女優・広末涼子とミシュラン一つ星シェフ・鳥羽周作氏のW不倫は世間に衝撃を与えた。そこに第三の人物が加わってきた。広末の夫・キャンドル・ジュン氏だ。彼はすべて自分1人で取り仕切る異例の会見を開いた。そこで広末が幾度も不倫を重ねていたこと、そして今でも変わらぬ自身の広末への愛を語った。その姿は、“怪しい風貌をした人”というイメージを覆し、人々に評価された。“聖人夫”と評するメディアもあるほどに。
「あぁ、またやってるな……」
会見を見た率直な感想をそう述べたのは、以前、キャンドル氏の会社でスタッフとして働き、その後は所属アーティストとして活動していた男性だ。
キャンドル氏の会見は「嘘っぽいというか…」
「あの人の人間性を知っている身からすると、嘘っぽいというか、またやってるな、いつもそうだなと。記者を壇上に呼び込むなど自分のフィールドに優位な形に持ち込んで……。頭がいいなとは思いますが」
会見では震災のこと、メディアの取材姿勢にも触れた。彼の活動に関することでもあったが、広末の不倫とは直接的な関係はない。しかし、この部分で世論を味方につけたところはあるだろう。
今回、話を聞いたこの男性はキャンドル氏から暴力行為を受けた“被害者”だ。2人の関係から話を聞いた。
「キャンドル氏が運営している会社に僕がバイトで入りました。24歳ぐらいのときです。そこからスタッフとして働き、30歳でアーティストとして独立しました。ただその後も、36歳までは彼の仕事を手伝ったり、やりとりはありました」(被害者の男性、以下同)
キャンドル氏とは10年以上の付き合いだった。
「彼が暴行に至ったのは彼とある女性との関係性も大きな理由ですが、発端としては僕の行動にあります。僕は会社で出会った別の女性と結婚していました。結婚式にはキャンドル氏、そして広末涼子さんにも出席していただきました。その後、妻がいながら、新しく入社した女性と不倫してしまったのです」
不倫関係は当時の妻に知られることに。妻はキャンドル氏にその旨を伝えたという。
「それでキャンドル氏に神奈川県厚木にあるアトリエに呼ばれました」
話は'19年。男性の独立後のこと。そこでキャンドル氏より数々の暴行を受ける。
殴る蹴る、強制丸刈り、顔を火あぶり…
「僕の髪をつかんで引きずりまわして、何十発も殴ったり蹴ったり……。木材を燃やすために半分に切られたドラム缶があったのですが、火が燃えているその場所に僕の顔を近づけもしました。暴力中に言っていたのが、“俺の女に手、出したな”“俺の女だぞ”と。また、“おまえ、給料なしで被災地行けんのか?”とか……。“なんで丸めてこねぇんだよ?”と、その場でバリカンで虎刈りみたいにされました。切った髪をドラム缶で燃やしていました」
男性はただ謝り続けるしかなかった。結果的に全治2か月ほどの重傷を負った。しかし、解放された後も……。
「その日以降も彼から“お前、ここにいるから来いよ”とか、脅すようなメールがたくさん来るようになって。自分があるイベントに参加するときには、開催前に“そこ行くからちょっと待ってろ”とか。何かされると思って、警察に相談したこともあります」
当然ながら暴行を受けて以降、男性からキャンドル氏に連絡を取ることも、会うこともしていない。ただ何十件もの非通知の着信があったため、キャンドル氏を着信拒否、非通知も着信拒否設定をした。だがその後、キャンドル氏から男性宛てに「番号を変えただろう」というメールが届いたという。
日常的に男性へのハラスメントはあったのか。
「暴行以前は僕に対してはほとんどありませんでしたね。ただほかのスタッフへの暴言はありましたし、殴ったり、丸刈りにしたりすることは何度かありました」
被害男性が手を出した女性はキャンドル氏と不倫関係にあった
キャンドル氏の女性関係は。
「涼子さんとの結婚後もそのときどきに“お気に入りの子”がいる感じです。僕が手を出してしまった女性は、僕と関係を持つ前、キャンドル氏と不倫関係にあり、そのことで悩んでいました。彼女は当時まだ20代半ばで、キャンドル氏とは年齢もひと回り以上離れているうえに、経営者とスタッフという関係性でした。女性関係においても自分が有利な土俵に持ち込むのが彼のやり方なのかと……。
実はその女性は現在の僕の妻なんです。はっきり断ることが苦手な優しい性格なので、そこにつけ込まれた形だったのだと思います。彼女は、事務所を辞めようとした際も、なかなか認めてもらえなかった。これは離婚できない今の涼子さんと同じ状況なんじゃないかと思います」
キャンドル氏に暴行と不倫について聞くため、彼の携帯電話に連絡した。
「ノーコメントです、すみません」(キャンドル氏、以下同)
すべての質問に「ノーコメント」を貫いた。結婚以降の女性関係、不倫については、
「相手があることですから、これ以上いろんな人に迷惑をおかけしたくないので、ノーコメントとさせてください」
その後もいくつか質問したが彼の返答は同じ。
「すみません、これ以上取材等々は受けないというお話をさせてもらったんです」
確かにキャンドル氏は会見で、「できればこの記者会見をもって、もう、このプライベートに関することでメディアに出るようなことはしたいとは思っていません」と話していた。“このプライベート”とは広末の不倫を指すのだろう。今回は“別件”のためキャンドル氏に詳しい話を伺いたい旨を伝えると、
「……ノーコメントです」
電話ではキャンドル氏の意見を聞くことはできなかった。しかし、通話から40分後、記者に彼からメールが届いた(以下、スペースはキャンドル氏の改行部分。彼は句読点を一切使わない。それ以外は原文ママ)
ノーコメントから一転、質問に回答するも…
《先ほどはノーコメントとさせていただきましたが誤解をしっかり解きたいのでお伝えいたします 男性(メールでは実名)は元スタッフで彼はまた元弊社スタッフと結婚をしておりました みなでお祝いをしましたが その後入ってきた女性(メールでは実名)と関係を持ち 元弊社スタッフの女性から連絡をうけたので 問いただした際に手をだしたことは事実です》
《それぞれとの間で話がおわり 彼は今は女性と仲睦まじく生活されているはずです》
《わたしと女性には特別なことはありませんでした》
《ふたりの平和を乱すようなことにしてもらいたくはないのでお伝えいたします それぞれ一般の方ですので わたしのことでこれ以上まわりを巻き込まないでいただきたいです》
手を出したことは認めた。その暴行は“手を出す”という範疇(はんちゅう)を超えていたが……。そして、自身が不倫をしていたことについては認めなかった。だが、彼は暴行時、「俺の女」と発言している。この言葉は、妻・彼女・不倫相手など関係性はさまざまあろうが、一般的には「男女の関係」にある場合に使われるもの。この言葉の意味について尋ねると、以下の回答があった。
《こちらは二人に確認をしていることなのでしょうか わたしのことを指摘したい人がこれらの内容をつたえているのでしょうか もし当人からのことでなければ 今の二人や元パートナーの幸せを壊してしまうことになるので これ以(上)深堀(掘り)しないでいただきたいです》
《ここでまた 私のことで一般のみんなが世間に晒されることになってしまっては申し訳ありません》
《本人たちが訴えたいのであれば別ですが そうでなければ 当事者同士のことですので どうぞよろしくおねがいいたします》
こちらの質問には、まともに答えないスタンスのようだ。そして彼自身の不倫については触れられていなかった。さらには、キャンドル氏は記者とやりとりする裏で、被害者の男性にもメールを送っていたのだ。宛名は“夫妻”宛。
被害男性へのメールにあった“不倫”をほぼ認める文言
《お久しぶりです いろいろ世間を騒がせてしまっている中で 今度は下記(記者からのメール)の内容がきてしまっています わたしがしたことだから仕方がないのですが これらが公になってしまうと 二人にも迷惑がかかるし男性の前妻(メールでは実名)をまた傷つけることになってしまいます》
《とはいえふたりが公表して わたしを訴えたいということであればそれはしかたがありません 三人は一般人だからそこまで出るとは思いませんが それでも きっとあることないことがいろいろと出続けてしまうと思います》
《私のことでありますが さらに子供達が外にでれなくなってしまうことにもなり より多くの人たちを傷つけてしまうことになります》
《被害を受けたのは男性(メールでは実名)ですから 二人で考えてみてください こんなことになってしまって申し訳ありません》
彼のメールには自分以外の“他者”を気遣う文が必ず入っていた。しかし、その気遣いは本心か……。本心でこのような気遣いできる人間が、はたしてここまでの暴力を振るえるものだろうか。彼は本誌の取材においては不倫を最後まで認めていなかった。しかし彼の夫妻宛のメールを読む限り、不倫を認めたようなもの。もし仮に彼の話を信じるのであれば、自分には関係ない“他人の不倫”を諫めるために、あそこまでの暴力を振るったということになる。果たしてそこまでするだろうか……。
最後に被害者男性に質問した。なぜ今、告発したのか?
「当時のことは思い出したくないことですし、もう関係ないので、誰かに言うとか何かをするつもりは全然なかった。ですが、あのニュースが出て、涼子さんがすごくたかかれていた。それでう〜ん……と」(被害者の男性)
キャンドル氏への今の思いを聞くと、
「嘘はつかないほうがいいと思います。平和を願っている人がめちゃくちゃ暴力を振るっているんですから」(同)
キャンドル氏は会見で、長男(実父はモデルの岡沢高宏)と血がつながっていないことが、広末と鳥羽シェフのW不倫報道によって次男と長女(実父はキャンドル氏)が知ることになったと語った。
「心の成長を見て、折を見て話そうと思っていました。こんな形で下の子たちがうちの事情を知り、(中略)何も悪いことをしていないうちの子どもたちはどうやって外を歩けばいいんでしょうか」(会見時のキャンドル氏)
しかし、今回の告発で彼自身の暴行、そして不倫が白日のもとに晒された。キャンドルの炎に照らされない父の裏の顔を、子どもたちはおそらく知らない。そして「良き妻で最高の母」と評された妻が、キャンドル氏の暴行と不倫を知ったら、どう感じるのだろうか──。