《高熱のときの夢みたい》
《カオスすぎる!!》
アニメ『名探偵コナン』でSNSが「?」に
7月8日、アニメ『名探偵コナン』の放送が始まり、“オムライスの死体”というワードが登場すると、SNSが“?”で溢れかえった。
『名探偵コナン』は、'94年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が始まったミステリー漫画。優秀な高校生探偵・工藤新一が“黒の組織”によって謎の薬物で少年の姿にされてしまう。組織の行方を追いながら、“江戸川コナン”を名乗り、周りで起こる様々な事件を、テンポのよい名推理で解決していくというストーリーで、'96年からアニメ放送が始まった。
トリックを見破るため、視聴者がコナンと一緒に考察するのも『名探偵コナン』の醍醐味だが、“ハンガーを投げつけられたから殺した”“私の美学に反する左右非対称の建物を建てたから殺した”などと、“なんだよそれ”と突っ込みたくなる殺人動機も存在する。
'09年放送の『回転寿司ミステリー』では、回転寿司で、スズキとヒラメを入れ替えられたのに気づかず、うんちくを語って恥をかいたグルメライターが殺人犯に。
自身のグルメブログを荒らされたことにも腹が立ち、毒を盛った回転寿司殺人を決行。くだらない動機のように感じるけど、本人たちは必死だ。
実は、アニメには原作を基にした回と、脚本家・浦沢義雄らが手掛けるアニメオリジナルの回が存在する。原作回も、視聴者がザワザワしてしまうシーンが満載だが、特に、アニメオリジナルのカオスぶりは異常だ。
フィジカル最強の犯人
今年2月25日に放送された『てっちり対決ミステリーツアー(下関編)』では、防犯カメラに映ることを避けた犯人が使ったトリックが話題に。犯行現場は関門海峡付近。犯人は、世界でも有数の荒い潮流である関門海峡を泳いでわたりきった。視聴者からは“それってアリかよ(笑)”“フィジカル強すぎて草”などとのコメントが殺到した。
この“トリック”に対して、海峡の所在地である福岡県観光連盟は公式ツイッターで、「コナンで出てきた“関門海峡を泳いで渡る”という内容が話題ですが、歩いて渡れるトンネルがありますよ」と、犯人を一蹴。
'21年11月27日放送の『ケーキを愛する女のバラード』は、男性がシンクいっぱいのあんこに埋められて窒息死した遺体が出現。ケーキを愛する女性店員が、和菓子にうつつを抜かす社長に鉄槌をくだした。ただ、死因に直接あんこは関係しておらず、視聴者の頭はさらにパニックに。和菓子関係者がSNSで、やけどの危険性を解説するなど、日本中をまきこんだ、あんこ事件となった。
トンデモ展開が多いアニメオリジナルは、ファンの間で密かに“浦沢回”と呼ばれている。世間がざわついた、7月8日放送の『天才レストラン』も、もちろん“浦沢回”。序盤で、コナンが“オムライスの死体を見た!”という男性に話しかけられ、ミュージカルのようなシーンが流れると、SNSでは“オムライスの死体”がトレンド入りし、視聴者もコナンも大混乱。
男の正体は元店長。以前来店した際、自信作のお子様ランチに無関心だったコナンを恨み、復讐を企てたようだけど、“意味不明”な展開で、“おかしいと思ったら浦沢回だった”とコナンくん以上の名推理をするファンも。
ただ、一見ぶっとんでいるように見える動機でも、些細なことが殺人の引き金になってしまうこともある。浦沢回は、ふざけているように見えて、大切なことを教えてくれている。優秀なコナン君も、真犯人・浦沢には叶わないようだ。