【コメダ最終形態なう】
とあるブロガー男性が7月上旬に投稿したツイートが物議を醸している。添付画像に収められたのはノートPCとモニター、デスク上に取り揃えらえた周辺機器の数々。そして隅にはドリンクとトーストサンドウィッチ。
快適な仕事環境が整えられたのは、どうやら喫茶店チェーン『コメダ珈琲店』の1人用ボックス席で、備え付けのコンセントを利用したテレワークの様子をSNS投稿したようだ。
別のユーザーから《何時間コメダにいるつもりだ。利益上がったりだ。》とのリプライに悪びれる様子もなく、むしろ【4時間ほど利用させていただきました!】と武勇伝のように語るブロガー男性。
その後も【全く周りの目が気にならない自分が怖い】【自宅だと集中できないから来てるとは言えない】などのやり取りも含めた、この一連の出来事がネット上に広がると、
《ドン引き。俺がコメダの店員ならはよ出て行けって思うな。》
《ほんと営業妨害、コメダ混んでるしね。 これで仕事、勉強やってる感出す、イキる奴の気が知れん。》
仕事とはいえ、4時間も店内の席を“占拠”したことへの批判が上がる一方で、
《や、何も注文しないでこれなら引くけど。30分に一回注文するなら許されるんじゃないかな。》
《これ多分コメダのフリーワークスペースだと思うけどね こういう事していい場所がわざわざあるのよ 2時間ごとに何か頼むのがルール》
時間ごとにオーダーすれば許される?
“30分に1回”“2時間ごとに”オーダーを取れば許される、といった“ルール”を講じるユーザーも。ブロガー男性のオーダーは、SNSで確認できる限りはドリンク1杯、そして食事1品で1000円〜2000円といったところか。
ただ店内でコンセントを設置した座席には限りもあるため、1人で4時間も独占していたことで他の客が利用できない状況にあったとも考えられるがーー。
コロナ禍でテレワークが一般的になり、また学生が勉強する姿も多く見られる、『コメダ珈琲店』をはじめとした喫茶チェーン店やコーヒーチェーン店。空調やWifi設備も整えられた、BGMや会話などの程よい雑音が響く店内に、ドリンクや食事も用意される快適空間でのテレワークや勉強ははかどるものだ。
かくいう記者も、コーヒーチェーン店を利用しての原稿執筆もままあるのだが、利用時間はドリンク1杯で30分から1時間、食事オーダーの場合は1時間半といったところで、それ以上の時間を居座ることは、特に混み合う時間帯では気まずさを感じる。
だからといって、店員やスタッフから注意を受けることはないのだが、自主退店して“ハシゴ”することもしばしば。もちろんSNS投稿したブロガー男性も、店舗から何も言われなかったからこそ4時間滞在したのだろう。
では実際、テレワークや勉強で使用する際の利用時間はいかほどなのか。そもそも飲食以外の座席利用はどこまでOKなのか。『コメダ珈琲店』を展開する株式会社コメダに2度にわたって取材を申し込むも、なぜか回答は寄せられなかった(7月12日18時時点、回答があり次第追記します)。
利用時間の制限は各店オーナーの判断か
「『コメダ珈琲』さんはフランチャイズに特化したビジネス形態で、全国店舗のほとんどがフランチャイズ店になります。そのため、席利用に関しては各オーナーさんの判断に委ねている、というのが現状だと思います」と代弁するのは、飲食チェーン店事情に精通するフードジャーナリスト。
「“混雑利用時”の注意書きが掲げている店舗もあり、その時間も120分制や180分制、土日祝日のみ制限を設けているケースあったりと様々です。おそらくはお客さんや座席数、都心店か郊外店か、また日時によっても変わってくるのでしょう」
なるほど各店舗によって実情が異なるため、おいそれと『コメダ珈琲店』の“利用時間”を統一することはできないということか。テレワークや勉強で長時間利用したい時は、あらかじめ入店時に確認した方がよさそうだ。
「なお、テレワークや勉強用に“パーソナルブース”や“スペース”を用意している店舗もあり、その場合は1ドリンクとは別途で料金徴収することも。といっても、あくまでもPC作業などがメインであって、Web会議・会話は周囲の迷惑にもなることから避けた方がいいでしょう。
そもそも会社やクライアントの情報漏洩の恐れもあるわけで、飲食の場に限らず公共の場でのWeb通話は控えるのがビジネスマナーだと思いますね」(同・フードジャーナリスト)
冒頭の男性ブロガーがテレワークで4時間過ごしたのは、時間制限が設けられていない店舗か、それこそパーソナルブースを利用したのかもしれない。快適スペースで“コメダ最終形態”が生まれたことに嬉々した、ちょい自慢だったのだろうが、SNS投稿したことで思わぬ論争を招いてしまったようだ。