「生真面目で几帳面、とてもいい人ですよ。教え子にあんなことするなんて、お酒が入っていたのか、魔が差したのか……とても信じられません」
容疑者宅近くの住民たちはそう口を揃えるーー。
警視庁練馬署は15日、東京都練馬区で学習塾を経営する今井茂幸容疑者(70)を強制わいせつの疑いで逮捕した。今年3月30日、塾内において20代女性に強いてわいせつな行為をしたというもの。
1時間にわたってキスしたり、身体を触ったり…
「今年3月29日の夜、容疑者は塾のOGたちと飲食店で酒を飲んでいた。“2次会をしよう”と被害女性だけを誘い出して、塾内に連れて行く。そこで午前0時過ぎから、約1時間にわたって女性が拒否してもキスをしたり、身体を触ったりするなどのわいせつ行為をし続けたようです」(全国紙社会部記者)
警察の取り調べに対して容疑者は、
「わいせつな行為はしたが、強制的にはしていない」
と容疑を否認している。
孫に近いほどの年齢の教え子に、破廉恥な行為をする教育者とは、いったいどんな人物なのか?
挨拶や礼儀なども厳しく指導してくれる先生
今井容疑者は塾のHP(すでに閉鎖)によれば、早稲田大学の出身。私立高校の教師を経たあと、およそ35年前に練馬区に『志学塾』を設立した。
「当初は小学4・5・6年生、中学生を対象にした学習塾だった。塾長の今井さん(容疑者)も教壇に立ち、奥さん、男性講師の3人で教えていました」(容疑者の知人)
評判はすこぶるよかったようで、
「勉強はもちろん、挨拶や礼儀、躾なども厳しく指導してくれるので、親御さんに喜ばれていましたね。ほかの塾で手に負えない生徒を預かって、ちゃんと更生させていた。今井さんは生徒に“怖い先生”と言われていたようですが、塾は盛況でしたよ」(同・知人、以下同)
このところ、生徒は中学生だけになっていたというが、
「それでも生徒数は全部で100人ぐらいいた。今井夫妻は、もう年だからか教鞭をとることがなくなって、初期からいる50代の男性教師がほとんど教えていたようですね」
学習塾をスタートしたころは賃貸住宅住まいだった今井容疑者。経営がうまくいったのか、20数年前に塾から100メートルほどのところに大きめの一戸建てを購入している。
「子どもさんは一男一女がいましたが、すでに40歳ぐらいになっていて、2人とも独立しています。だから、いまは奥さんと2人きり。でも、茂幸さん(容疑者)はお孫さんの送り迎えをしていて、とてもいい“おじいちゃま”ですよ」(近所の住民)
自宅にいると思われる容疑者の妻を訪ねた。4回ほどインターホンを押してみるも、なんの反応もなかった。
事件後も、なぜか学習塾は通常営業で…
経営者であり塾長である今井容疑者の逮捕で、同塾は営業停止に追い込まれる……と思いきや、なぜか通常営業。夕方になると、生徒たちがゾロゾロと同塾に入っていく。
塾前で生徒たちを先導する50代男性に声をかけるも、
「いま忙しくて、ダメです。申し訳ありませんが。授業の準備もあるし、電話もかかってきているので……」
と取材拒否だった。
ひとりの女子生徒に話が聞けた。
「事件があったけど、怖くないか? ええ、大丈夫です。ありがとうございます」
と礼儀正しく答えてくれた。
逮捕後の通常営業は現役の生徒への影響を最小限に食い止めるための苦肉の策か。学習塾としての志は高いのかもしれないが、塾長が元生徒へのわいせつ行為で逮捕されたことはまごうことなき事実だ。
晩節を汚してしまった聖職者・今井容疑者。被害女性はもちろん、これまでの教え子たちに、どう申し開きをするというのか−−。