「俺は許さない。それだけですね」
俳優の永山絢斗(34)が16日、警視庁に大麻取締法違反の疑いで逮捕されたことを受け、兄で俳優の永山瑛太(40)が冒頭のように思いを述べた。
「毒きょうだい」をテーマとする作品も
兄、弟、姉、妹の行為に迷惑を被るということは古くからあるが、ここにきて“毒きょうだい”という言葉が浸透してきている。
「毒親という単語が登場してから10年以上がたちます。一方で親同様に縁の切れない関係としてきょうだいに悩まされてきた人は多いのに、毒親ほど話題にはなりませんでした。SNSの普及によりきょうだいへの思いを吐露する人が増え、“毒きょうだい”という言葉が認知されるように。
コラムニストの吉田潮さんは5月に『ふがいないきょうだいに困ってる』という著作を発表し、“40歳過ぎて親に寄生する”、“勝手に借金をする”など、毒きょうだいの事例をあげています」(書籍編集者)
毒きょうだいについての作品はこれまでにも多く世に出ている。
「作詞家で作家のなかにし礼さん(享年82)は、実の兄との日々を回想し“兄さん、死んでくれてありがとう”という衝撃的なキャッチの『兄弟』という本を出版し、ドラマ化もされました。杉本彩さんも妹夫婦から金の無心などをされて縁を切ったことをブログでつづっています。有名人や芸能人は大金を稼ぐことから、依存されるなどのトラブルが後を絶ちません」(芸能記者)
ドラマでも毒きょうだいをテーマとする作品は多い。
「脚本家の内館牧子さんは、毒きょうだいを描いたドラマを何本も書いています。有名なのは、今井美樹さん主演で'90年にTBSで放送された『想い出にかわるまで』。妹役の松下由樹さんがヒールを演じきって見事でした。その松下由樹さんが今度は毒姉となって妹役の永作博美さんを苦しめる『週末婚』も話題に。同作は人気でスペシャルドラマも制作されました」(同)
「あんなのいなければいいのに」
《兄には早く死んで欲しいと毎日願っています》
SNSにそう投稿していたのは、都内在住の聡子さん(仮名・42)。幼いころからだらしない兄ばかりを可愛がる母親に不満を持ちながらも、聡子さん自身も結婚し、家を出たことで、ようやく苦しみから解放されたと思ったが─。
「2歳年上の兄は働いても長続きせず、父親の遺産をすべてギャンブルで使い込みました。母の年金で暮らしているようですが、金遣いが荒く、ついに私にまで無心してくるようになりました。昨年、母が足をくじいて寝たきりになったら介護は私任せ。オムツひとつ替えません。
早く死んでほしいと思っていたら兄は痴漢で逮捕されたんです。示談にして不起訴にはなったものの、新聞に名前が出たから一生消えない。地元では犯罪者の身内呼ばわりされてます。アイツが生きていたら私の家庭まで壊される」
聡子さんは、母親が亡くなったら兄とは縁を切る覚悟だ。
《妹って何? あんなのいなければいいのに》
そう投稿したのは福井県に住む桃子さん(38)。
「私の家は経済的に姉妹1人しか東京へ出す余裕がない家でした。東京へ出たくて必死に勉強して東京の大学にも合格したのに、当時高校生の妹が美容師の専門学校に編入すると言い出して、妹だけが東京に。私は実家に残り地元の大学に進みそのまま地元で公務員。東京から妹が最近帰ってきて、実家ではなく私の家に居候し始めました。夫と子どもも迷惑がっているし、なぜ姉というだけでここまで寄生されなければいけないの?」
助け合うべききょうだいがリスクになることもあるのだ。