「すべて弁護士に一任していますので……。お答えできることはありません」
ガーシーこと東谷義和容疑者が6月4日に逮捕されたことを受け、彼の“暴露”の標的になったデザイナーK氏にコメントを求めると、か細い声でこう言うのみだった。
「ギャンブルで背負った約3億円の借金返済のため詐欺に手を出したガーシー容疑者は、逮捕を恐れて'21年末にドバイに逃亡。経営者として芸能人と人脈を築いていた彼は、配信の収益を負債の返済に充てるとして'22年2月から異国の地で暴露系ユーチューバーとして活動を始めました」(ワイドショースタッフ、以下同)
実刑の可能性がある場合は──
有名人の裏の顔を暴く動画は話題を呼び、知名度を上げたガーシー容疑者は、NHK党から要請を受け'22年7月の参議院選挙に出馬し当選。自らを、闇を暴く“ダークヒーロー”と称していたが徐々に雲行きが怪しくなる。
「'23年3月、国会への欠席を続け、議場での陳謝に応じなかったことを理由に除名処分を受けて議員資格を剥奪。続けて俳優の綾野剛やK氏を常習的に脅迫して名誉を毀損したとして常習的脅迫、威力業務妨害、強要、名誉毀損の4つの罪で逮捕状が発行され、さらにICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配がかけられました」
暴露開始から約15か月でお縄となったガーシー容疑者。
空港に降り立った際、不敵な笑みを浮かべていた彼だが、今後どのような裁きが待っているのか。弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に見解を聞いてみた。
「警察がかなりの労力をかけて逮捕していますので、不起訴処分は考えにくいです。しかし、常習的脅迫など4つの犯罪行為のみであれば、初犯ということを考慮されて懲役3年、執行猶予5年程度に収まる可能性が高いです。
ただ、余罪が出たり、本人が反省の態度を示さない場合には、それらを加味して実刑になる可能性もあると思います」
「本当に逮捕にビビっていた」
現状としては執行猶予の余地もあるというガーシー容疑者。国際指名手配を受けた割には軽微に思えるが─。
「ガーシー容疑者の逮捕は警察の威信をかけて“逃げ得を許さない”という姿勢で臨んだ捜査の結果。今回の逮捕の裏で、日本の警察は外務省経由でドバイの警察とコネを持つ民間の邦人に協力を要請するなど、国家権力をフルに活用していたそうです」(警察関係者)
事のてん末を裏社会に詳しいライターのB氏はこう語る。
「ガーシー容疑者は本当に逮捕にビビっていたんでしょうね。彼自身は裏社会に精通していると語っていましたが、ここまで小心者だと疑わしいです」
B氏いわく、ガーシー容疑者は禁じ手を打っていたという。
「彼は逮捕を恐れるあまり、警察と交渉を一切絶つという選択をしました。しかし、議員のときに帰国すれば不逮捕特権で逮捕されなかったでしょうし、事情聴取に応じていれば、捜査に協力しているとして警察も強硬手段に踏み切れなかったでしょう。逮捕されないことにこだわりすぎて事態を悪化させたのだと思います」(B氏、以下同)
ガーシー容疑者は帰国しない理由として、自身に懸賞金がかけられているなど、命の危険を訴えていたが、
「彼を殺めるメリットなんてないでしょうから、逮捕怖さのウソだと思いますよ」
恐れていた逮捕が現実になった心中はいかに─。
正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。慶應義塾大学法科大学院卒業。第二東京弁護士会所属。bayfm『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組『news イット!』(フジテレビ系)などメディア出演も多数。相談しやすい身近な弁護士。YouTubeやTikTokの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、配信中。