猛暑で体力が落ちる季節。食事でスタミナをつけたいけど、暑くて食欲がない……。そんなときの強い味方が“ねばねば食品”!
ねばねばパワーで腸を整え暑さを制す!
「ねばねばした食べものには、善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果があります。
また、胃を保護する働きがあるため、胃と腸を整えることで、夏バテ防止につながります。のどごしがいいので、食欲が落ちていてもスルスルッと食べられるのが嬉しいポイント」
そう話すのは、管理栄養士の森下久美子さん。特に夏にオススメのねばねば食品は?
「まず、夏に旬を迎えるオクラ。ねばねばのもとはペクチンなどの水溶性食物繊維で、コレステロール値や血糖値が気になる人におすすめ。
“野菜の王様”と呼ばれるモロヘイヤも夏バテ対策に欠かせません。独特なぬめりはマンナンなどの水溶性食物繊維によるもので、こちらも血糖値の上昇抑制や高血圧予防に効果的です」(森下さん)
そして、冷たいとろろそばに欠かせない長いもにもパワーがいっぱい。
「アミラーゼやジアスターゼなどの消化酵素を含み、マンナンが胃の粘膜を保護してくれます。芋の中では珍しく、生食できるのが特徴ですね。
とろろにして食べる場合は、のどごしがよいため咀嚼回数が減りがちなので、しっかり噛んで食べることが夏の体力維持には大切です」(森下さん)
そして森下さんがイチオシしているのがもずく。
「美容と健康維持を助けてくれる、海のスーパーフードです。主なねばねば成分はフコイダンやアルギン酸。フコイダンは免疫細胞を活性化させる働きが期待されます。他にも、カルシウム、ヨウ素(ヨード)、食物繊維などが豊富。
もずく酢はサラダやあえものなどに調味料代わりとして使えば、栄養をプラスしつつ減塩にもつながるので、夏だけではなく1年中活用してほしいです」(森下さん)
今回は、料理研究家の重信初江さんに、もずく酢をドレッシングにしたヘルシーなサラダをはじめ、おいしく食べて健康になれるレシピを紹介してもらった。
「サクサク、カリカリとした食感の違う食材を合わせるとアクセントになっておいしくいただけます」(重信さん)
カリカリ梅やしば漬け、焼き油揚げを合わせたり、かき揚げにしてクリスピーな食感を際立たせたレシピをご提案。また、ねばねば食材をダブル、トリプルで使ったレシピもたくさん!
猛暑の夏もこれで乗り切れそう!
納豆ビビンバ
ねばねば&発酵食品をど〜んと豪快にのっけて!
材料/2人分
・納豆……2パック(100g)
・豆もやし……1袋(200g)
A〔ごま油……小さじ1、おろしにんにく……小さじ1/3、塩……小さじ1/4〕
・オクラ(小口切り)……1パック(8本)
・キムチ……100g
・のり(ちぎる)……全形1枚
・ご飯……茶わん2杯分
【作り方】
(1)豆もやしは耐熱器に入れてラップをふんわりとかけ、600Wの電子レンジで2分半ほどレンジ加熱し、熱いうちにAを入れて混ぜておく。
(2)納豆は添付のタレを混ぜる(なければしょうゆ小さじ1/2、砂糖少々)。
(3)ご飯の上に(1)、(2)とオクラ、キムチ、のりを彩りよくのせる。よく混ぜていただく。
ねばねば【おかず】
がっつり主食からさっぱり煮物まで、ねばねば食材でヘルシーに
モロヘイヤと長いものかき揚げカレー塩添え
パリパリ食感が噛むほどにとろりと変わる
材料/2人分
・むきエビ……120g
・モロヘイヤ……1/2束(約50g)
・長いも……150g
・天ぷら粉……大さじ2
A〔水・天ぷら粉……各1/3カップ〕
・揚げ油……適量
・カレー塩(カレー粉小さじ1/3、塩小さじ1/2)
【作り方】
(1)むきエビは背ワタを除く。長いもは皮をむき1.5cm角くらいに切る。モロヘイヤは葉を摘んで大きいものはちぎる。
(2)ボウルに(1)を入れて全体に天ぷら粉をまぶしてから別のボウルで混ぜたAを入れさっくり混ぜる。
(3)中温の油に(2)を6〜8等分くらいに丸く平たく流し入れ、そのまま触らずに1分ほど置いて上下を返し1分、あとは時々上下を返しながら1〜2分カラリと揚げる。
(4)油をきり、カレー塩を添える。
《POINT》具材に先に粉をしっかりまぶしてから衣を混ぜると、揚げたときにばらけない
豚しゃぶしゃぶサラダのもずくドレッシング
ドレッシングの酸味で食が進む!
材料/2人分
・豚しゃぶしゃぶ肉……120g
・サニーレタス……2〜3枚(50〜60g)
・オクラ……4本
・長いも……120g
・コーン(缶)……大さじ2
・もずく(パック味付き)……1パック(60g)
A〔ポン酢……大さじ1/2、マヨネーズ……大さじ1〕
【作り方】
(1)湯を沸かしてオクラをさっと湯通しして冷水にとり、7〜8mm幅に切る。
(2)同じ湯で1枚ずつごく弱い火で豚肉をゆで、ザルにあげ大きければ半分にちぎる。
(3)サニーレタスをちぎり、スライサーでせん切りにした長いもとコーン、(1)、(2)と共に盛りつける。
(4)もずくにAを混ぜたドレッシングをかける。
鶏もも肉とオクラのガンボ風
足が早いオクラを大量消費するならこちら!
材料/2人分
・鶏もも肉……1枚
・塩・こしょう……各少々
・オクラ……1と1/2パック(12本)
・玉ねぎ……1/2個
・トマト……大1個(200g)
・にんにく……大1個
・ミックスビーンズ……1袋(50g)
・オリーブ油……大さじ1
A〔チリペッパー……小さじ1(なければ一味唐辛子小さじ1/3)、塩……小さじ1/3〕
【作り方】
(1)鶏肉はひと口大に切って塩・こしょうをもみ込む。玉ねぎは1.5cmの角切り、トマトはざく切りにする。オクラは2cm幅に切る。にんにくは半分に切って潰す。
(2)フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて軽く炒め、鶏肉を並べて上下を返しながら3〜4分焼く。
(3)玉ねぎを入れて2〜3分炒め、残りの材料を入れて炒め合わせてAを加えてふたをし、底が焦げやすいのでたまに混ぜながら10〜12分煮る。
たたき長いもとなめこの明太とろみ煮
食材から出る自然なとろみを生かして
材料/2人分
・絹豆腐……大1/2丁(200g)
・長いも……150g
・なめこ……1袋
・明太子……30g
A〔水……1カップ、鶏ガラスープの素……小さじ1、塩……小さじ1/4〕
【作り方】
(1)豆腐はペーパーに包んでバットなどを上から乗せて15分ほど水きりしてひと口大に切る。
(2)長いもは皮をむいて4等分の棒状にし、ポリ袋に入れ肉たたきなどでたたく。
(3)Aを煮立てて(1)、(2)となめこを入れて2分ほど弱火で煮る。
(4)明太子を5mm幅に切って加え、色が変わってきたら火を止める。器に盛り、あれば細ねぎの小口切り(材料外)をふる。
《POINT》袋に入れてたたくことで断面に味がからみやすく、手も汚れない。麺棒でもOK
のりと長いもの豚ロース巻き
粒マスタードの風味でさっぱりいただく
材料/2人分
・長いも……300g
・豚ロース薄切り……8枚
・のり……全形1枚
・小麦粉……適量
・サラダ油……大さじ1
A〔粒マスタード……小さじ1、しょうゆ・みりん……各大さじ1と1/2〕
【作り方】
(1)長いもは皮をむき7〜8cm長さ、8等分の棒状に切る。
(2)豚肉を1枚ずつ広げて手前に8等分に切ったのりと(1)を置き、クルクル巻いて小麦粉を薄くまぶす。
(3)サラダ油を熱して(2)を巻き終わりを下にして並べ、むきを変えながら全体に焼き色がつくまで中火で3〜4分焼く。
(4)混ぜたAをかけ、汁けがなくなり、つやが出るまで弱火にして1分ほどからめる。あればベビーリーフを適量(材料外)添える。
《POINT》間に挟んだのりのうまみがアクセント。長いもは外はほっくり、中はサクサクに!
ねばねば【ご飯・麺】
これ一品でタンパク質もしっかりとれるねばねばメニュー
納豆オクラとカリカリ梅のチャーハン
梅の香りが食欲そそる、やみつきの味
材料/2人分
・納豆……2パック(100g)
・納豆のタレ……1パック分
・オクラ……1パック(8本)
・カリカリ梅……2個
・ご飯(温かいもの)……多め茶わん2杯分(350g)
・サラダ油……大さじ1
【作り方】
(1)オクラは5mm幅に切る。カリカリ梅は粗く刻む。
(2)フライパンにサラダ油を熱して納豆を入れ、糸を引かなくなり焼き色がつくまで弱めの中火で3分ほど炒める。
(3)ご飯と(1)を加え、切るように炒め合わせる。納豆のタレ1パック分を入れて炒め合わせる。
《POINT》納豆はこんがりと焼き色がつき、パラパラになるまで炒めると香ばしくなる。仕上げにかつお節をかけても
マグロのねばねばスタミナそうめん
5色の彩りが美しい混ぜそうめん
材料/2人分
・マグロ(ぶつ)……120g
・もずく(パック味付き)……2パック(60g×2)
・モロヘイヤ……1/2束
・長いも……120g
・卵黄……1個
・そうめん……3束(150g)
A〔食べるラー油・しょうゆ……各大さじ1〕
【作り方】
(1)マグロはAをからめ、10分ほど冷蔵庫で冷やしておく。
(2)そうめん用の湯を沸かし、モロヘイヤをサッとくぐらせてから冷水にとり、粗く刻む。同じ湯でそうめんを表示どおりにゆでて冷水でもみ洗いして器に盛る。
(3)そうめんの上に(1)を汁ごとと、モロヘイヤ、もずく、1cm角に切った長いもを盛り合わせて卵黄をのせ、よく混ぜていただく。
《POINT》調味料はマグロのづけだれともずくのつゆのみ。めんつゆで食べるそうめんに飽きたときにもオススメ
オクラとツナのなめたけおろしパスタ
さっぱり和風の味わいにバターが深みを加えて
材料/2人分
・なめたけ(市販)……大さじ3
・オクラ……1パック(8本)
・ツナ缶(オイル漬け)……大1缶(140g)
・大根……200g
・スパゲティ……160g
・バター……20g
【作り方】
(1)スパゲティ用の湯を沸かし、オクラをくぐらせる程度にゆでて5mm幅に切る。スパゲティは表示どおりにゆでる。大根はすりおろしてザルで水けをきり、なめたけを入れて軽くあえる。
(2)スパゲティがゆで上がったらゆで汁大さじ1とともに器に盛り、上に(1)のなめたけおろしとオクラ、油をきったツナをのせ、バターを半量ずつ入れ、よく混ぜていただく。
《POINT》オクラはさわやかな風味と食感を残すため、サッとゆがく程度でOK。麺をゆでる湯を使い回して湯通しする
焼き油揚げとしば漬けのねばねばそば
食感の違う具を盛って栄養たっぷりに
材料/2人分
・油揚げ……1枚
・納豆……2パック
・細ねぎ(小口切り)……1〜2本分
・長いも……120g
・しば漬け……20g
・そば……2人分
A〔冷水……1カップ、めんつゆ(3倍濃縮タイプ)……大さじ4〕
【作り方】
(1)油揚げはペーパーで挟んで余分な油を拭きトースターで焼き色がつくまで4〜5分焼き、ひと口大にちぎる。
(2)しば漬けは粗く刻む。納豆は添付のタレを入れてあえる。長いもは4つ割りにしてポリ袋に入れ、肉たたきなどでひと口大にたたく。
(3)そばは表示どおりにゆでて冷水でぬめりをとって水けをきる。
(4)上に(1)、(2)を盛り、混ぜたAを注ぐ。
《POINT》ねばねば食材に、カリカリしたしば漬け、サクサクの焼き油揚げがアクセント
さばの冷汁飯
さば缶は冷やしておくと本格的
材料/2人分
・さば水煮缶……1缶(200g)
A〔めんつゆ(3倍濃縮タイプ)……大さじ2、水……1/2カップ〕
・長いも……150g
・みょうが(小口切り)……1個
・きゅうり(小口切り)……1/2本
・オクラ(小口切り)……4本
・ご飯……茶わん2杯分
【作り方】
(1)長いもはすりおろしてAを少しずつ入れて混ぜる。
(2)(1)にさば缶を汁ごと入れて大きめに崩して混ぜる。みょうがときゅうり、オクラを入れて混ぜる。
(3)ご飯を器に盛り、(2)を適量ずつかけていただく。
(レシピ作成・調理/重信初江 撮影/廣瀬靖士 スタイリング/鈴木亜希子)