King& Prince(以下、キンプリ)の平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の脱退が、5月22日に迫っている。デビュー5周年の記念日となる5月23日から、キンプリは永瀬廉と高橋海人の2人で活動していく。
“5人最後の日”を目前に、続々とテレビ出演のスケジュールが発表されている。
競い合う6人が集められたキンプリ
「5月18日には、日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』の人気コーナー『ゴチになります!』に平野さんが出演します。19日にはテレビ朝日系の『ミュージックステーション』にグループで出演することが発表されています」(テレビ誌ライター)
5月20日には、冠番組『King& Princeる。』(日本テレビ系)のゴールデン2時間スペシャルが放送される。
「5月3日、4日に新潟県でロケをしていた様子が目撃され、ファンを中心にSNSで拡散されました。メンバーは、彼らを一目見ようと集まった住民に笑顔で手を振るなど、とにかく上機嫌。仲のよさそうな様子だったそうです」(同・テレビ誌ライター)
ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛さんは、彼らの関係性について、こう分析する。
「仲はいいけれど、ただの“仲よし”だけではなく、お互いをライバル視しながら高め合える関係だと思います」
このようなグループが形づくられたのは、その“歴史”が影響しているという。
「キンプリの前身ユニットは、'15年6月に結成された『Mr.Kingvs Mr.Prince』です。高橋さんと、関西Jr.として人気を集めていた平野さんと永瀬さんによる『Mr.KING』の3人と、岸さんと神宮寺さんとキンプリの元メンバーである岩橋玄樹さんの3人による『Mr.Prince』で構成されていました」(スポーツ紙記者)
名は体を表していて……。
「グループ名に“vs”とあるとおり、競い合う6人が集められたのではないでしょうか。例えば、平野くんは高橋くんのダンスを“ジャニーズの中で1番”だと話していますが、平野くんも自信があったはず。自分よりダンスが上手そうな年下のメンバーと組むことには、焦りも感じたことでしょう。『Mr.Prince』は、それぞれの入所当時から東京Jr.として切磋琢磨しており、自発的に“ライバル意識”が芽生えていったのだと思います」(霜田さん)
しかし、'15年秋に『Mr.Kingvs Mr.Prince』は分裂。
「『Mr.Prince』の3人は、しばらくグループ名が与えられず、仕事も激減しました。神宮寺さんは当時について、心が折れそうになったと振り返っています。岸さんは退所も考えたそうです」(アイドル誌編集者)
“自分の頭で考えて決める”教育を
'16年になり、グループ名を失っていた3人にも名前が与えられた。
「『Mr.KING』と『Prince』として、それぞれのグループで活動するようになりました。この期間もメンバー同士で“また6人でくっつきたい”“安心してパフォーマンスできるのは、この6人だ”と、よく話していたそうです」(同・アイドル誌編集者)
そこで、ついに動いたのは平野だった。
「神宮寺さんに“ジャニー喜多川社長へのデビュー直談判”の計画を打ち明けたのです。平野さんの思いを聞いて、神宮寺さんも決意を固めてから、6人での食事会が開かれました」(芸能プロ関係者)
平野の口から話すまで、食事会の“真の目的”は伏せられていたという。
「自分で説得したい思いがあったそうです。しかし、岸さんと永瀬さんは、はじめは直談判に反対しました。それでも、話し合いを重ねることで全員の考えが一致したそう。“直談判に失敗したら退所”という覚悟まで決めて、'17年9月にジャニーさんのもとへ“6人でのデビュー”を頼みに行きました」(同・芸能プロ関係者)
見事に思いが実り、'18年1月17日、キンプリとしてのデビューがメンバーに伝えられ、その2時間後に会見が行われた。
全員で意思を固めてデビューを果たした後も、キンプリはとにかく“話し合い”を大切にしてきた。
「ジャニーさんがデビュー曲をメンバーに選ばせるなど、“自分の頭で考えて決める”という教育を特に強くしてきたグループではないでしょうか。ただ、デビュー後1年ほどでジャニーさんが亡くなってしまいました。それ以降、“自分たちで方向性を決めている”という発言が増えたので、さらに自覚が強まったように思います」(霜田さん)
今回の退所も、メンバー間での話し合いが行われた。
「もともとは平野さんから言い出したそうです。平野さんは責任感が強くてアツい性格。デビュー直談判を主導した経緯もあって、メンバーを背負っているという気持ちが強くありました。そんな平野さんが退所したいと話したことで、ほかのメンバーも“どうする?”と考え出しました」(テレビ局関係者、以下同)
苦楽を共にしてきた絆
そしてデビュー時と同様、全員の方向性を一致させた。
「いったんは“全員で退所”という結論が出たそうです。しかし、永瀬さんと高橋さんは“ドラマの仕事を入れる”とジャニーズ側から引き留められました。そして、2人は事務所に残ってキンプリを続けることを決め、平野さんと岸さんと神宮寺さんが退所することになりました」
このことで、メンバー間の関係も悪化。
「関西ジャニーズJr.時代から幼なじみのような関係だった永瀬さんと平野さんの仲が一時、決裂してしまったこともありました」
前出の霜田さんは“完全に心が離れた結果というわけではない”と推察する。
「デビュー時にいきなり集められたメンバーではなく、10代のころから切磋琢磨してきた関係です。さらに、自分たちの意思で6人でのデビューを選んだグループなので、根底にある結束力は強いと思います。
苦楽を共にしてきた絆があることで、お互いの譲れない部分を理解しているからこその結論ではないでしょうか。それぞれの意思や、今後の人生のビジョンは、説得したからといって揺るがないものだとわかっていたのでしょう。お互いを大事に思うからこそ、それを尊重し合ったのだと思います」
まもなく迎える5人最後の時間は、笑顔で─。
霜田明寛 文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行