5月21日に人気YouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』で公開された動画が波紋を呼んでいる。
「チャンネル開設2周年を祝おうと、メンバーである二宮和也さんが自腹でWebサービス『世界からのサプライズ動画Fromアフリカ・アジア・ヨーロッパ』に動画を依頼し、紹介したんです。中国で誕生したこのサービスは“貧困に苦しむ人たちの支援になっている”という支持する人が一方、“黒人を見せ物にしているのでは?”という批判も上がっているため炎上しやすいコンテンツなんです」(ネットニュース編集者)
運営するのは怪しげな台湾企業
さらに「彼らが頼んだ会社がマズい」という声も。
「一般社団法人WORLD SMILEが‘21年に同サービスを開始したところ、人気ユーチューバー・はじめしゃちょーさんやEXITなどに紹介されたことで話題になりました。日本テレビ系『スッキリ』などテレビ番組でも数多く取り上げられたことで類似サービスが複数誕生したのですが、中には運営会社の実態が掴めない怪しげなところも。
今回『ジャにのちゃんねる』が依頼したのは台湾企業が運営しているサイトなのですが、そこが怪しげな会社の代表なんですよ」(テレビ局関係者)
運営会社のある台湾・新北市の住所をGoogleマップに入力したところ、ヒットしたのはオフィスが入っているようには見えない庶民的なアパート。同社の住所や中国語表記の会社名などで検索しても『世界からのサプライズ動画』以外の公式サイトは見つからなかった。
「『台湾企業ネットワーク』なるサイトに会社情報が掲載されているのが確認できたのですが、業務内容は経営コンサルティング、人材派遣、仲介サービス業、日用品小売業、化粧品小売、日用品の卸売、化粧品卸売業と多岐に渡るにも関わらず、同社の情報がほとんどヒットしません。影響力のある国民的アイドルですから、どんな会社が運営しているかわからないサービスを利用するのはコンプライアンス的に問題があるのでは」(同・テレビ局関係者)
'22年3月に『まいどなニュース』が同社の広報担当者にインタビューした記事によると、'18年に台湾市場で同サービスをスタート。『世界からのサプライズ動画』と銘打って日本市場向けに展開し始めたのが'19年からだと語っているが……。
「同社がこのサービスを行っているのが確認できるのが、'22年1月以降のものしか見つからないんですよ。YouTubeとTwitterは‘22年1月に登録していて、TikTokのいちばん古い投稿は'22年3月です。一般社団法人WORLD SMILEのサービスは'21年10月から行っていることがTikTokで確認できますし、日本でブームになったのはWORLD SMILE社のサービスが誕生してからですからね。
台湾企業のほうはSNSのフォロワー数も動画の再生回数も少ないですし、業界では台湾企業のほうが“パクり”という認識です」(制作会社関係者)
同サービスにおいて日本でのパイオニアということにはなっているものの、『ジャにのちゃんねる』がフォロワー数も動画再生数も少ない台湾企業のほうで動画を依頼したのは何故なのか?
「Googleで『世界からのサプライズ動画』で検索すると、いちばん上に表示されるのがスポンサー広告を打っている台湾企業のサービスなんです。広告を打っている企業ということで安心して、運営会社のことまでは特に調べなかったのでしょう」(前出・ネットニュース編集者)
人権侵害にあたるような類似動画も
日本でサービスを広めた一般社団法人WORLD SMILEのサイトのトップには、
《この度インターネット上に弊会とは関係のない類似サイトが発見されました。当該サイトに使用されている画像、文章は弊会の運営する【世界からのサプライズ動画】及びホームページと誤認される恐れがありますが、弊会とは一切関係がございません》
という注意喚起の文章も掲載されている。やはり、台湾企業のほうは“パクり”なのだろうか? 一般社団法人WORLD SMILEに問い合わせた。
――同じような名前で類似サービスを行う会社が複数あることをどう思っているのか?
「弊社は弊社でのコンプライアンス規制のもと、最大限現地の方々を尊重して作成させていただいております。他社さまにてコンプライアンス無視をして作成していたもの、人権侵害にあたるような内容で作成しているもの、それらについては弊社と間違われるケースがあるので許させる行為ではないと考えております」
――類似サイトがあることで、トラブルは?
「弊社ではコンプライアンスや人権侵害についての内容などは厳重に規制しておりますが、他社さまで作成した動画でコンプライアンス違反しているものが弊社で行ったものではないのかと間違えて問い合わせをいただくことが多々ございます」
――台湾企業のほうがサービスを開始した時期が早いというのは事実?
「他社さまの起源については正確には存じておりません。ご指摘の企業は台湾から日本向けへの窓口だと認識しております。弊社は日本の窓口として当初TikTokでサプライズ動画の配信を始めました。他社さまとの比較は特に行っておりませんでしたが、弊社の認識では『世界からのサプライズ動画』というコンテンツをTikTokで弊社が広め、それに準じてまだ確立していなかったコンテンツが増えていったと認識しております」
他社のサービスの開始時期については把握していなかったものの、『世界からのサプライズ動画』というサービスを広めた自負はあるようだった。
「会社の実態が掴めない=怪しいビジネスを行っているとは限りませんが、ジャニーズ事務所は性加害報道もあり“コンプライアンス順守の徹底などを、全社一丸となって進めていく”と発表したばかりですからね。類似サービスは複数あるわけですから、法人としてきちんと登録されているような運営会社のほうに頼むべきだったのでは」(前出・テレビ局関係者)
今後は動画内で取り上げるサービスなどは、きちんと調査をした上で紹介してほしいものだ。