宮崎駿監督の10年ぶりの長編作品『君たちはどう生きるか』が話題だ。公開10日間にして観客動員232万人、興行収入は36億円を突破している。今年公開された木村拓哉(50)主演の超大作『レジェンド&バタフライ』が、およそ3か月間で終映するまでの動員数188・8万人、興収24・4億円を軽~く超えてしまった。主演スターのキムタクがあれほどの宣伝をして回ってその数字、逆に彼が特別出演(チョイ役)で出た『君生き』が一切の宣伝なしに公開され、この数字に至ったのはかなりの偉業だろう。
観た人はみんな語りたい!
さて、数字的にもうひとつ特筆すべき点がある。それはレビュー数の多さ。国内最大級の映画レビュー数を誇る『Filmarks』を見てみると、公開3週目現在の映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』へのレビューは3万件弱。対して『君生き』が公開10日たたぬうちに4万件を超えている。そう、みんな語りたいのだ。この作品についての思いを……!
《号泣。宮崎駿監督の映画でいちばんよかった》
《ここまでの世界にした宮崎駿の感受性の恐ろしさ。執念深さ、自由さ、優しさ》
《最後は親が死んだかのように泣き崩れてしまった》
《これまでの集大成のような印象とまったく新しい世界》
熱い絶賛の嵐がネット上に吹き荒れている。だが、同じサイト上で大ディスり大会も始まる。この“評価が二極化している”というのも大いに話題になっているのだ。
キッパリ分かれた賛否
《つまらない。駄作です。後半観ていても疲れてきて、立ち上がって帰りたかった》
《もしかして「あの小説が映画化されるなら観てみよう!」という層が騙されて観に来るのを狙ったタイトル?》
《大人がお金をかけて作った漫研の季刊誌》
《ポップコーン代を返せ》
《睡魔に襲われた。会場のそこかしこからいびきが……》
と、ズタボロ! かつてこんなに賛否の分かれる作品があっただろうか。芸能界にもその波紋は広がる。
《めちゃくちゃ楽しいが詰まった映画じゃねーか!! 宮崎駿作品 トトロ 魔女宅 千と千尋 ポニョ アリエッティが大好きな私は1番好きな作品となりました!!》《難しかったと言っている人たちは考え過ぎだと思います》
と明るく報告したのは大絶賛派の若槻千夏だ。対して、
《私のような修行の足りない者にはとても難解な空想映画でした》
“出直します”と否定的に語った大槻ケンヂなど、やはり意見は大きく二分された。
一体どうなっているのか。取材班は実際に、映画館での出口調査を行った。そこで聞こえてきた言葉とは……。
「むずい。いみふ。後半眠かった」(20代カップル)
「これで(評価が)二極化するとかウソでしょ。わかるとか言うのは、強がりじゃないのかなぁ」(30代男性)
「意味がわかるような、わかんないような……。でも面白かった!」(50代女性)
「宮崎駿総集編。見れてよかったです」(20代女性)
出口調査での評価は6:4で否定派が多かった。でもやっぱり半々くらい。熱々カップルでさえ意見の割れるこの問題作を“君たちはどう見るのか”!? 感想はぜひ誰かと語らっていただきたい。