King & Prince(以下、キンプリ)の新体制が始動している。
「5月22日で、平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、岸優太さんが脱退しました。平野さんと神宮寺さんは、脱退と同時にジャニーズ事務所も退所。岸さんは、9月30日に退所することが発表されました」(スポーツ紙記者)
キンプリは、高橋海人と永瀬廉の“2人組”となった。
「現在、高橋さんは日本テレビ系の『だが、情熱はある』に、永瀬さんはTBS系の『ラストマン』にそれぞれ出演中です。“5人最後”の日、高橋さんは神奈川県内で行われたドラマのロケに朝から晩まで参加していました。永瀬さんも、ドラマのロケの目撃情報がSNS上で拡散されています。残念ながら、この日に5人が集まることはかなわなかったのでしょう」(テレビ局関係者)
これまでの先輩グループとの違い
5月23日、早速『新生キンプリ』がお披露目された。
「夜7時から、キンプリのYouTube、インスタグラム、ツイッター、TikTokのそれぞれのアカウントで同時に生配信が行われました」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
デビュー5周年を祝うこの配信では、ファンにとってうれしいお知らせも。
「6月21日に2人でのニューシングル『なにもの』をリリースすること、7月1日から日本テレビ系の新番組『キントレ(仮)』がスタートすること、7月2日にキンプリ初のファンミーティングを開催することが発表されました」
しかし、あまりの動きの早さに賛否両論もあって……。
「3人が脱退したことを受け止めきれていないファンが多かったようです。ただ、2人で前を向いて進んでいくキンプリを応援したいという声もあがっています」
ジャニーズ事情に詳しいライターの霜田明寛さんによると、『新生キンプリ』の動きは、メンバーの脱退があったこれまでのジャニーズグループと少し違うという。
「KAT―TUNは活動休止の“充電期間”があったり、NEWSは『星をめざして』のような“乗り越える系”の曲を出したりなど、別れを惜しむ期間を経てから、“ファンとともに進んでいこう”というグループが多かったんです。ただ、キンプリは5月23日以降、“初めから2人組だったのでは”と勘違いする人も出てきそうなほどの空気を醸し出しているところに、これまでの先輩グループとの違いを感じます」(霜田さん、以下同)
これこそが、ジャニーズに残る決断をした2人の決意の表れだと推察する。
「永瀬さんと高橋さんの2人になっても『King & Prince』という冠を本気で残したいのだという気概を感じます」
実質的には“新番組”というより“リニューアル”
世界を目指したい強い思いがあった平野を中心とした、それぞれの目指す方向性の違いが、今回のキンプリ分裂の発端になった。
「どのグループも、ひとりでもメンバーが抜けると多少なりとも雰囲気に変化が出ることが多いです。なので、5人中3人が脱退したことで、グループが停滞する危機感は彼らも確実に抱いたでしょう。永瀬さんと高橋さんが、これまで雑誌のインタビューなどで“世界を目指したい”と話していたことは、当時は嘘でなかったのだと思います。でも、今はまず国内で積極的に活動することで、日本での人気を落とさないことを第1目標にしているのではないでしょうか。もちろん、すべての可能性を捨てたわけではなく、世界へのチャンスが巡ってきたらつかんでいくことを期待したいですが……」
新たな一歩を踏み出した2人。これまで5人で行っていた仕事はどうなるのだろうか。
「冠番組『King & Princeる。』は、5月20日の2時間スペシャルで番組が終了しました。しかし、新番組『キントレ(仮)』は同じ枠で放送され、SNSアカウントも引き継がれます。実質的には“新番組”というより“リニューアル”なのでしょう」(前出・テレビ局関係者)
それならば、番組を終わらせなくてもよかったのでは?
日本テレビに前番組を終了させて『キントレ(仮)』を立ち上げた理由を問い合わせたが、「番組の制作過程はお答えしておりません」との回答だった。『Honda』や『UHA味覚糖』など、5人でのCMもあった。
「どの企業も5月22日までに契約が終了しており、今後は未定というのが現状のようです」(広告代理店関係者)
前出の霜田さんは、2人のさらなる飛躍に期待を寄せる。
「これまで、ジャニーズ事務所の正規グループの2人組は、KinKi Kidsとタッキー&翼という、Jr.時代から人気を誇って満を持してデビューした人たちだけなんです。大人数のグループだと、テレビなど時間が限られたメディアでは個々の良さが伝わりづらい面もあります。個々としてもグループとしても良さを発揮できる人数でもあると思うので、楽しみです」
また、こんなメリットもあるという。
「我慢することが減ると思います。例えば、嵐の松本潤さんは、'20年末のグループ活動休止まで走りきるため、『どうする家康』のオファーを先送りにしていたそうです。ほかにも、グループの仕事を優先して諦めた映画や舞台、ドラマが、裏ではたくさんあると思うんです。2人ならば多少はスケジュールが合いやすくなるので、グループ活動をしながらでも、大作映画やドラマに、コンスタントに出演することができるでしょう」
“2人組”の大先輩もこの道筋をたどっていて……。
「KinKi Kidsも初期は常に光一さんか剛さんのどちらか、ないしは両方がドラマに出演しながら、頻繁に曲をリリースしていました。キンプリも個人の認知度を高めながら、グループ活動も充実させることができると思います」
新生キンプリは“なにもの”にでもなれそう!
霜田明寛 文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行