くじ券をこすりつけるとご利益があると、たくさんの人がなでていってくれます。今回のドリームジャンボでも、あたるしゃな君のご利益で、高額当せんが出ることを願っています」
奈良県奈良市角振町28 小西通商店街
名物招き猫の力でご利益アップ!
高額当せん累計26億円の新宿名物売り場のひとつ、「新宿チャンスセンター(以下、CC)」には、幸運を招く招き猫の「新ちゃん」が鎮座している。
「新ちゃんは姉妹店の人気売り場『西銀座CC』にいた招き猫を譲り受けたものなんです。『西銀座CC』といえば、平成元年のドリームジャンボから令和4年の年末ジャンボまでで、億万長者を513人も出している宝くじファンなら知らない人はいない名物売り場です」
その売り場の億招きパワーを新ちゃんが新宿に連れてきてくれたと話す売り場責任者の三吉康文さん。新ちゃんというあだ名は、高額当せんしたお客さんがつけたもので、いつの間にか定着したそう。
「ある日、『新ちゃんのおかげで高額当せんをした』と報告をくれた方がいたそうです。それから新ちゃんの愛称で呼ばれるようになり、当せんも増えて'08年にはサマージャンボ、年末ジャンボ共に1億円が出ました。
'21年4月のロト7では、1等10億円が大的中。宝くじ券を新ちゃんの額にこすりつけて当せん祈願をしている人も多いです。
また、名物招き猫がいる売り場として、人気お笑いコンビの和牛さんが来てくれたことも。芸能人の方やユーチューバーの影響で、若い世代の人たちも来てくれるようになったのは、うれしいですね」(三吉さん)
これまで高額当せんしてきた猛者たちも、きっと新ちゃんの額に券をこすりつけ、パワーをもらったに違いない。
東京都新宿区西新宿1-3-1
新宿駅西口サンフラワービル1F
売り場にご縁を引き寄せる5円玉
'17年年末の年末ジャンボで、1等前後賞合わせて10億円が出た福岡県の「穂波イオンCC」。'04年からのジャンボ宝くじの高額当せん金額は、累計24億円を超えている、県内では知らない人はいない人気売り場だ。
「'95年にできた売り場で、最初は1等が出ていた時期もあったのですが、大きな当せんが出ない年が続いて……。その際に話し合って作ったのが『5円玉のレプリカ』なんです。
設置した'04年に、年末ジャンボ1等前後賞3億円が出て、驚きました。さらに翌年のドリームジャンボでも3億円が! 従業員みんなで驚きました」(販売員・井上美千代さん、以下同)
その後、売り場の建て替えがあり、その際にレプリカを紛失! 1等もなかなか出なくなったという。
「そこで'17年にもう一度5円玉のレプリカを作って、地元の飯塚市の曩祖八幡宮に、レプリカを持ってお参りをしに行きました。すると、その年の年末ジャンボで1等前後賞の10億円が出たんです。いまでは売り場の真ん中に飾ってあります」
まさに、守り神の名にふさわしい巨大な5円玉。これからも、大当たりとのご縁を結んでくれるに違いない。
福岡県飯塚市枝国666-48 イオン穂波店