「どう考えても4日で2試合というのはおかしいと思う。(4日間に)予備日も入っている。雨降るっていうのはゼロじゃないじゃないですか。(順延の場合に選手が)シーズンにそのまま入るのはおかしいと思うんですよね。考えなきゃいけないことは考えなきゃいけない」
7月19日に第1戦(バンテリンドーム・ナゴヤ)・20日に第2戦(マツダスタジアム)が行われる『マイナビオールスターゲーム2023』にて、「オール・パ」チームの指揮を取る『オリックス・バファローズ』の中嶋聡監督。試合を前日に控えた取材対応で、選手起用について問われると「けがをしないこと」と切り出して、冒頭の持論を展開した。
試合日と移動日、そして雨天順延時の予備日も含めて4日間しか確保されていない、オールスターゲームの過密スケジュールに苦言を呈した格好だ。
というのも、仮に20日の第2戦が中止になった場合は翌21日に持ち越されるのだが、22日からリーグ戦が再開されるため、出場選手が休養を取ることなく負担だけが大きくなることを危惧したよう。
「俺が何を言われてもいい」と、選手を守るためにあえて“上”に物申して“男気”を見せたという中嶋監督に、
《本当にその通り、、こういうとこ、好きだわ》《さすが中嶋監督! 選手ファースト》《こういう選手の立場に 立って…おかしい事を おかしいと言えるのは オリックスが強くなった要因》
オリックスを2021年、2022年シーズンの2連覇に導いた手腕と人徳に、ネットユーザーやプロ野球ファンから称賛の声が上がっている。
WBC戦士の選出に慎重だった監督
主にファン投票と監督推薦にとって出場選手が決まるオールスターゲーム。「今回のチーム編成にも中嶋監督の意向が反映されていますね」とは、在阪球団の取材にあたるスポーツライター。
「ロッテの佐々木朗希らファン投票選出以外では、WBCで疲弊した『侍ジャパン』メンバーの招集は見送る姿勢を見せていた中嶋監督。最後の“プラスワン投票”でオリックスの山本由伸が選ばれましたが、本当は出場させたくなかったのが本音のところ。
同じくWBC戦士で佐々木と仲良しだった、エース左腕・宮城大弥も選出から外れています。疲労を考慮されてのことでしょう」
2005年以降から『セ・パ交流戦』もスタートし、またWBCをはじめとした世界大会で日本代表チームの活躍が見られる昨今、オールスターゲームの価値すら問われる、メジャーリーグに倣って1試合だけの開催を要望する声も聞こえる。
それだけにリーグ戦を戦う各チームの監督が「選手がけがをしないこと」を願うのは当然のこと。それを代弁してみせた中嶋監督だが、2022年のオールスターゲームでの選手起用に疑問も投げかけられている。チームを率いたのは同監督だ。
《中嶋聡監督さん問題提起するのは全然いいんだけどさ、だったらオールスターでリリーフ連投はさせないでね》
《これは同意だけど、じゃあなんで他球団のリリーバーは連投させたのよって。まあ、去年それやったから感じたのかもしれないけど。》
ライバル球団のリリーフ投手だけ酷使
2022年7月26日、27日に開催されたオールスターゲーム。パ・リーグから選ばれた15人の投手を継投起用して、2戦とも僅差で勝利を収めた同監督。
その継投リレーで『埼玉西武ライオンズ』の本田圭佑投手、『千葉ロッテマリーンズ』の益田直也投手と小野郁投手、『福岡ソフトバンクホークス』のリバン・モイネロ投手、そして『東北楽天ゴールデンイーグルス』の松井裕樹投手が2戦連続で出場することに。
「15人の投手の負担を減らすべく1イニングずつ投げさせたのですが、2戦目の最終回にはモイネロ、松井、益田がワンナウトずつ投げる継投策。片や自軍の山本と山岡泰輔は1試合で1回だけの登板と、他球団ファンにしてにればライバル球団のリリーフ陣だけを酷使したように映ってしまった。
そんな昨年の“贔屓”起用があっただけに、試合日程への苦言も“オリックスの選手だけを守るために、オリックスを優勝させるために言っている”のではないか、他球団ファンは恨み節の一つも言いたくなったのでしょう(苦笑)」(前出・スポーツライター)
そんな批判も耳に届いているのかもしれない。今年のオール・パの投手15人のうち、山本選手のプラスワン投票はイレギュラーだったのかもしれないが、オリックス投手から最多の4人が選出されている。
中嶋監督の「選手ファースト」の起用に期待したい!