事件現場となったマンションの一室。インターホンを押して、
「Aさんですよね?」
と尋ねたところ、
「違います!」
ときっぱり否定。事件との関わりを否定するかのように、Aさんの部屋に住むその男性は取材拒否の姿勢を貫いたーー。
体長30センチの乳児の遺体をトイレに流そうとした
愛知県警名東署は4日、同県名古屋市名東区に住む飲食店店員・半沢彩容疑者(34)を、死体遺棄の疑いで逮捕した。容疑者は3日の午前8時30分ごろ、交際相手・Aさん(43)の部屋で、自身が出産した体長30センチほどの乳児(男児)の遺体をトイレに流そうとしたという。
「だが、流すことができなかった。それから半日ほど経った午後8時40分ごろ、自宅からおよそ4キロメートル離れた同市天白区の病院へ抱えていき、“自宅で出産した子が死んだ”と告げるも、不審に思った看護師が110番通報。遺体は司法解剖されたが、死因はまだ解明されていない」(全国紙社会部記者)
半沢容疑者は警察の取り調べに対して、
「間違いありません」
と容疑を認めているというが、
「警察は嬰児が死産だったのか、それとも容疑者が故意に殺したのかを、慎重に捜査しているようです」(同・社会部記者)
大切な我が子をトイレに流そうとする凶行に走った容疑者とは、いったいどのような女性なのか……。
半沢容疑者は交際相手と同じマンションに住んでいた。築32年の5階建てで、ファミリー向けの間取りは3LDK、家賃は月9万円ほどだが、容疑者の部屋は単身者向けのため、1LDKで月6万円ほど。同マンションの大半の住人は、「(容疑者の)顔も名前もまったく知らない」という。ある住民からは、
「容疑者が住んでいた部屋は1年前までは空き部屋だった」
とあり、ここ1年以内に引っ越してきたようだ。容疑者の交際相手Aさんについては、
「彼は10年以上、住んでいる。以前は妻子がいたが、離婚して現在は独り身だ」(同・住人)
マンションから少し離れた、容疑者とAさんがよく通っていたレストランの店主に話を聞いた。
「Aさんはずっと前から来ていましたが、離婚して、3年前からアヤちゃん(容疑者の愛称)と一緒に来ていました。ときどき、Aさんが友人を引き連れて5人ぐらいで来店するときもあってね」(店主、以下同)
アヤちゃんはとても優しい、いい子
半沢容疑者はおとなしくて、相手の話に相槌を打って、ニコニコと微笑むような女性。髪型はショートカット、体型はややふくよかで、
「少し離れた場所にあるスナックで働いていた。Aさんとは、おそらくそこで出会って、付き合うようになったんじゃないのかな」
容疑者は九州出身で、帰省するとお土産を買ってきてくれたことも。
「アヤちゃんはとても優しい、いい子ですよ。てっきりAさんとは一緒に住んでいるものだと思っていたけど、部屋は別々だったんだね。まぁ、まだ結婚していないし、たまにアヤちゃんの母親も来ていたから当然といえば当然か」
2人が最後にこの店に来たのは、今年の2月か、3月だったようで、
「でも、アヤちゃんの体型からは、まったく妊娠には気づかなかった。嬰児の大きさだと、早産だったんでしょうね。ええ、もちろん、2人の間の子でしょう」
だが、2人の子であれば、たとえ死産であってもトイレに流そうとはならないのではないか。冒頭にある、交際相手Aさんの頑なな取材拒否の態度に、その問いの答えがあるように思えてならない。
いずれにしても、尊い幼い命が失われたという悲劇だけは間違いのない事実である。