《今、バレエ教室の先生から連絡があった。「かんなちゃんの仕事のことを知りました。正直戸惑っているし、ショックです」
あぁ…ついにきた。今日の夜、先生と話すことになった》
セクシー女優の傍ら、《バレエ教室で講師を務めている》女性の、ツイッターへのこんな投稿が波紋を呼んでいる。
バレエ教室を開くため業界入り
投稿をした女性本人がSNSを通じて発信している内容によると、自身は《大阪大学大学院卒の理系女子》で《メーカー勤務後、セクシー女優に転身》。《4歳から続けていたバレエで自分の教室を開く資金づくりのために業界を志望した》と語っている。過去には、成人向け作品への出演のほか、自身の経歴をうたった上で、男性向け週刊誌のグラビアページにも登場している。
この状況に、成人向け作品への出演が発覚して本業への影響が出ることは「職業に貴賎はないから許されない」といった主張がされる。一方で、「性的に自分たちの表現が消費されることをもっとも嫌うバレリーナが、自身が働いているバレエ教室の様子を、セクシー女優のアカウントで発信していること自体が問題だ」と指摘する声があがるなど、メディアを巻き込んで賛否両論の声が噴出している。
が、実際、当該女性が本当にバレエ教室で働いていて、そのバレエ教室を“職業を理由に”クビになったという事実は確認されていない。本誌が当該アカウントに対し、騒動に関して取材を申し込んだところ、返信はなかった。
真偽はどうであれ、今回の騒動についてかつて大手制作会社・SODクリエイトに所属していた映像監督に話を聞いた。
世間の風当たりは強く
「セクシー女優の地位というのはひと昔前に比べ、格段に良くなったと言われています。
ただ現場ではお姫様扱いでも、一歩世間へ出ると風当たりは厳しく、昼間の仕事に就くからと引退しても、半年もすればまた戻ってきてしまうような状況です。
私自身もこの業界を出て、一般の映像業界に身を置こうとしたときは、30件に1件しか書類審査も通らず、かなり厳しい転職活動を経験しました。いざ就職が叶っても、いわゆるブラック企業。この業界出身の自分はかなり苦戦を強いられたように感じます。
ただそんな経験も、正直に言えば、当たり前とも感じます。われわれは作品作りに真剣に取り組み、税金を納めてまっとうに働いているつもりではいますが、決して道徳的な作品を作っているわけでもないし、もちろん倫理団体を通してはいても、法的にはグレーなところで働いている部分は大きいように感じます。
今回現役セクシー女優の方が職場を解雇された、という件が本当であれば、非常に残念なことですし、この業界で働く人々のセカンドキャリアには不安が残ります」(元SODクリエイト監督、以下同)
悲しそうに、最後にこうしめくくった。
「世間こそが、われわれ業界の人間にもモザイクをかけているんです」─。