7月22日から23日にかけて、『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)が放送された。
「千鳥、かまいたち、ダイアンの3組が総合司会を務め、フジテレビの人気番組とのコラボレーションや、ダウンタウンの松本人志さんや明石家さんまさんが登場する特別企画が行われました」(テレビ誌ライター)
今をときめく人気者から大御所まで、“吉本芸人”が一丸となって番組を盛り上げた。
しかし、秋から始まる新番組には、その姿がないようで……。
“おじさん臭”のするフジテレビバラエティー
「オードリーとハライチがMCの『オドオド×ハラハラ(以下、オドハラ)』という新しいトークバラエティー番組が10月から毎週木曜の夜8時に放送されます。今年6月に特番で放送された番組が、レギュラーとして“昇格”されたかたちです」(放送作家)
今回の新番組で“脱吉本”したワケを、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道さんに聞いた。
「前提として、フジテレビは『ひょうきん族』や『めちゃイケ』など、バラエティーが他局に比べて圧倒的に人気があった時代が長く続きました。しかし、ここのところTBSやテレ朝などの後塵を拝し、業界内でもフジテレビを案ずる声が上がっています」
そんな中、'22年6月に社長に就任した港浩一氏など、“フジ黄金期”に現場の第一線で番組制作をしていたスタッフが経営層に。“当時”のバラエティーを復活させようとしているという。
「ただ、今の若者には古く感じられて“おじさん臭”がするのがフジテレビバラエティーの弱点だと思います。そこで、あえて新しい軸の番組にしたのかも。フジテレビらしくないところで勝負に出て幅を広げるという意味では、非常に期待しています」(鎮目さん、以下同)
なぜ吉本芸人以外に白羽の矢が立ったのか
『オドハラ』を手がけるのは'21年3月にテレビ東京を退社し、フリーになった佐久間宣行プロデューサーだ。
「若い世代にも好感を持たれる“テレ東的な面白さ”を取り入れたいのでしょう」
このことも“吉本不在”に影響していて……。
「吉本は社内で制作部門も持っており、すべて自己完結できます。ただ、吉本のスタッフが作ると“吉本カラー”の似たような番組になる。吉本芸人をメインで起用すると、そうしたスタッフも介入してきて、佐久間さんが自由に番組を作るのが難しくなってしまうんです。
フジテレビとしても、せっかく佐久間さんに任せるのであれば、その色を活かしたほうが面白くなると考えたのではないでしょうか」
そこで、吉本芸人ではないオードリーとハライチに白羽の矢が立ったワケだ。
「佐久間さんは、業界内でテレビマンという枠を超えたお笑い通として知られています。そんな彼がその実力を買っているのが、オードリーとハライチだったのだと思います」
期待の新番組に、他局は“ハラハラ”しちゃうかも!?
鎮目博道 テレビプロデューサー。'92年テレビ朝日に入社。報道番組プロデューサーなどを経て、「ABEMA」立ち上げに参画し、'19年に独立。著書に『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)など