市川猿之助

「ある程度覚悟はしていましたが……。逮捕されるという報は新聞記者さんの問い合わせで知りました。こちらとしては、どうすることもできないというか……」

 歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(47)に対し、警視庁が母親に対する自殺ほう助容疑で逮捕状を取ったという報に、歌舞伎の勧進元である松竹関係者は言葉少なにそう伝えた。

 猿之助容疑者が自宅の地下で倒れ、救急搬送されたのは5月18日のことだった。同居する父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(当時76)、母親(当時75)が2階の居間で倒れ、母親はその場で、父親は搬送先の病院で死亡が確認された。

 取り調べに対し猿之助は「家族で話し合って、一家心中をすることを決めた」などと供述。警視庁は5月末にも自殺ほう助罪で逮捕しようとしていたが、公判維持に疑問が残る点から東京地検が固めの“再捜査”を要求していた。

「社会部の記者に聞きましたが、母親は死後硬直がかなり進んでいたため一家心中には時間差がありすぎる、という点が当初から疑問視されていたそうです。母親の顔にビニール袋をかけたという猿之助の供述から、罪を問えるという判断は当初からあったようです」(一般紙文化部記者)

映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』は撮り直し

 今年10月までの猿之助の歌舞伎出演をキャンセルし、成り行きを見守っていた松竹だが、逮捕で大きく筋書きが変わる。

「有罪になれば、歌舞伎俳優として再び舞台に立つことは難しい。ご両親が亡くなっている一家心中事件の印象から猿之助が逃れることはできない。本人を消して役になり切れなければ舞台を勤めることは難しいですし、本人も繊細ですから人前に立つことを選ばないと思いますよ。客前に出る俳優としての人生は狭まったとみることができる」(前出・一般紙文化部記者)

 歌舞伎の裏方として、後進の育成にあたるという道も考えられるが、以前、女性誌が「出家の可能性」を報じたこともあった。

 来年2月3月には、猿之助容疑者が出演するスーパー歌舞伎『鬼滅の刃』が上演されるが、キャスティングの再考は避けられない。公開延期された映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』については、

「猿之助の部分の撮り直しすることで進んでいます。出演者が大麻で逮捕されたときのように、公開するかどうか、という議論にもならなかったそうです」(スポーツ紙記者)

 逮捕によって、猿之助容疑者をめぐるシナリオは崩壊し、猿之助容疑者の俳優人生には赤信号が激しく点滅する。

 両親を失ったというショックに加え、母親の死に手を貸してしまったという罪の意識に向き合わなければならなくなった猿之助容疑者。

「本人の精神的な不安定さから、起訴後も公判まで保釈は認められにくいでしょうね。警察の保護下に置かれると思いますよ」(前出・スポーツ紙記者)

 茨の筋書きが始まる。

 
Mと父親は市川猿之助の舞台で親子共演をしていた(Mのインスタグラムより)

 

MのSNSには頻繁に市川猿之助の姿が(Mのインスタグラムより)

 

 

Mと父親は市川猿之助舞台で親子共演することも(Mのインスタグラムより)

 

市川猿之助とM氏のツーショット(M氏のインスタグラムより)

 

市川猿之助とM氏のツーショット(M氏のインスタグラムより)

 

市川猿之助の誕生日をM氏が祝う様子(M氏のインスタグラムより)

 

2011年に行われた会見。(左から)市川中車、市川團子、二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、四代目市川段四郎さん