ドラマ『あなたがしてくれなくても』(木曜夜10時〜フジテレビ系)がすごいことになっている。『TVer』では第4話(5月4日)放送のタイミングで、(放送後1週間の)累計見逃し再生数が1500万回を突破。“お気に入り登録者”も今クールで堂々の1位(127万人※)だ。
吉野みち(奈緒)&陽一(永山瑛太)、新名誠(岩田剛典)&楓(田中みな実)という2組の夫婦はともにセックスレス。みちと上司の新名は誰にも言えない同じ悩みを共有したことで、“戦友”として意気投合。互いを思いやる気持ちは、いつしか禁断の恋心へ……。放送後には“#あなたがしてくれなくても”“#新名さん”などが続々とトレンド入り。
視聴者も「どこかに自分がいる」
「『TVer』でここまで反響があることに私自身、びっくりしています」
とは、プロデューサーの三竿玲子さん。
「セックスレスをテーマにせっかくドラマをやるんだから、“地上波だからできない”とは言いたくないと思いました。でも、エロがやりたいわけじゃない。セックスレスは大事で切実な問題だと思うので、言い回しをオブラートに包みたくはない。なので、地上波としては触れづらいセリフも盛り込んでいます」(三竿プロデューサー、以下同)
それぞれの夫や妻が感じる思いは、パートナーがいる人なら“わかる!”のオンパレード。グサグサと刺さり、ときに心をえぐるのに、“見たい!”が勝る魅力と魔力がある。
「多分みなさん、どこかに自分がいるんじゃないかなと思います。そして“ここまで言ったら、いくら挑戦作でも下品になる”“これは言わないとダメだよね”など、監督や脚本家とともにセリフの精査はすごくしています。ただ、私は大丈夫だと思っていたんですが、第1話の放送後“茶の間が凍りついた”という反響はたくさん見ました(笑)」
みち&新名は「心でつながっている」
物語は、声に出す言葉だけではなく、四者四様の心の声(モノローグ)でも紡がれていく。
「多くのドラマは主人公のモノローグしか入れないんですが、この物語はやっぱり人に言えない心の奥の感情がテーマなので。4人の気持ちを全部、描いています。だから相手の心の声も(視聴者に)聞こえる。その思いがわかってしまうから、心がヒリヒリと痛むんだと思います」
新名との逢瀬を絶つも、夫・陽一の裏切りを知ってしまったみち。ネット上には、みち&新名を応援する声が多いが?
「もちろん、不倫称賛になっちゃダメなんですが、みんなどこかで夢を見たい気持ちもあるし、愛されたい。何よりセックスレスという問題を男女で共有したからこそ、ふたりは心でつながっている。その相手、そして自分が婚姻関係を結んでいる相手とどう向き合うのか? ここからが本当の“四つ巴”です!」
※5月19日現在
赤裸々セリフ10
(1)夫とのセックスが懐かしくなったら、それはレスだ(みち モノローグ)
結婚5年目、32歳。建設会社で働くみちのレス歴は2年。解消したい気持ち、いつか子どもがほしい気持ちがあるが、夫・陽一に“する”約束をほったらかされてしまう(1話より)
(2)「私はね、ただHがしたいだけじゃないんだよ。陽ちゃんに愛されてるって感じたいからなんだよ」(みち)
「お互い働いて、それなりに生活ができて。性格もぴったりだし、仲いいだろ? 楽しいだろ? それって十分、夫婦として成り立ってると思うんだよ」と言い放った陽一に、みちは切実な本音をぶつける(1話より)
(3)「相手に背中を向けられて拒否される気持ち、すごくわかるから」(新名)
以前、みちからセックスレスだと告白された際には何も言えなかった上司の新名。しかしその後、会社の花見で、自分もセックスレスだと打ち明ける(1話より)
(4)「そんなにしたかった? みち、性欲強くない?」(陽一)
みちがもう2年していないことを伝えると、夫・陽一から辛辣すぎるこの言葉。みちが向き合おうとするほどに、陽一が感じるのはプレッシャー(1話より)
(5)俺の好きなみちを思い浮かべると、そこに裸のみちはいない(陽一 モノローグ)
いざ、みちと行為に及ぼうとしてもできない陽一。その一方で、勤務先の喫茶店のバイト・三島(さとうほなみ)との距離は縮まっていく(3話より)
(6)セックスが私の夢を壊すかもしれない(楓 モノローグ)
新名の妻・楓はファッション誌の副編集長。編集長を目指し、多忙な日々を送っている。新名との夫婦の時間はまったく取れていないうえ、今は妊娠を望んでいない(3話より)
(7)「すがっていたんだ。身体を重ねれば、そこに愛があるって。でも、ないことに気づいてしまった」(新名)
結婚記念日に「今日だけは頑張れない?」と迫るも、楓は逆上。傷ついた新名の心に共感したのは、みち。気持ちを寄せ始めたふたりは水族館へ(3話より)
(8)「やっぱ1回目のキスが分岐点だと思う。1回こっきりで終わるか、その後に続く道を選ぶか」(三島)
以前、バイトの三島をバイクで送った際にキスをしていた陽一。後日、三島と行為に及んでしまう(3話より)
(9)どんなに新名さんに惹かれていても、私の中から陽ちゃんがいなくなったわけじゃないんだ(みち モノローグ)
研修旅行でひとり部屋だったみちは、星を見るために新名を招き入れる。押し倒され「もう一度、こんなふうに愛されたかった」と感じながらも、涙が止まらない。行為は未遂に(4話より)
(10)私たちの関係はずっと続くわけない。砂時計みたいにキラキラして見えるのは一瞬だ。その一瞬に、私たちは逃げているだけだ(みち モノローグ)
研修旅行のお土産として、新名から砂時計をもらったみち。新名とは“ただの同僚”に戻ると決意したが……(5話より)