「ジョーカー」風の格好で“京王線刺傷”犯行に及んだ服部恭太はタバコを燻らせた(ツイッターより)

 7月21日、東京・調布市を走行中の京王線の車内で乗客を刺し、さらには車内に火まで放ったとして殺人未遂などの罪に問われた服部恭太被告(25)の公判が行われ、検察は被告に懲役25年の求刑をした。

 事件が起きたのは、2021年のハロウィンの夜。服部被告は“ジョーカー”の衣装を身にまとい凶行に走った。SNSでは、乗客がパニックに陥って逃げ惑う様子や、誰もいなくなった車内で服部被告が悠然とタバコを吸う動画が瞬く間に拡散され、日本中を震撼させた。

 週刊女PRIMEは逮捕当時、“ジョーカー男”の素顔を追いかけていた。当時の取材ノートをもとに振り返る。

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「『ルミネエスト新宿』内にあるいくつかのショップで、服部容疑者が事件直前に買い物をしていたんです」

 そう話すのは、アパレル関係者。声を潜めてこう続けた。

「……そこで購入した服を着て、あの凶行に走ったんです」

 10月31日、ハロウィンの夜に起きた無差別テロ。走行中の京王線の車内で乗客が刺されるなど十数名が重軽傷を負う大惨事が発生した。殺人未遂の現行犯で逮捕されたのは、住所・職業不明の服部恭太容疑者(25、犯行時24)。

「警視庁調布署捜査本部は22日、複数の乗客に火をつけて殺害しようとしたとして、殺人未遂と現住建造物等放火容疑で服部容疑者を再逮捕しています」(全国紙社会部記者)

 犯行時、服部容疑者はまるでアメリカの人気映画『バットマン』シリーズに登場する悪役『ジョーカー』のような派手なスーツとネクタイ姿だった。

「警察が駆けつけてくるまで、車内の座席で足組みをしたまま、煙草をくゆらせるという容疑者のふてぶてしい姿が報道されました」(同・社会部記者)

犯行時に着ていた“モテる服”

 容疑者は“勝負服”を購入するために、『ルミネエスト新宿』内のとあるショップに立ち寄った。そこは海外ブランドも取り扱っている20〜30代向けのメンズブランドなのだが、そのコンセプトはというと、

《モテる男のワードローブ》

 事件時も、やはり異性の目は気にしていたようだ。

送検される服部恭太容疑者(左)=2日午前11時57分、警視庁調布署(共同通信)

 前出のアパレル関係者がさらに続ける。

「容疑者は20万円をキャッシングしてきて、ルミネ内にあるいくつかのショップでそのお金をすべて使いきったようです」

店員の申し出を断れない小心者の素顔

 前出のブランドでは、約7万円のコートを購入したという。容疑者は物静かな青年だったという報道があったが、

「接客した店員によると、容疑者は大人しくていい人だったようです。実はその日、ポイント倍増キャンペーンの期間中でした。なので、高額のお買い物をされたお客様にはアプリ会員の登録を勧めていて、容疑者にも紹介したそうです。すると、素直に住所や名前を入力して登録してくれたとか。男性客は面倒がってアプリ登録はしてくれない方も多いらしいんですが、店員の申し出を断りきれなかったんですかね。そもそも、貯まったポイントを使うつもりだったのか……」(同・アパレル関係者)

 福岡市出身の服部容疑者は、今年の夏に地元を出て神戸、名古屋、八王子のホテルを転々としていた。

「仕事も友人関係もうまくいかない。でも自分では死ねないので大量殺人で死刑になろうとした」

 と供述している服部容疑者。小心者が最悪のジョーカーになってしまった……。

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 服部被告のSNSプロフィール写真には、当時の交際相手と思われる女性とのツーショット写真が使用されていた。写真の中で幸せそうな笑顔を見せる彼がその後、自暴自棄となって卑劣極まりない“ジョーカー男”に変貌を遂げる。

 服部被告は「死刑になりたかった」などと身勝手な犯行動機を述べており、裁判では「一生社会に出てきてほしくない」「刑務所に入ったまま苦しんでほしい」と被害者の心情も述べられたという。

 判決は31日に言い渡される。


服部恭太容疑者のSNSプロフィールより

 

服部恭太容疑者が事件直前に現れたルミネエスト新宿

 

服部恭太容疑者が現行犯逮捕された国領駅のホーム

 

服部恭太容疑者が現行犯逮捕された国領駅