7月20日発売の『週刊文春』7月27日号で、【バレーW杯からジャニーズが追放された!】との見出しが踊った。
何でも9月に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催される、フジテレビ系列で独占中継される『FIVBバレーボールワールドカップ(以下、W杯バレー)』にジャニーズグループが出演しない、いや、参加国から「NO」を突きつけられて“排除”されたというもの。
4年に1度開催されるW杯バレーでは、1995年大会のイメージキャラクターを『V6』が務めて以降、99年の『嵐』、2003年の『NEWS』、07年の『Hey! Say! JUMP』、11年と15年の『Sexy Zone』、そして19年の『ジャニーズWEST』とスペシャルサポーターと名前を変えて役割を担ってきた。
そして2024年のパリ五輪出場権がかかった大事な23年大会をサポート、デビューする予定だったのが、ジャニーズ事務所・藤島ジュリー景子社長のお気に入りグループともされる6人組『Aぇ!group』。すでに大会演出を手掛けるフジテレビとも話が進んでいたというが……。
「この“内定”を覆したのが、前社長のジャニー喜多川氏によるJr.への性加害問題だというのです。何でもヨーロッパの大会参加国から、“ジャニーズアイドルが関わるのであれば出場を取りやめる”との抗議があったと伝えています。
問題が大きく取り上げられるきっかけとなったのがイギリス公共放送の『BBC』だけに、欧州各国でも関心が持たれたのでしょう。海外においては性暴力、特に未成年へのソレは日本よりも大問題とみなす傾向があります」(スポーツ紙芸能デスク)
追っかけファンが姿を消した会場
およそ30年間にわたって“タッグ”を組んできた両者。ジャニーズにとっては各国で中継される世界大会で華々しいデビューを飾れる場として、また共催の日本バレーボール協会にとっても大会注目度が高められる、そして観戦チケットを売ることがきでる“win-win”の関係でもあった。
つまり“ジャニーズ排除”で懸念されるのは、アイドル目的でチケットを購入していた追っかけファンが会場からまるっといなくなること。つまり観客数が激減する心配だ。世界大会の主催側として避けたいのがガラガラの客席ーー。
「結論から言いますと、観客数が減ることはないと思います」とは、バレーボール現場の取材にあたるテレビ局スポーツ部のディレクター。
「FIVBの世界ランキングで6位(2023年7月時点)と実力をつけ、さらにイケメン揃いの男子バレー人気は本物でブームになりつつあります。9月のW杯観戦チケットは自由席も含めてすでに完売状態で、やや押され気味の女子バレーはまだ残席もあるようですが、大会が近づけば時間の問題でしょう。
純粋にバレーボールを生で見たい、日本代表チームを応援したいファンが大勢いる状況で、もはやジャニーズファンが座る席は残っていないかと」
なるほど、仮にひっくり返って『Aぇ!group』がスペシャルサポーターに就任したとしても、その時には追っかけファンが入れる余地は残されていないほどに、現在のバレー界は盛り上がっているようだ。
対立していたジャニーズ・バレーのファンたち
そして、そもそもジャニーズファンはバレーファンには受け入れられていなかった現状もある。確かにチケット販売には貢献したようだが、
「オープニングイベントが終了すると即座に席を立ち、肝心の試合時には空席が目立つことも。ならばと試合終了までタレントさんを座らせると、今度はひと目見ようとばかりに席から移動したり、プレーと関係のない場面で黄色い歓声が飛んだりと、一部のジャニーズファンによるマナー違反も目についた。
さらにはキラキラした装飾うちわを振ったりとプレーの妨げになりかねない行為も見受けられました。まるでコンサート会場と勘違いするような観戦マナーに、バレーファンからは総スカンを喰らっていたのです」
バレーボールファンにしてみればチケット争奪戦に巻き込まれることも、会場内で不快な思いをすることもなくなるわけで、ジャニーズ排除はむしろ大歓迎の様相だ。とはいえーー、
「競技人気の低迷期にチケット販売に貢献してくれたジャニーズやフジテレビさん。バレー協会関係者は足を向けて寝られないことは事実で、アイドルをきっかけにバレーボールに触れて本当にファンになった人も多いことでしょう。
それでも世界基準から見ると、ジャニーさんによる少年たちへの“性加害”は想像以上に重いということ。ジュリー社長にしてみれば“負の遺産”でしょうが、早々に問題解決に向けて動かないと世界進出は夢のまた夢なのかも」(前出・ディレクター)
まずはスポーツ同様、健全な体制づくりが求められそうだ。