「かわいい顔に産んであげられなかったのだから、修正してあげるのは親として当然の務めです」─。
週刊女性の取材に声のトーンを強めてこう答えたのは、9歳の娘に二重整形をさせている母親だ。
若年齢で美容整形を受ける例が増えている。二重埋没の整形をした10代の人数は、'15年と比べると25倍に膨らんでいるという。
「昔よりも価格的に安くなり、10代でも手を出しやすくなったという理由もあるかと思います。ただ未成年の場合、保護者の承認が必要です。それだけ保護者の意識も変わってきていることが、今問題視されているんです。子どもが望んでいない美容整形を親がさせるのはどうなのか、というふうに」(美容外科医)
二重埋没手術を娘にさせる動画をアップして
昨年には9歳の娘の整形動画を投稿した母親が炎上する出来事もあった。
「二重埋没手術を娘にさせる動画なんですが、冒頭から娘さんが泣き叫んでいて、見ていられないものでした。母親はそれに対して“整形をポジティブに捉えてほしい”とユーチューブチャンネルを開設していました。娘さん本人は“もう整形したくない”と言っていたのが印象的です」(前出・美容外科医)
子どもが望んでいない美容整形は虐待にあたるのではないだろうか。
美醜で世帯年収が148万円も違う
まだ何も聞いていない記者に冒頭のように一気にまくし立てた、9歳の娘に施した脱毛から二重埋没手術までの経過をSNSで発信しているポニョママ(仮名・38)に話を戻す。
「韓国では小学生も受験の際には整形していますよ。美醜で合否が決まるんです。ハンサム、美人と言われる人たちはそうでない人たちに比べて世帯年収が148万円も違うの、ご存じですか?」
母親の主張はわかったが、娘の同意ははたして得ているのだろうか。
「娘はまだ何もわかりませんから。彼女が自分の顔にコンプレックスを持つ前に、先回りしていじめを回避させるのが親の務めだと思うんです」
突然いじめというワードが出てきて困惑する記者に対して母親は、
「じゃあ息子のおちんちんの皮を剥くのは虐待ですか? あれだって痛いですよ、泣きわめきますよ。だけどやってあげないと不潔だし、将来息子が困ることになるでしょう。やらないほうが虐待です」
どんどん話の方向性がズレてきているが……。娘の同意を得ているのか改めて聞くと、
「だから同意はいらないんです。未成年の整形は保護者の責任なんです。話、聞いてますか?」
同意のない美容整形は“毒親”の“虐待”と同じではないのだろうか。
「なんと思われても結構ですよ。私は自分の目がひと重であることがコンプレックスで、整形させてくれなかった両親を毒親だと思っていましたから。子どもが悩むようになる前に回避してあげる、先回りするのはそんなに悪いことですか? 愛情だとわかりませんか?」
愛か毒か─。子ども本人が大人になったとき、何を思うのだろうか。