(左から)山田裕貴、菅田将暉、目黒蓮

 朝ドラ『らんまん』の視聴率が好調だ。植物学者を目指す万太郎(神木隆之介)と彼を支える妻・寿恵子(浜辺美波)のふたりが天真爛漫に夢に向かう姿は一日の始まりにはぴったり。中でも3年ぶりの男性主演となる神木の光る演技に、SNSなどでは「毎朝が楽しみ!」との評判も。そこで、「次の朝ドラの主演を務めてほしい男性俳優は?」というテーマで全国20~60代女性にアンケートを実施。NEXT朝ドラ俳優ははたして……?

 多くの若手イケメン俳優に票が分散し、接戦となった今回のランキング。

 1位に輝いたのは菅田将暉だ。「演技がうまいし、好青年役も似合う」(愛知県・21歳)、「クセのある俳優だが、朝ドラでは違う顔を見せてくれそう」(福井県・45歳)など人気だけではなく、演技力を評価して推す声が多かった。

ジャニーズも朝ドラに舵を切る可能性大?

 ドラマウォッチャーで漫画家のカトリーヌあやこさんは、「菅田さんは『ごちそうさん』('13年)と『まんぷく』('18年)に出ていて朝ドラでもおなじみの役者さんですが、『鎌倉殿の13人』('22年)の義経役など、どちらかというと大河ドラマの印象のほうが強い。『激しい性格を演じるのが上手』(東京都・32歳)というコメントも見受けられましたが、それって大河の主役キャラなんですね。朝ドラの場合、男性主人公はのほほん系で奥さんが気が強くてしっかり者というパターンが多い。もちろん、そういう菅田さんが見たいという声が集まっての1位だと思いますが、私にとっては大河の主役で見たい役者さんです」と分析する。

 2位には躍進著しい山田裕貴が入った。『なつぞら』('19年)、『ちむどんどん』('22年)と2本に出演し朝ドラ色は強い。アンケートでは「美青年もお調子者もできる器用さが魅力だから」(東京都・58歳)、「性格がよさそうだし、実力も十分ある」(愛知県・56歳)などのコメントが寄せられた。

朝ドラの主人公って、みんなが味方になりたいと思えるキャラクターなので、山田さんにはぴったり。クールな役もお上手ですが、仲間と一緒に何かを成し遂げる姿も似合うから、そんな熱い役を見たいです」(カトリーヌさん)

 3位には唯一ジャニーズからSnow Manの目黒蓮がランクイン。「『silent』がよかったから」(東京都・51歳)とやはり話題作での好演に対する評価が高いが、初めての朝ドラ出演だった『舞いあがれ!』('22年)でも、「柏木学生は最高だったし、次は主演で見たい」(京都府・37歳)と朝の顔としても期待に十分応えた。

朝ドラのメイン視聴者は主婦や年配のご婦人なので、そういう層に受けるイケメンというのが不可欠で、ほんわかイケメンの目黒さんはまさにど真ん中。ジャニーズは今まで大河が多かったですが、今後は事務所のイメージアップも図って朝ドラへと舵を切る可能性大。そういう意味でも目黒さんには期待したいです」(カトリーヌさん)

『青天を衝け』『なつぞら』出演、イケメンの代表格

 4位はイケメン俳優としてはもはやベテランの域に達している佐藤健が貫禄を見せた。朝ドラでは『半分、青い。』('18年)でヒロインの幼なじみ役を好演したが、それ以上に朝ドラ適性を示した作品があるとカトリーヌさんは指摘する。

「コメントにもありましたがTBSの『天皇の料理番』('15年)です。これは日曜劇場でしたけど、実在の人物をモデルに明治、大正、昭和と時代をまたいで描いたまさに朝ドラチックな作品で、佐藤さんが本当に素晴らしかった。演技力、イケメン力とも朝の顔にふさわしいと思います」(カトリーヌさん)

佐藤健

 5位はイケメン俳優の代表格の吉沢亮。すでに『青天を衝け』('21年)で大河の主役も経験済みだが、朝ドラでも『なつぞら』の広瀬すずの幼なじみ役が印象深い。「顔がいいので毎日朝から見られたらうれしい」(茨城県・50歳)という意見は世の女性たちの総意かも。

「本当にそのとおり(笑)。ただ『青天を衝け』が近代を舞台にした物語で、朝ドラに近い設定の大河。渋沢栄一の青年期から晩年までを演じ切った吉沢さんは向いていると思います」(カトリーヌさん)

 そういう意味では6位の横浜流星も『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で'25年の大河主演が決まっている。

横浜さんは極真空手をやっていただけあって体幹が素晴らしくて、アクションがすごく様になる。朝ドラよりも大河向きの役者さんですよね。逆に同票で6位の北村匠海さんはこの企画を聞いたときに真っ先に顔が浮かびました。柔らかな雰囲気も芝居の安定感も朝ドラにすごく合っていると思います。実は彼、子役時代以外はNHKに出ていないんですけど、初のNHK作品が大河主演という横浜さんのように、いきなりの朝ドラ主演はありえます」(カトリーヌさん)

 8位は今回のメンツでは22歳と最年少の高橋文哉。「フレッシュな感じが朝ドラにぴったり」(大阪府・50歳)という意見に代表されるように、今後確実に朝ドラ出演があるであろう逸材だ。

高橋文哉

「彼は主役というよりもまずはヒロインの幼なじみでNHKポイントを稼いでもらいたい。吉沢亮さん、佐藤健さん、山田裕貴さんなど、イケメンの先輩がみんな幼なじみをやってますからね」(カトリーヌさん)

中川大志さんが入っていないのは意外

 若手俳優たちがランキングを占める中、異彩を放っているのが9位の大泉洋だ。「朝は明るいドラマが見たい」(大阪府・52歳)、「笑える演技も泣ける演技もうまいから」(東京都・49歳)と本人のキャラクターが支持された。

「確実に面白いですからね。誰からも愛されるキャラクターと毎朝ツッコミどころがありそうという期待もあっての50歳でのランクインでしょう。もし主演するなら三谷幸喜さんの脚本で」(カトリーヌさん)

 10位の赤楚衛二は『舞いあがれ!』でヒロインの幼なじみ役を経験。29歳と年齢的にも申し分なく、旬のイケメンという点でも次期主演の有力候補といっていいだろう。

 ランキングを見ると主な若手イケメン俳優は網羅されているように見えるが……。

中川大志さんが入っていないのは意外でした。朝ドラでも大河でも活躍し、NHK色の強い方なので。彼で宝塚を作った小林一三さんを描いたら面白そう。あとジャニーズなら生田斗真さんはどうでしょう。大河『いだてん』('19年)での演技が光っていたので、宮藤官九郎脚本で岡本太郎さんをやってほしい。お父さんもお母さんも浮世離れしたような人だったので、絶対面白い朝ドラになると思います」(カトリーヌさん)

中川大志

 振り返ってみれば、男性主役の朝ドラは窪田正孝主演の『エール』('20年)以来、『らんまん』が3年ぶり。玉山鉄二がW主演した『マッサン』('14年)や、主演ではないが長谷川博己がカップヌードルの生みの親の安藤百福をモデルとした人物を好演した『まんぷく』など、ここ10年ほどは物語の軸に男性をおいた朝ドラが目立つようになってきた要因は何なのだろう。

「朝ドラ=新人女優の登龍門という縛りがゆるくなってきたこと、もう一つは男性主演の場合、必ずモデルがいるんですよ。史実をベースにするから物語的に破綻しないし、演技のしっかりした俳優を主演に据えるので安心して見ることができるんです。朝ドラは若手女優のものというイメージが薄れている今、ここに新たな鉱脈があると事務所も狙うでしょうし、朝ドラでの男性俳優の重要性は今後ますます増していくと思います」(カトリーヌさん)

カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

『Weibo』に流出した菅田将暉と小松菜奈の“堂々デート”ツーショット

 

新婚旅行先のロンドンから帰国した菅田将暉(2022年9月)

 

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