《恰好よすぎる!! 最高!!》
《最低だけど、でも好き》
6月22日から、Netflixで配信がスタートしたドラマ『離婚しようよ』に出演中の錦戸亮が絶好調!
錦戸亮のクズ男役が話題!愛すべきダメ男役
主演の松坂桃李は、女性にだらしなく無神経で能天気、世間知らずの甘えものの議員を演じており、その妻で、女優の“黒澤ゆい”役を仲里依紗が務める。
ゆいと親密な仲になる色気たっぷりの男“加納恭二”を演じるのが錦戸だ。恭二は、アーティスト活動をしながらもパチンコに入り浸る自由な日々を送っており、劇中では“パチアーティスト”と揶揄される場面も。一方で、その気ままな人生観や、憂いを纏った“エモい”表情、女性に対する不誠実ながらも余裕ある行動から、ゆいだけでなく視聴者をもメロメロにしてしている。
お金や女性にだらしないけど、なぜか好きになってしまう“ダメ男”たち。“クズ男”役を演じる俳優や、そのキャラの魅力を、ドラマライターの吉田潮さんに聞いてみた。
「作品に登場する“クズ男”には何種類かあります。上から目線のモラハラ系クズ男、借金や酒に溺れている単純クズ男、色気で女性をたぶらかすナチュラルたらしクズ男、などです。
ドラマ『離婚しようよ』の錦戸さんは、お金がないのに色気はあるというハイブリッド型。ただ、弱みを見せてくれるという点で“ギャップ”に色気を感じる女性が多いと思います。ジャニーズ事務所でのアイドル時代は、歌って踊る元気な姿が特徴的だったので、“陰”のある役を演じたときの反響が大きいのだと思います」
映画『愛がなんだ』で、女性に気があるふりをしながらも、不誠実な行動をとる“女たらし役”を務める成田凌はどうか。
「この作品で成田さんが演じた“守”は、結果的に一番のクズ男かもしれません。人あたりがよくて、女性にも柔らかい態度を取るから勘違いさせるけど、結果的に一番大切なのは自分、みたいな。
成田さんは愛嬌たっぷりだから、こういう悪気がないクズ役がハマりますね。そして成田さんは、人気俳優なのにも関わらず“その辺にいそう感”を出すのが上手い。バーとかカフェでバイトしていて、週に一回しかシフト入っていないけど、しっかり女の子のことは落としてるみたいな(笑)」
“悪気がない”クズ男が得意分野の成田に対して、黒木華主演のドラマ『凪のお暇』(TBS系)で、高橋一生演じた“我聞慎二”は、“ケチ臭い女は嫌い”と発言するなど、正真正銘のモラハラクズ男だった。
「高橋さんが演じた役は、相手に負担をかけることを当たり前と感じるタイプでした。例えば、黒木さん演じるくるくる天然パーマの主人公・凪が、アイロンで髪の毛を一生懸命のばしている姿を好きと言うなど、無理をさせていることを可愛いと思うんです。
ただ一方で、高橋さんは、登場人物の、素直になれない部分を可愛く演じていました。主人公に振られた後は“会えないかな”と追いかけて同じアパートに引っ越したり……。普通に見たら怖い行動ですが、高橋さんが演じることで、チャーミングになって、素直になれない男の子の“純愛”と感じさせてくれる作品になるほどでした」
高橋がモラハラ男を演じたドラマ『凪のお暇』(TBS系)では、なんともう一人のクズ男も登場する。全てが嫌になった凪が引っ越した家の、お隣に住んでいたのが中村倫也演じる“ゴン”。関わる全ての女性を落とし、依存させる“メンヘラ製造機男”だった。
「“ゴン”が纏う柔らかい雰囲気は、ナチュラルなドラッグみたい。柔らかくて落ち着いた雰囲気で女性を包み込んでいるので、知らないうちに依存して、一度味わったら離れられない。優しいし、心地がいいから、女性が沼って離れられないので、高橋さんの“モラハラ”よりもたちが悪いかもしれません」
多くの“クズ男”には、なぜか憎めない“愛すべき”ところもあるものの、一方で、ジャニーズWEST・重岡大毅が主演を務めるドラマ『雪女と蟹を食う』(テレビ東京系)に出てくる男“北”は、誰がどう見てもわかる“完璧なクズ男”だった。
「このドラマは、重岡さん演じる“北”が、仕事も彼女も社会的名誉も失い、自暴自棄になってしまうところから始まります。“死ぬ前に蟹を食べたい”と思った北は、お金がありそうな家に強盗に入るんですが、その家の女性が北の話に共感してくれて、一緒に“心中蟹旅行”に出かけます。
ここまででも“トンデモ”な展開ですが、旅行費用は全て女性がもっている上に、旅行中には浮気もする始末。冒頭の強盗もあいまって、正真正銘なクズ男ですが、重岡さんが演じることで、なぜか許せてしまうキャラに。重岡さんは、明るい印象があるので、こういう暗い部分がある役の魅力が際立ちますね。これからもたくさん挑戦してほしいです」
ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ系)から名乗りを上げるのは、岡田将生。岡田が演じるのは、エリート弁護士で、松たか子演じる主人公・とわ子の元夫“しんしん”。女性にはダメージの少ない“自意識過剰系クズ男”だ。
「これまで話した作品の中では一番“クズ感”がないと思います。ですが、自分なりのこだわりや“これが嫌”というクセが強くて考えすぎ。“こういう人って嫌だよね”という思想が強くて、自分のことも縛ってしまい、色々煮詰まって爆発してしまうんです。女たらし系ではないので、そこまで女性に被害を与えないというのが、これまでのクズ男役とは違うところですね」
いろいろな形態で、あらゆる場所に神出鬼没なクズ男たち。どうして女性たちは、“クズ男役”に沼ってしまうのか。
「傾向として、昔は“俺についてこい!”みたいなキラキラした“完璧”な男性の役が多かったし、視聴者もそういうキャラクターを求めていました。でも今は、景気なども右肩下がりで、少しネガティブな雰囲気の役が増えています。視聴者側である私たちも、“何かが足りない人”の方が、見ていて安心するのではないでしょうか。完璧な人って見ていてちょっと疲れちゃう。“クズ”な部分が少しある方が、気楽なんですよね」
“クズ男役”が人気を集めるのは、“完璧”を自分にも求めなくていい、という安心感があるから。とはいえ、“クズ男”が魅力的なのはあくまでもファンタジーの世界。
「誰も、現実では“クズ男”とは関わりたくないですよね。色々なタイプのダメ男が出てくるドラマを見ることによって、女性は“クズ男センサー”が磨かれ、現実の男性を見極められるようになるから、どんどん見てほしいと思います!」
期待の次世代ダメ男役俳優
『池袋ウエストゲートパーク』などで、ダメ男を演じてきた窪塚洋介。今年19歳になる息子の愛流はクズ男役未経験だが、期待大!