「雅子さまが、卓球の伊藤美誠さんとスピードスケートの高木美帆さんの3人で交流されている際は、笑顔あふれる“女子会”のようでした」
5月11日に行われた園遊会について、そう振り返るのは、『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さん。
天皇陛下からのお気遣い
'18年11月以来4年半ぶり、令和になって初めての園遊会は、あいにくの雨だった。
「土砂降りになったり雨が上がったりと不安定な天気でしたが、両陛下は時間をかけて招待客と懇談されていました。終了時刻は予定より1時間ほど遅くなり、約2時間もの園遊会は異例だったと、ベテラン記者の間で話題になりました」(皇室担当記者)
コロナ禍では叶わなかった国民との“ふれあい”がようやく実現し、両陛下のお話も自然と長くなったのだろう。
「雅子さまが、積極的に質問されているのが印象的でした。スポーツ選手の近況や生い立ちなどを事前によく調べられているとわかる質問が多く、スポーツをお好きだということが伝わりましたね。
園遊会は、両陛下の肉声をお近くで聞くことができる貴重な機会。それと同時に、招待された著名人が、いつになく緊張した様子で皇室の方々と懇談する姿を見ることができるのも、国民にとっては新鮮です」(つげさん)
歌舞伎俳優の片岡仁左衛門に、陛下が「傘、よろしかったらお差しになって」と声をかけられる場面は、多くのメディアで報じられた。
「結局、片岡さんは恐縮して両陛下の前では傘を差していませんでした。ほかの招待客も、両陛下を目の前にすると思わず傘を閉じてしまう人が多くて……。ずぶ濡れになりながら懇談した招待客が風邪をひいてしまっては申し訳が立たないため、宮内庁の職員は“傘は差したままで”と、呼びかけるのに必死でした」(宮内庁関係者)
両陛下と秋篠宮ご夫妻が対比的な構図に
前出のつげさんも“傘”が注目ポイントだったと語る。
「平成最後の園遊会も雨でした。上皇ご夫妻は、透明のビニール傘をお使いになっていたため、招待客や報道陣からご表情がよく見えました。ですが今回は陛下が黒、雅子さまがベージュの傘をお持ちになっていたため、ご懇談時の様子が少々見えづらかったのが残念でしたね」
傘をめぐっては、両陛下と秋篠宮ご夫妻の姿勢の違いが目立つことも。
「秋篠宮ご夫妻は園遊会中、傘の開閉を繰り返しておられました。両陛下やほかの皇族方が傘を差されている時でも、雨が弱まると真っ先に傘を閉じ、職員に預けられたのです」(前出・宮内庁関係者)
そのほうが招待客とお話ししやすかったのかもしれないが、
「皇室の足並みがそろっていないという印象を受けました。基本的に、皇室の方々がお集まりになる際は、両陛下のなさりように準じるかたちで行動されます。今回のように“傘を差したままの両陛下と、差さない秋篠宮ご夫妻”という対比的な構図になるのは望ましくなかったかと」(皇室ジャーナリスト、以下同)
また、紀子さまが秋篠宮さまの傘に入り、おふたりで“相合傘”をされているシーンもあった。
「平成最後の園遊会で相合傘をされていた上皇ご夫妻を彷彿とさせました。雅子さまがそのことにお気づきになっていたかは定かではありませんが、主催者として初めて臨まれた園遊会、傘に関する反省点が多いことは、言うまでもないでしょう」
余計な“トラブル”が降りかからぬよう、秋の園遊会はよいお天気に恵まれてほしい。
つげ のり子 2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』(河出書房新社)など