現在の角のCMは井川遥(サントリーHPより)

「店の方針として、これまでお酒でも食材でも多少仕入れ値が上がっても、うちの店のメニューは値上げしてこなかったんですけど、さすがに今回は無理でしたね……」

 そう話すのは都内で焼き鳥店を経営する男性。値上げせざるをえなかったのは、ハイボールだ。ハイボールで特に選ばれているのが、サントリーのウイスキー『角瓶』だ。“ウイスキーが、お好きでしょ”のフレーズと小雪・菅野美穂・井川遥(同フレーズが角ハイボールのCMに使われだした'07年以降の歴代出演者)によるCMをご存じの方も多いだろう。そんな人気銘柄『角瓶』が7月1日より大幅な“値上げ”を敢行した。

サントリーも《極めて厳しい状況》

「1日出荷分より、サントリーは国産ウイスキーの一部商品を値上げ。飲食関係者、自宅で楽しむ層も含めたユーザーが特に嘆いているのが角瓶です。コンビニなどでも手軽に買える700ミリリットル瓶は、1590円から1910円と320円の値上げとなりました」(飲食専門紙記者)

 サントリーはプレスリリースにて、値上げの理由を以下のように説明している。

《近年の原材料、資材、輸送費等のコストアップ影響を企業努力だけで吸収することは極めて厳しい状況となっています》(サントリーHPより)

 サントリーも値上げに踏み切るのは苦渋の選択だったかもしれない。しかし、角ハイボールは“安い”というイメージが強く、事実安い店では300円台、500円程度だと“高い”と思われるような価格帯のメニューだ。提供する飲食店にとって値上げは非常にシビアに響いた。その影響は……。

値上げや“乗り換え”で対応

「今回の値上げで角を使ったハイボールは450円にさせてもらいました。うちの店ではドリンクは初めての値上げになりました」(前出・焼き鳥店経営の男性)

 また、別の居酒屋の店主も、

値上げと出荷調整によって入荷がしづらくなると聞き、ハイボールのウイスキーは、より安い『ジムビーム』に変えました。ほかの店でもハイボールは角をやめて、こちらも安い、キリンの『陸』にしたという話を聞きますね」

現在の角のCMは井川遥(サントリーHPより)

 ハイボールに角瓶を使い続けている店は……。

「卸売りも値上げしているので、割り引きしてくれているドン・キホーテとかディスカウントショップで買ってますね。これまでどおり酒屋さんから買うと高いので……」(前出・焼き鳥店経営の男性)

 実は角瓶は海外でも人気だ。

「中国や韓国では日本産ウイスキーが非常に人気です。しかも『山崎』のような高級ウイスキーではなく、角瓶などの安めの商品です。日本に来た外国人観光客が角瓶を買い占めて帰っていったという話はよく聞きます。ウイスキーは熟成期間が長い商品であればあるほど、“クセ”やスモーキーさが出ます。中国や韓国の人は、それがあまり得意ではなく、よくも悪くも安価でクセのない角を好むようです。大げさに言えば、マグロや鰻といった、主に日本人のみが消費していた“日本の味”に、外国人が気づいたという構図といえます。そういった意味でも、今後さらに値上がる、手に入れづらくなる……といった状況になるかもしれません」(前出・飲食専門紙記者)

 ウイスキーが、お好きなんだけど高い……という時代?

2017年には、自分の子どもが参加するわけではないのに、有名私立幼稚園の入園式の手伝いに来ていた

 

2017年には、自分の子どもが参加するわけではないのに、有名私立幼稚園の入園式の手伝いに来ていた

 

2017年には、自分の子どもが参加するわけではないのに、有名私立幼稚園の入園式の手伝いに来ていた

 

井川遥

 

井川に気づいた客の視線を浴びていたが、本人は気にせず娘との時間を楽しんだ

 

サントリー社のウイスキーだけがなくなっている陳列棚。(2023年4月12日撮影)

 

ウイスキー博物館では、ドラマ『マッサン』で俳優たちが着用した衣装も展示

 

ネットショッピングサイトに掲載されていた超高額ウイスキー(楽天市場サイトより)

 

ネットショッピングサイトに掲載されていた超高額ウイスキー(楽天市場サイトより)