(左から)中田敦彦とせいや

 5月29日、オリエンタルラジオの中田敦彦(40)がYouTubeで、ダウンタウン・松本人志(59)がお笑いの賞レースの審査員を兼任しすぎているとし、「審査員何個かやめてくれないですか」と苦言を呈したことが物議を醸している。

『松本人志への提言』と題された動画のなかで中田はまず、松本が『M-1グランプリ』『キングオブコント』『IPPONグランプリ』『人志松本のすべらない話』など、賞レースほかさまざまなテレビ番組の大会の審査員を務めていることを指摘。

若手を審査する仕事めっちゃ多い。松本さんはあらゆる大会の顔役なんですよ。審査員って権力。それが(松本に)集中。漫才、コント、大喜利、漫談にもいる。これって全部のジャンルの審査委員長が松本人志さんっていうとんでもない状況

 続けて、大御所でお笑い界の権威である松本人志の発言が、審査における大きなウェイトを占めていると私見を述べた。松本の“センス”が今のお笑い界の基準になりすぎている、“面白い”の価値観はもっと多様であるべきだ、と。

松本さんが『面白い』って言うか言わないかで新人のキャリアが変わる。それだけ偉大、求められているという見方はあるけど、実際にやることでその業界のタメになるかどうかで言うと、僕の意見ではあまりタメにならないと思う。一つの価値基準しかないから

別の後輩芸人と起きた“場外乱闘”

 40分以上にわたって繰り広げられた松本批判。時には皮肉混じりに腐すこともあり、「審査員ちょっと何個かやめてくれないですか。松本色が濃すぎてちょっとお腹いっぱい」と噛みつき、「松本さんに対して何も物が言えない空気っていうのがすごくあるんですよ(中略)松本さんの映画を面白いか面白くないかって誰も言わないんだよ芸人が」と口撃を続けた。この一連の話に視聴者からは賛否のコメントが相次ぎ、SNSでは議論が勃発。

「あっちゃんの勇気ある発言と姿勢に触発される人は多いと思います」と称賛する声もあれば、「松ちゃんは審査員を辞めたいと何度も言ってきた。テレビ局と、松ちゃんに審査されたい芸人も、視聴者も彼を求めている」と、中田の意見について的外れだと言及するものも。

 翌日の5月30日、事態が大きくなっていることを知ってか、松本はツイッターを更新。

《テレビとかYouTubeとか関係なく2人だけで話せばいいじゃん(笑顔の絵文字) 連絡待ってる!》

 と、売られたケンカを買うことはなく、穏便に事を収束させるかのような姿勢を示した。大物芸人の余裕、といったところか。しかし、別の芸人との“場外乱闘”は行われていて──。

オンラインサロンでの“せいや批判”動画が流出

 中田が動画をアップした数時間後、ツイッターで吠えたのが、吉本若手のエース・霜降り明星のせいやだった。

《真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな 中田》

 せいやが激怒した原因は動画の終盤に展開された“後輩イジリ”のくだりだった。

 動画の後半、松本への批判を一通り終えた中田は「これ見てる粗品くんどう思う?」とせいやの相方・粗品を唐突に名指し、このように話していたのだった。

最近俺の(YouTubeの)トークチャンネルをすごく見てくれてるらしんですよ。すごく嬉しくて。粗品くんなんて(M-1、R-1)全部獲ってるでしょ

 このように、輝かしい賞レースの功績を讃えたうえで、

まぁ、(松本に)言えないよね。吉本から数千万円借りてるし。だから、粗品くん、俺代わりに言うわ。松本さん、審査員やりすぎですよって

 と笑い、「ごめん、俺の意見だわ(笑)。粗品くんは関係ない。とばっちりでした」とフォローしたが、これにせいやが激怒し前述の怒りのツイートをしたのであった。確かに吉本の後輩芸人からすれば、あまりにセンシティブすぎる話題にこのようなかたちで自分の名前を挙げられるのは“もらい事故”以上の何ものでもないだろう。

『霜降り明星』の粗品

「中田さんはコメント欄で動画についての反響を逐一チェックしていますが、ネットにおける批判的な声も意に介していない様子です。しかしながら、松本さんの映画がつまらないと暗にイジったり、自分のネタについて“中田を面白いと思わないって、ドストエフスキー読めないとか、モーツアルトがわからないのと一緒だから。後世恥かくから。知性が必要なんだよな、中田で笑うのは”と高飛車な発言をみせたりと、あまりに態度が尊大に構えすぎていた。彼のファンですら“引いた”という人も少なくない」(ウェブメディア編集者)

 中田の“暴走”に対する反感、それが表面化してしまったのが、動画公開の翌日のことだった。

動画の翌日に中田さんが月額定額制のオンラインサロンの配信でしゃべっていた内容が、SNSに流出したんです。閉じられたコミュニティかつ、もちろん拡散も厳禁のなか“ホーム”での配信だっただけに、その内容がなかなか驚きのものでした。今回の中田さんの過激な発言に賛同できなかったサロンメンバーによる暴露投稿だとされています」(同・ウェブメディア編集者)

一般ユーザーの手によって『TikTok』などに転載されてしまったその動画(現在は削除済み)は一体どのようなことが話されたのか──。それは1分13秒の切り抜き動画だった。

「あの界隈が言葉遣い汚いのは、今に始まったことじゃない」

霜降りのせいやとかね、怒ってたね、ものすごい怒ってたね。そんなに怒る? っていう……ごめんね、俺あんまり人の気持ちがわかんないんだけど(笑)。そんなに(粗品を)ディスってないっていうか。借金がすごいあるから吉本に言えないか、みたいな。それがすごい癪に触ったんだろうね。やっぱでもそこに関してしょうがないっていうかね。思っていることなんで言いました。

 かつ、反応も早かったんでね。せいやね。ちょっとせいやの言葉遣いが汚くて、それはちょっとウッってなったけどね。なんかもうちょいさぁ……みたいな。まぁ、でもあの界隈が言葉遣い汚いのはね、もう今に始まったことじゃないですから。アウトレイジだと思って、“組にぶちこんだら若い衆が出てきた”みたいなもんですから。

 あの〜、あんまり気にしないほうがいいんですね。若い衆ひとりひとり相手にしたらこれからもう大変なことになりますよ。もう、いちいち議論しててもしょうがない

SNSで拡散されている中田敦彦オンラインサロンでの雑談(画像は一部加工)

  落ち着いたトーンで、時折笑顔を見せながらアットホームな環境での雑談。テレビでも共演したことのあるせいやを「あの界隈」「アウトレイジ」「若い衆」とたとえ、「議論していてもしょうがない」とバッサリ。オンラインサロンメンバーだけに見せた“裏の顔”に、ネットは驚きを隠せない様子。こちらの動画も拡散されたが、反響をみるとどうも批判的なコメントが多く、

「自分がきっかけ作っといて言葉使いでウッとなるって、、」

「別に相方をディスられたからとかそう言うことじゃないと思うけど。単に尊敬する先輩の批判に相方を出しに使われたのが腹立ったんじゃないの。人の気持ちわからないんだけど〜って40越えた大人が自信満々に言ってるのが怖い」

「お笑い界の功労者に対する侮辱にも怒ってるんだと思いますよ」

 との意見が寄せられており、“人の気持ちがわからない”と平然と言ってのけるその様に、「サイコみがある……」と恐怖を感じる者も。

 同日、中田の相方の藤森慎吾も自身のYouTubeチャンネルで意見を発信している。40分にわたる動画で、「(松本に審査員の)オファーがあって需要があるわけだから。それは揺るぎない事実ですし」と中田とは異なる意見を持っていることを表明したうえで、件の霜降り明星の件についても触れた。

粗品とかなんてかわいそうだよね。シンプルに巻き込まれたもんね。あっちゃんが頭良いんだからクレバーにね、対応するべきところなのかなとも思うよね。粗品君の名前出したことによって、せいやがTwitterで反応したりとかもしてたけど、なんか今度一緒に酒飲みてえなあって思ったぐらいね、なんかいろいろとせいやと話が合いそうです

 四面楚歌の中田敦彦、次はどんな一石を投じるのか──。

SNSで拡散されている中田敦彦オンラインサロンでの雑談(画像は一部加工)

 

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