痴漢が多い路線として知られる埼京線

 警視庁板橋署は23日、埼玉県新座市の団体職員・原健(つよし)容疑者(56)と、同県上尾市のアルバイト・廿樂佳津雄(つづら・かつお)容疑者(44)を強制わいせつの疑いで逮捕した。2人は今年2月16日の夜、JR埼京線を走行中の車内で共謀し、新宿駅から数分間にわたって男子高校生(16)にわいせつな行為をしたという疑いが持たれている。

常習的に埼京線で触り合うことをしている

「容疑者2人は高校生を挟み込むようにして胸を触ったり、下着の中に手を入れたりした。被害者は抵抗できず、現在はそのショックから埼京線に乗れなくなっているようです。警察に相談したあと、板橋署が車内の防犯カメラの映像などから逮捕に至った」(全国紙社会部記者)

混雑率が高い埼京線の車内

 容疑者らは「覚えていない」と犯行を否認する一方で、

「常習的に埼京線で触り合うことをしているので、どの件かわからない」

 と認める供述も。

「2人は痴漢情報が集まるサイトを見て、犯行に及んだ可能性がある。したがって、この件のほかにも、同様の痴漢行為に関与しているかどうか捜査中です」(同・社会部記者)

 卑劣な行為に走った痴漢コンビは一体どんな人物なのか。原容疑者は15年前、新座市に購入した一戸建てに妻と2人暮らしをしていた。

足の悪い妻をケアする“献身”夫の顔

「お子さんはおらず、猫を5匹以上飼っていた。専業主婦の奥さまは足が悪く、病気がちで、ほとんど外には出ないの。たまに買い物に出かける時は原さんが車を出してあげている。やさしい方ですよ」(近所の住民)

原容疑者の自宅

 容疑者は朝7時ごろ、背広姿でゴミ出しをして出勤しているとも。

「身長は170センチくらい、体重90キログラムほどでがっしり体型。いかつい顔をしていて一見怖そうですが、性格は穏やかできちんと挨拶もしてくれます。多弁ではないが、とてもハキハキとした性格だった」(同・住民)

 引っ越してきた当初、町内会の班長を務めたことがあったが、

「住民同士でちょっとした揉めごとがあったんですが、それぞれの言い分を要約して、印刷して配布してくれた。若いのに素晴らしいって評判になったのよ」(別の住民)

 独身時代は都内の中野区に住んでいたという原容疑者。

「1Kのマンションに10年ほど暮らして、同じマンションの1階にあった美容室で働いていた奥さんと出会い、結婚したんです。二人とも40歳ぐらいの晩婚だったから、子どもはできなかった。当時、容疑者は会社員だったけど、結婚後はとある団体の職員になったみたい」(原容疑者の知人)

 一方、廿樂容疑者は独身で、上尾市の一戸建てに父親と姉と3人暮らしをしていた。

廿樂容疑者の自宅玄関前

「息子がこんな人さまに言えないような恥ずかしいことをしてしまって、申し訳ありません。被害者の高校生とそのご家族、ならびに世間のみなさまには心からお詫びいたします」

『週刊女性PRIME』の直撃に謝罪の言葉を口にした容疑者の父親。息子の逮捕時の様子については、

「23日の早朝、いきなり警察を名乗る5人ぐらいの私服の男が現れてね。息子の部屋に入っていって、30分ほど経ったあと、連行していったのよ。警察手帳は見せてくれなかったから、あとで強盗じゃないかと。息子を人質に現金を要求されるんじゃないかと心配しましたよ。でも、強盗じゃなく、警察でよかった。よかったというのも変ですが……」

 こんな犯行をしてしまう兆候は微塵もなかったと、戸惑いを見せた。

「おとなしい、末っ子の次男坊。酒もタバコもやらない。友人と遊ぶことも少ないし、バイトに明け暮れている感じ。母親を20年前に亡くしているので、寂しい思いはさせたかもしれません。でもどうしてでこんな妙なことになったのか、わけがわからなくて……」(同・廿樂容疑者の父親、以下同)

 容疑者は高校卒業後、いったんは服飾・デザイン関係の専門学校に入ったが、すぐに退学。以降は一度も正規雇用で働いたことはなく、アルバイトを転々としていたようだ。

容疑者の父親は「根っからの性癖なのか…」

「うちの家族は3人とも生活時間がまるで違うので、同じ食卓を囲むことはほとんどなくて、それぞれの部屋で過ごしています。だから、家族同士の会話なんてないし、単なる同居人って感じ。

 40歳を超えて独身だし、仕事もバイトだから、将来に対する不安、焦りや、ストレスはあったのかも。あるいは、根っからの性癖なのか……」

 今後はまだ事件を知らない長男と相談して、板橋署へ出向き、被害青年に謝罪に行こうと考えているという。

「本人は拘留されているので、できないですからね。私ができることをやるしかない」

 ストレス発散のためだったのか……。だが悪質な痴漢行為によって被害者はもちろん、自らの家族も苦しめることを容疑者らは肝に銘じるべきだろう−−。

 

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