次のNHK朝ドラ『ブギウギ』に蒼井優が出演する。趣里扮するヒロインが憧れる、歌劇団の大スターの役だ。
蒼井は2019年に山里亮太(南海キャンディーズ)と結婚して、昨年、娘が誕生。出産後初めてのドラマが朝ドラになるわけで、なるほどそうきたかという印象だ。
というのも、彼女は映画女優というイメージが強い。また、13歳でのデビュー作『アニー』以来、舞台の仕事も多いが、ドラマへの出演は比較的抑えめだった。
華やかな男性関係
これが同年生まれの宮崎あおいの場合、NHK大河ドラマ『篤姫』で史上最年少で主役をこなすなどしてきた。朝ドラでもヒロインとメインキャストで2作品に出演。現在放送中の『らんまん』ではナレーションを担当している。
蒼井がデビューしたころ、宮崎も女優活動を本格的にスタートさせ、ともに少女雑誌のモデルとしても活躍。男性関係でも華やかな話題をふりまき、今はどちらも1児の母だ。
ではなぜ、ここで朝ドラ初出演かというと、夫への援護射撃とも考えられる。山里は4月から始まった朝の情報番組『DayDay.』(日本テレビ系)にMCとして登場。そつなくこなしているものの、数字は取れていない。
また、彼(と、オードリーの若林正恭)の半生を描いた連ドラ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)もいまひとつという結果に。だが、8時台に妻が、9~10時台に夫が出演となれば話題になるし、NHKと日テレにとってもウィンウィンなのではないか。
実はあの結婚も、そういうものだった。山里は男を上げたし、蒼井はトラウマを解消できたからだ。
夫・山里が“魔性”を否定
彼女はそれまで、大森南朋や鈴木浩介らと浮名を流し、時には「二股」「略奪」とまで報じられた。それに対し、
「事実じゃない嘘がどんどん雪だるまみたいに大きくなっていっちゃったなあって。(略)人って泣きすぎると目の下の皮がめくれるぐらい(笑)心から涙が出るんだな」
と、雑誌で反論したこともある。結婚会見でもそのあたりに質問が及んだが、山里が、
「そんな人間じゃないっていうのを一緒にいてずっと見ていたので、みなさんが思う魔性から発生する心配っていうのは一切ございません」
と、キッパリ。隣で蒼井は涙ぐみ、深くおじぎをしていたものだ。
そこから4年、彼女の朝ドラ初出演は夫への恩返しでもあるのだろう。役柄的にもハマりそうで、失敗は考えづらいが、広末涼子のこともある。彼女は朝ドラ初出演となった『らんまん』でヒロインの母を美しく演じ、階段をまたひとつ上がったと思いきや、不倫で一気に転がり落ちてしまった。
そういえば、蒼井はとんねるずに「第二の大竹しのぶ」と命名されたことがある。「食わず嫌い」企画で、顔やしぐさにすべて表れてしまい、バレバレなところが同じだったからだ。
大竹も広末も蒼井も、正直すぎる性格が役への正直さに活かされ、うまく憑依できるタイプ。これは女優としての適性といえるが、秘密を隠せないという弱点でもある。
前出の宮崎あおいも最近、元夫の高岡蒼佑が暴露的告発を始めたことで、ちょっと怪しい雲行きだ。岡田准一との再婚をめぐる「略奪」疑惑が蒸し返されるおそれもある。
それに比べたら、蒼井の結婚は順風満帆。朝ドラ出演中は、山里もノロケ話をして妻への援護射撃をしてくれるかもしれない。
問題は『DayDay.』の視聴率が低すぎるということだけど。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。